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お勢登場@シアタートラム [舞台]

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■2017/2/11鑑賞。今年の舞台2本目。今のところ次の予定はない。

■気鋭の劇作家・倉持裕さんの新作舞台。舞台を観に行くと必ず入り口で貰う大量のチラシによると、この後も今年3本新作の上演予定があるようです。売れっ子ですね。とか言ってるが実は初見。脚本を務めた、嵐のニノが主演の日テレのドラマは見たことがあるという程度。

■もちろんお目当ては主演の黒木華。劇場は三軒茶屋のシアタートラムで初訪問。隣の世田谷パブリックシアターにはたびたび来ているのだが、こちらも小さめの小屋だけど、座席のどの辺からも舞台がよく見えそうな良さ気な劇場である。

■原作は江戸川乱歩の『お勢登場』を中心とした短編8作を1本の話として再構成したもの。連作短編ではないので、きちんと話全体の整合性が取れているわけではないが、それが不条理さを生み出す副次的な効果になっていて、なんとも味わい深い話になっている。全編を通して登場する悪女・お勢を演じる黒木華以外の、片桐はいり、梶原善や、その他の初見の俳優さんたちは一人何役もこなしている。

■ちなみにわたくし、江戸川乱歩の小説小学生の頃の『少年探偵団』シリーズ以来なのですべての短編は未読。でもそういう人、結構多いんじゃないかな。

■今回は人も殺してしまう悪女の、黒木華の魅力がまたもや眩しい。やはり舞台は彼女にとって最大のパフォーマンスを発揮できる場所なんだろうな、と改めて思う。片桐はいりや梶原善も、手練れの役者ぶりを遺憾なく発揮している。ただ、二日目の上演だったので練習不足だったのか、それ以外の役者さんが、噛んだり台詞をとちったりするのが結構気にはなった。ちょっとイチャモンつけ過ぎかな。

■まあ、やはり舞台経験のある役者さんの演技は信頼に足る、というのを再確認した舞台でした。できれば今年はあと2つくらい行こうっと。今作はそうでもなかったがチケ代高いけどね。

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ザ・コンサルタント [映画]

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■2017/2/4鑑賞@チネチッタ。今年9本目の洋画8本目。

■勉、じゃなくてベン・アフレック(すいません『あまちゃん』ネタです)の出演映画にはほぼハズレがないというのは、この近年映画を大量に観ているわたくしの感想。でも昨年公開されたDCの『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は話が長すぎるしダレててちょっといただけなかったけどね。表向きはカタギの会計士で夜は闇社会のスナイパー、という二面性は結構よく使われている話なんだけど、さてさて。

■田舎町の会計士、クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)は実は裏社会にも通じる男だった。「高機能自閉症」(初めて聞いたが実際にある病名らしい)のウルフは、軍人の父親が担当医の薦めも拒絶して軍事的訓練を叩き込む。そして生まれたのは高い知力を持ちながら戦闘能力に長けたモンスターだった。二面性というより、変な人がたまたま会計士をやってたという感じ。昼の仕事で、大企業の監査を頼まれたウルフは会計の欺瞞を見抜くが、そこで見えない敵から襲われそうになる。

■雑にも思えるが結構面白い。ネタバレは避けますが、アクションシーンと謎解きで面白ポイント満載。単なる二面性の話ではなくて、登場人物のそれぞれが少しずつおかしいし、エンドロールに至っていろいろ仕掛けられた謎が解けるという構成に拍手。

■可能であればぜひ観て欲しいんだけど、遅筆でこの映画あまりヒットしてないので、書いてる時点で公開館がかなり少なくて大変申し訳ございません。でもやっぱり、ベン・アフレックの出演映画にはほぼハズレなし、です。

■ただ邦題が。原題は『The Accountant』で、直訳もなにも会計士なんだけど「コンサルタント」っていうのとはちと違う。確かに会計士はコンサル的な業務も多いんだけど、単に「アカウンタント」という横文字が日本ではまだ馴染んでないので無理に逃げたかなと。だったら邦題は「会計士」とかにしたほうが良かったんじゃないか、とぼやいてみます。

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マグニフィセント・セブン [映画]

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■2017/2/4鑑賞@109シネマズ川崎。今年8本目の洋画7本目。

■原案が黒澤明の『七人の侍』とそれをハリウッドで翻案した『荒野の七人』というのが売りの映画。ま、この映画のタイトルそのものが『荒野の七人』の原題『The Magnificent Seven』そのまんまなので、そのリメイクと考えたほうがいいだろう。「Magnificent」というのは「崇高な」とか「素晴らしい」などの複数の意味があるのだが(ビジネス英語ではあまり見かけない)、日本の配給会社はいまさら「荒野の七人」という訳にもいかず、原題をそのままタイトルにしてしまった。それは正解。苦し紛れで変な邦題を付けて観客に変な予断をさせるより全然まし。

■ローズ・クリークの町の住人たちは苦労してここを開拓してきた人間が大部分。ある時近くの山で金鉱が見つかり、そこを独占しようと進出してきた悪徳業者ボーグ(ピーター・サースガード)とその手下は実力行使で町の住人に立ち退きを迫っていた。たまたま通りかかりいざこざを処理した賞金稼ぎの執行官、サム・チザム(デンゼル・ワシントン)に、ボーグに夫を殺されたアナ(ヘイリー・ベネット)は助けを求める。しかしサム一人では立ち向かうのが難しいので、サムは各所を周りクセはあるが手練れの7人を揃える。

■原案とされる二作をさらに単純にした勧善懲悪のストーリー。それはそれでいいと思う。また、デンゼル・ワシントンに若干飽き気味ではあるが、主人公が黒人で仲間に東洋人のビリー(イ・ビョンホン:もはやハリウッドの常連)がいたり、メキシコ人のガスケスがいるところとか、いかにも今のアメリカ風である。ただ最近大統領になったトランプさんは時間軸を逆に戻したいらしいけどね。

■名のある俳優さんばかりで、彼らの出演作を辿ると文章が長くなってしまうので割愛するが、シンプルに面白い映画でした。ただ、ヘイリー・ベネットはどっかで見たことあるなと思ったら、『ガール・オン・ザ・トレイン』にメガン役で出ていた女優さんでした。今作ではそういうシーンはなかったのだけど、何かエロい。

■ガンアクションって久しぶり。世界的な風潮かも知れないし、特に日本では一般市民の銃の所持が合法だった時はないので仕方ないかも知れないが。でも、個人的にはガンアクションって結構好きです。ガンアクションの映画ではないが、『レイダーズ 失われたアーク』でインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)が中東で大鉈を振り回す敵に向かい、困った顔をして銃一発で片付けたシーンとかすごく好き。オレにはのび太テイストがあるのかも知れない。

■蛇足ですが、『ドラえもん』の、のび太は日常社会では勉強も運動もダメな小学生だけど、なぜかガンマンの才能があり、開拓期の西部にタイムトラベルした時にその能力を発揮するという設定です。あ、ご存知ですよね。申し訳ありません。

■『七人の侍』『荒野の七人』から辿ると、映画マニアの方々は「どうかな」という意見ももちろんあると思うけど、単純な娯楽映画としてはすごく楽しかったので、結構お薦めです。ただアメリカでの興収は制作費とほぼ同額だったらしいので(まあコケたんだよな)、日本では事前の宣伝を多く打てなかったらしい。南無。

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スノーデン [映画]

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■2017/1/29鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年7本目の洋画6本目。

■ほんの数年前に世界を騒がせた元CIA・NSAの局員、エドワード・スノーデンの実話がベースの映画。監督は巨匠、オリバー・ストーン。当時は断片的な情報だけが入ってきていたので、スノーデンが主張するアメリカの諜報活動がどこまで真実なのかは結構眉唾な印象があったのだけど、映画として提示されるとさてどうかなと。

■愛国心の強い青年、エドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィッド)は911の影響で、国の役に立ちたいと思い軍に志願するが、過酷な訓練で怪我をして除隊せざるを得なくなってしまう。次の進路として、スノーデンはCIAの試験に合格し、サイバー・セキュリティ・エンジニアとして頭角を現し、重要な任務に携わることになっていく。同時期にネットで知り合ったリンゼイ(シャイリーン・ウッドリー)とは、彼女はリベラルという立ち位置の違いはあるものの仲を深めてゆく。

■ジュネーヴの国連代表部に派遣されたスノーデンは、そこでNSAの極秘検索システムの存在を知る。Google検索どころではなく、各個人のメール、チャット、SNSまで監視できる、憲法違反とも言える恐ろしいシステムだった。アメリカによる情報の世界支配の現実を知ったスノーデンは耐えきれなくなりCIAを辞職するが、Dellなど民間企業に席を置いたりしつつも、サイバー諜報に関わらざるを得なかったが、精神の限界に達し告発を決意する。

■いざ映画として見せられると、このストーリーはすごく説得力を持つ。またジョセフ・ゴードン=レヴィッドのスノーデンへの寄せ方がすごい。最後の方にスノーデン本人の映像も出てくるが、まったく違和感がない。映像演出は特に斬新という訳でもないけど、さすがストーン監督、ツボを押さえていて映画としての完成度も高いと思う。

■『プラトーン』などで人権派として評されることの多いストーン監督。今作も内容が内容なだけにハリウッドの出資は断られ、ロンドンからの出資で何とか作れたようで「今後映画を作れるかどうか分からない」と言っているらしい。ただ、「トランプ大統領に期待している」(最後の方にちょっとだけ出てくる)などの発言が示している通り、人権派というより「面白い映画が作れればそれでいい」という、悪い言い方をすれば山師のような人だと思う。もちろん、結果としていいアウトプットがあれば観客としては大歓迎なんだけどね。

■劇中の描写で、「もし日本が同盟国でなくなれば、仕込んでいるマルウェアを走らせ簡単に日本のインフラを破壊できる」という話には背筋が凍るが、たぶん本当なのだろう。でもそれだけ世界の諜報を牛耳っているのなら、トランプさんは不穏な大統領令を連発させて世界の顰蹙を買う必要はないのでは、とも思った。が、トランプの支持層と言われる白人の労働者層の支持を得るにはそういうパフォーマンスが必要なのかなとも。

■いろいろ書いたがたいへん刺激的で面白い映画です。お薦め。観たのはシネコンの中でも小規模のシアターだったのだがほぼ満員。週末興収にランクインしていなかったので劇場の編成ミスかもね。

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沈黙ーサイレンスー [映画]

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■2017/1/29鑑賞@チネチッタ。今年6本目の洋画5本目。

■ブログに何回か書いたこともあるが、ウチは父親がクリスチャン(プロテスタント)なので、オレも小学生の頃は毎週教会の日曜学校に行ったりする子供だったのだ。結局洗礼は受けなかったけど。で、中学の頃に、敬虔なクリスチャンである遠藤周作の『沈黙』を父親の本棚に見つけたので読んでみたら、ものすごく面白かったのだ。もちろんこの映画の原作小説のことである。それで観るつもりではいたのだが、話のあらすじの半分以上は覚えてなかったりして。加齢とは哀しいものです。

■監督は巨匠、マーティン・スコセッシ。最近の作品では、とても映画愛に溢れた『ヒューゴの不思議な発明』にじんと来たかと思うと、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオ様その他の過剰な暴力シーンに胸焼けがしたりと、相変わらず一筋縄ではいかない。今作はどう出るか。

■江戸時代初期の日本。織田信長統治下での庇護から一転、豊臣秀吉はキリシタンの弾圧を始め、江戸幕府になってからもそれは継続されていた。ポルトガル人の神父フェレイラ(リーアム・ニーソン)が消息を絶ち、棄教したとの噂も流れる中、弟子のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)は、フェレイラを追って日本人のキチジロー(窪塚洋介)の手引でマカオから長崎に潜入する。

■ロドリゴたちは「隠れキリシタン」と呼ばれる村人、イチゾウ(笈田ヨシ)やモキチ(塚本晋也)の庇護を受けつつ村人たちのために祈るが、幕府の取り調べは熾烈を極め、キチジローの裏切りもありついに囚われの身となる。長崎奉行のイノウエサマ(イッセー尾形)は、「結果的に村人を助けるためだ」とロドリゴに棄教を迫る。

■白人のメインキャストが(アメイジング)スパイダーマンだったり、スター・ウォーズだったりするところがなんだかおかしいが、それは映画の本筋にはまったく関係がない。原作小説がそうであったように、信仰の自由が一義なのか、自分の心を欺いても人と自分の命を助けるべきかという迷い。そしてそもそも異なる社会に自らが信じる宗教を広めるのは本当に正しいことなのか、という、当然現在に至っても答えなど出ようのない話に取り組んだ、非常に奥深い映画。

■日本人俳優陣も、キチジロー演じる窪塚洋介の卑怯さや、通詞を演じる浅野忠信の怜悧さ、そしてまさに体を張った演技の塚本晋也監督など見どころたっぷり。加瀬亮や青木崇高、片桐はいりとかも出てます。小松菜奈も土に汚れた村人の娘役だが妙に光っている。この人が重用されている理由が少し分かったかも。

■現代の日本では信仰の自由は基本的に保証されているので、よほどのカルト宗教でない限り、特定の宗教の信者だからといって他人から白い目で見られることはない。だが世界を見ると、今でも自らの信じる教えのために、喜んで自分の命を投げ出す人が少なからずいるという現実。観てスッキリという映画ではまったくないのだけど、ぜひ観て懊悩していただきたい。映画(小説)のタイトル『沈黙』は、キリストが十字架で処刑される際に神(ゼウス)は救いの手を伸ばさず沈黙していたこと、そして同じ状況に置かれたロドリゴを示したものです。

■余談。舞台は長崎がメインだがそのシーンは全面台湾ロケ。一応スコセッシ監督御一行は、長崎で撮るべくロケハンに訪れたらしいが、その時に長崎県の役人が下手打ったとか打たなかったとかで結果台湾ロケになったらしい。強い資本力でアメリカの映画会社を買収できたりする中国は別格として、官の柔軟な対応でロケ地を獲得している韓国と比べても、その点に関しては日本は劣っていると思う。日本がコンテンツをひとつの武器としていくならば、「クール・ジャパン」とか寝呆けたこと言ってないでその辺の対応を整備するのが先じゃないかと思っちゃいますがね。

■余談のおまけ。この映画、初週の週末興収は4位で2週目は8位。だけど公開週の週間ランキングでは堂々の1位。オレが観た劇場(2週目週末)でも還暦過ぎの方が大部分を占めていたので、なるほどなと思う。テーマが重いしイケメンやアイドルが出ているわけではないので(出演している役者さんすいませんすいません)若い人には受けにくいというのは分かる。そして映画を1,100円で観られる比較的時間に自由が効く層は、平日に映画を観る人が多いはずだということも。

■映画館の2週目以降の編成は、初週の興収をかなり参考にしているはず。でも本当に映画が好きなのはたぶん年配層なので、今後は週間ランキングも参考にしたほうがいいと思う次第です。もちろん現在でも参考にしているところはあると思うけど。

新宿スワンⅡ [映画]

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■2017/1/28鑑賞@109シネマズ川崎。今年5本目の邦画1本目。同名漫画が原作の一昨年の映画『新宿スワン』の続編。

■興行収入的には『新宿スワン』は園監督のキャリアハイなはずだが、昨年ツイッターで『シン・ゴジラ』『君の名は。』と思われる映画を罵倒したりとかと何かと物騒な園監督。本人の弁によると、この映画で「頼まれ仕事」は最後にして、今後は自分のやりたい企画のみで映画を撮るんだとか。

■舞台は前作から1年後。歌舞伎町のスカウト・龍彦(綾野剛)は、スカウトが過剰状態のためシマの拡大を命じられ、幹部の関(深水元基)とともに横浜に向かうが、横浜はかつて関と因縁があった滝(浅野忠信)の率いるウィザードが支配していた。

■これもヤクザが出てはくるのだが、昨今のご時世でヤクザを主体にはできないので、スカウト同士の抗争を描く、前作と同様の疑似ヤクザ映画。ただ今回はアクション監督として、『るろうに剣心』などの谷垣健治さんが参加しているので、格闘シーンは前作より迫力がある。

■ただ、一部原作のせいなのかもしれないが、脚本が冗長でテンポが悪すぎる。前作は放送作家の鈴木おさむと水島力也(山本又一朗Pのペンネーム)の共作だったが、今回は水島力也単独。前作もテンポがいいとは言えなかったが今作は輪をかけて酷い。伝説の映画『太陽を盗んだ男』などにも関わった大御所プロデューサーなのかも知れないが、この人は脚本書いちゃダメですよ。

■それに引きずられて園監督の演出も冴えず、今まで満島ひかりや二階堂ふみなどの若手女優の魅力を引き出した技法の片鱗も感じさせない。ヒロインの広瀬アリスなんか、この映画の中ではただのかわいそうな女の子にしか見えない。

■という訳で前作以上に残念な映画でした。やはり園子温は自分の企画・脚本で映画を撮るべき人かなと。大ハズレもあるが、大当りもそこからでしか生まれないような気がする。


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ドクター・ストレンジ [映画]

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■2017/1/28鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年4本目の洋画4本目。

■マーベルというか、世界観を同一に保ったシリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース」だと観てしまうところは完全にマーベルの罠に落ちているわたくしではあります。そして主演は演技派俳優、ベネディクト・カンバーバッチ。昨年の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の主演、エディ・レッドメイン同様、カンバーバッチもSF・ファンタジーの軍門に降りたのかというのは、たぶん我々映画ファンの思い込みであって、俳優さん本人はそう気にしてないような気もするけど。

■天才だが傲慢そのものの外科医、スティーブン・ストレンジ(カンバーバッチ)は交通事故で両腕の神経がままならくなり絶望に陥る。同僚の外科医・クリスティーン(レイチェル・マクアダムス)の助言も耳に入らない。ある時絶望的な脊髄損傷から復活した患者を知り、そのつてでカマー・タージ(インド近辺?)にいる指導者、エイジェント・ワン(ティルダ・スウィントン)に出会い、精神力で両腕を回復させるべく修行を積む。しかしワンの元弟子・カエサリウス(マッツ・ミケルセン)の野望の戦いに否応なく巻き込まれてゆく。

■わたくし英語圏の住民ではないので、名字に「Strange」っていう人が実際にいるかどうかは気になりましたけど。

■大変面白かった。カンバーバッチの偏屈そうなキャラが今作にも生かされてたし(本人がどうかは知りませんが)、直球なストーリー。ただストレンジがワンに弟子入りしたり、前の弟子(カエサリウス)が反乱を起こして転覆を企むというのは、すんげえスター・ウォーズですよね。主要な登場人物の和服っぽい佇まいも。

■でも今までは主に物理的な攻防に終始していたマーベルと比べ、精神世界に踏み込んだのは新しいし映像的にも面白かった。そして3Dで都市の陥没や隆起を表現した映像は、ノーラン&ディカプリオの『インセプション』をさらにインフレにした感じ(雑ですいません)で楽しかった。ただ、わたくしは2Dで観たのだけど、3Dでみたらかなりの確率で3D酔いをすると思うので、三半規管が弱い方はお気をつけください。

■若干ネタバレ。本編終了後のエンドロールの途中で、マイティー・ソーが出てくる。ということはこれから先の「マーベル・シネマティック・ユニバース」にも出番があるんだろうね。

■お薦めです。特にマーベルファン。そして、レイチェル・マクアダムスの可憐さももはや定番。

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ネオン・デーモン [映画]

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■2017/1/14鑑賞@TOHOシネマズららぽーと横浜。今年3本目の洋画3本目。

■ニコラス・ウィンディング・レフン監督の以前の作品『ドライヴ』は、B先輩に薦められてDVDを借りて見たのだが、掛け値なしに面白かった。主演のライアン・ゴズリングの魅力によるところも大だとは思うけど、予測不可能なスリリングな展開、ドライブシーンの格好良さなど、魅力的な点が多かった。DVDは字幕のみで日本語音声は入ってなかったのだけど、テレビ東京が平日昼にやっている洋画の放送番組「午後のロードショー」では放送する際に、わざわざ日本語音声を新規収録するという蛮勇に出て拍手喝采。広く知られてはいないが、一部の映画ファンには好まれている作品だし、もちろんオレもそう。

■それ以降特に追っかけていたわけではないが、この映画のキャッチコピー「『ドライヴ』を超える衝撃」に釣られて観ることにした。以下、この映画を悪く書きますが、あくまで個人の主観によるということを初めにお断りしておきます。

■トップモデルになりたい、と田舎からロスに出てきた16歳のジェシー(エル・ファニング)は、自らも自覚しているその美貌により、カメラマンやデザイナーの心を掴みたちまち売れっ子モデルになるが、仕事を奪われた他のモデルたちは彼女に激しい嫉妬を抱き、それを行動に移すようになる。

■結末は書きませんがまあこんだけです。脚本は非常にステレオタイプの話なのですが、監督はビジュアル重視で話を展開していこう、と思ったのだろう。

■各々のカットが無駄に長く、かつカメラワークは平面的。そしてR15+の映画なのだけど、脇役の女性陣はバンバン脱いでるのに主演のエル・ファニングは脱いでなくて、『さよなら歌舞伎町』の前田敦子のような「脱ぐ脱ぐ詐欺」ではないかと思ってしまった。でもまあこの点に関しては、エル・ファニングはまだ18歳なので当然といえば当然だけど。エロオヤジですいません。それにそんなに美貌とも思えなかったので、それは演出で何とかして欲しかったかなと。キアヌ・リーブスなんて何のために出ているのかよく分からなかったし。

■いろいろ愚痴めいたことを書いたけど、要はレフン監督の世界観に乗っかれるかどうか、という映画だと思う。オレより倍以上映画を観ているK先輩とかは「ラストのシークエンスを除いて全肯定」と言われてたし。

■観る人によって判断が分かれる映画だと思うので、お薦めはしませんが興味を持った方はどうぞ。

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わたしは真悟@新国立劇場中劇場 [舞台]

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■2017/1/11鑑賞。今年の舞台1本目。来月も観る予定があるので、少なくとも今年は昨年観た本数(2本)と同じになるのは確定。あとは今年どれだけ観たい舞台が出てくるかに拠る。チケ代は基本的に高いしね。

■実は新国立劇場に来るのは初めてだが、なかなか立派な劇場。さすが国立だ(?)。住所は渋谷区だが最寄り駅は初台なので、新宿から行くほうが近い。しかしチケット代は自分観劇史上最高額の¥10,800。高いよマジで。が、当日会場に赴くと若い人、特に女子高生がやたらに目立つ。今どきの女子高生はおっさんよりリッチなのかと思ったらそうでもなく、学生限定の「真悟割」(¥4,700)があるそうな。値段の問題は分かったが、主な出演者は高畑充希、門脇麦、小関裕太、大原櫻子、成河。あまり女子高生受けしそうなキャストではない。高畑充希は朝ドラ女優だが、女性受けがいいというイメージがあまりない。門脇麦も知名度としてはまだまだだし、イケメンの小関裕太狙いなのかな? 成河は舞台俳優として活躍してるし、大原櫻子は歌手のイメージが強い。

■閑話休題。原作は楳図かずおの同名漫画。楳図かずおというと、若い人のイメージでは、赤ボーダーのシャツを着て吉祥寺近辺に出没する変なおじさん(おじいさん)というところか。もちろん『漂流教室』『まことちゃん』などのヒット作があるれっきとした漫画家で、この原作漫画は、オレが大学生の頃、創刊間もない「ビッグコミックスピリッツ」に連載されていた。まあまあ古い漫画なので、これが現代にミュージカルとして上演されるというのにはちょっとビックリした。しかも特にこの漫画は分かりづらく、哲学的、というより形而上学的な話なのでさらに驚き。

■それでも観たのは、舞台女優(『ピーターパン』とか)でスタートした高畑充希の舞台を一度観たかったからだ。まあ実は結構ファンでもある。初めて高畑充希を認識したのは、ドラマ『Q10』。主演の朝ドラ『とと姉ちゃん』は脚本のせいか正直イマイチだったけど、現在再放送中の朝ドラ『ごちそうさん』の演技も光っている。門脇麦の舞台も一度観たかったし、大原櫻子(『カノジョは嘘を愛しすぎてる』)も観てみたかった。

■小学生の真鈴(高畑充希)と悟(門脇麦)は愛し合っていたが、真鈴の親の海外転勤で引き離されそうになる。二人は東京タワーの上から飛び降りるが、その時、遊び場の工場でいつも遊んでいた産業用ロボットに自我が目覚め、自らを「真」鈴と「悟」の子供、真悟(成河)と名乗る。真悟はロンドンにいる真鈴と、日本に残った悟の苦境を察知し、進化を続けながら両親を救うために動き出す。

■高畑充希と門脇麦が小学生の役というところで既に力技。そして真悟はアームを持った産業用ロボットなのだが、その動きは映画じゃないのでCGにはできず、後ろで黒子がアームを持って動かすというこれもまた力技。そして演出のフィリップ・ドゥクフレさんという方は初見だけど、振付師出身とのことで場面場面にダンサーが多数。

■若手俳優主体なのでそんなにギャラは掛からないだろう、と思ったがこの頭数ではそれなりにするだろうし、新国立劇場のハコ代も結構するだろうし、舞台装置もお金掛かってそう。演劇でプロジェクションマッピングって初めて観たわ。¥10,800というチケ代にまあまあ納得。

■ところがこれが結構面白かったのだ。高畑充希の歌と踊りは素晴らしいし、門脇麦もなかなかのもの。大原櫻子は設定上、わざと音程が外れた歌を歌わなければいけなかったのがちょっと気の毒。本人はもっと上手なはずなので、次は適年齢の役でミュージカルをやって欲しいな。あ、この舞台、ミュージカルにしては劇伴がちょっと弱かったかも。

■といっても結構特殊な部類の演劇なので、高畑充希が番宣で「若い人が舞台を観に来る糸口になれば」と言ってた効果があったかどうかはちと疑問。次は普通の舞台で高畑充希を観たいな。

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アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男 [映画]

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■2017/1/9鑑賞@チネチッタ。今年2本目の洋画2本目。

■正直、えらいものを観てしまったという感想。今年はまだ2本しか観ていないが、オレ的今年の洋画ベスト5に入ることはほぼ確定(だから早いって)。戦後ドイツが、欧州内の他国にきちんとナチスドイツの謝罪と賠償を済ませたので現在のドイツがある、と今まで普通に思っていたのだが、事実はそんな簡単な話ではなかったようだ。

■1950年代後半のドイツ・フランクフルト。検事長フリッツ・バウアー(ブルクハルト・クラウスナー)は海外に逃亡したナチスの残党を追うことに情熱を傾けていたが、実は検察内部や政治家にもナチスの意志を継ぐ者が要職についていたり、またバウアーがユダヤ人であることもあって周りは敵だらけで孤立無援に近かった。そこへ、ナチス幹部でアウシュヴィッツ収容所を指揮していた戦犯、アドルフ・アイヒマンがアルゼンチンに潜伏しているという情報が届く。なんとしてもアイヒマンを確保したいバウアーは、若手検事のカール(ロナルト・ツェアフェルト)の協力を得ながら、味方も欺きつつ、ついにはモサドに協力を依頼する、という国家反逆罪のリスクを犯しながらもアイヒマンに迫ってゆく。

■ブルクハルト・クラウスナーはドイツ中心で活躍される俳優さんなのであまり見たことはないが、『ブリッジ・オブ・スパイ』にも東ドイツの司法長官の役で出ていたようだ。あまり印象に残ってないが。そして検事のカールはなんと架空の人物だそうで。その配置で、最近映画でよく語られる「わりあい最近まで同性愛は違法だった」という事実がこの映画のひとつのファクターになっている。

■映像も色彩を抑えたダークなトーンになっているし、劇伴はほぼジャズで映像体験としてもスタイリッシュ。歴史的な結末は、検索でもすればすぐ分かる話なのでここでは書かない。でも今の時代のこの状況で、ドイツと同じく第二次大戦の敗戦国である日本人はぜひ観るべき映画だと思う。

■うろ覚えなのでてにおはは多分間違っていると思うけど、劇中のバウアーの台詞で、以下のようなものがあった。
「ドイツの山河は美しいが、それはもとからあるもので我々が作った訳ではない。ゲーテやベートーベンは偉大だが、それは彼ら個々人の成果であって、国家が偉大なわけではない」

■正しい愛国心を持つことは大事だけど、だからって「日本のここがすごい」とかやたらに強調するような昨今の風潮は、正直言ってカッコ悪い。でも、この映画をオレが観て欲しいと思っている層は、絶対観ないんだろうなと若干諦めの気持ちもありつつ。

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