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お勢登場@シアタートラム [舞台]

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■2017/2/11鑑賞。今年の舞台2本目。今のところ次の予定はない。

■気鋭の劇作家・倉持裕さんの新作舞台。舞台を観に行くと必ず入り口で貰う大量のチラシによると、この後も今年3本新作の上演予定があるようです。売れっ子ですね。とか言ってるが実は初見。脚本を務めた、嵐のニノが主演の日テレのドラマは見たことがあるという程度。

■もちろんお目当ては主演の黒木華。劇場は三軒茶屋のシアタートラムで初訪問。隣の世田谷パブリックシアターにはたびたび来ているのだが、こちらも小さめの小屋だけど、座席のどの辺からも舞台がよく見えそうな良さ気な劇場である。

■原作は江戸川乱歩の『お勢登場』を中心とした短編8作を1本の話として再構成したもの。連作短編ではないので、きちんと話全体の整合性が取れているわけではないが、それが不条理さを生み出す副次的な効果になっていて、なんとも味わい深い話になっている。全編を通して登場する悪女・お勢を演じる黒木華以外の、片桐はいり、梶原善や、その他の初見の俳優さんたちは一人何役もこなしている。

■ちなみにわたくし、江戸川乱歩の小説小学生の頃の『少年探偵団』シリーズ以来なのですべての短編は未読。でもそういう人、結構多いんじゃないかな。

■今回は人も殺してしまう悪女の、黒木華の魅力がまたもや眩しい。やはり舞台は彼女にとって最大のパフォーマンスを発揮できる場所なんだろうな、と改めて思う。片桐はいりや梶原善も、手練れの役者ぶりを遺憾なく発揮している。ただ、二日目の上演だったので練習不足だったのか、それ以外の役者さんが、噛んだり台詞をとちったりするのが結構気にはなった。ちょっとイチャモンつけ過ぎかな。

■まあ、やはり舞台経験のある役者さんの演技は信頼に足る、というのを再確認した舞台でした。できれば今年はあと2つくらい行こうっと。今作はそうでもなかったがチケ代高いけどね。

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わたしは真悟@新国立劇場中劇場 [舞台]

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■2017/1/11鑑賞。今年の舞台1本目。来月も観る予定があるので、少なくとも今年は昨年観た本数(2本)と同じになるのは確定。あとは今年どれだけ観たい舞台が出てくるかに拠る。チケ代は基本的に高いしね。

■実は新国立劇場に来るのは初めてだが、なかなか立派な劇場。さすが国立だ(?)。住所は渋谷区だが最寄り駅は初台なので、新宿から行くほうが近い。しかしチケット代は自分観劇史上最高額の¥10,800。高いよマジで。が、当日会場に赴くと若い人、特に女子高生がやたらに目立つ。今どきの女子高生はおっさんよりリッチなのかと思ったらそうでもなく、学生限定の「真悟割」(¥4,700)があるそうな。値段の問題は分かったが、主な出演者は高畑充希、門脇麦、小関裕太、大原櫻子、成河。あまり女子高生受けしそうなキャストではない。高畑充希は朝ドラ女優だが、女性受けがいいというイメージがあまりない。門脇麦も知名度としてはまだまだだし、イケメンの小関裕太狙いなのかな? 成河は舞台俳優として活躍してるし、大原櫻子は歌手のイメージが強い。

■閑話休題。原作は楳図かずおの同名漫画。楳図かずおというと、若い人のイメージでは、赤ボーダーのシャツを着て吉祥寺近辺に出没する変なおじさん(おじいさん)というところか。もちろん『漂流教室』『まことちゃん』などのヒット作があるれっきとした漫画家で、この原作漫画は、オレが大学生の頃、創刊間もない「ビッグコミックスピリッツ」に連載されていた。まあまあ古い漫画なので、これが現代にミュージカルとして上演されるというのにはちょっとビックリした。しかも特にこの漫画は分かりづらく、哲学的、というより形而上学的な話なのでさらに驚き。

■それでも観たのは、舞台女優(『ピーターパン』とか)でスタートした高畑充希の舞台を一度観たかったからだ。まあ実は結構ファンでもある。初めて高畑充希を認識したのは、ドラマ『Q10』。主演の朝ドラ『とと姉ちゃん』は脚本のせいか正直イマイチだったけど、現在再放送中の朝ドラ『ごちそうさん』の演技も光っている。門脇麦の舞台も一度観たかったし、大原櫻子(『カノジョは嘘を愛しすぎてる』)も観てみたかった。

■小学生の真鈴(高畑充希)と悟(門脇麦)は愛し合っていたが、真鈴の親の海外転勤で引き離されそうになる。二人は東京タワーの上から飛び降りるが、その時、遊び場の工場でいつも遊んでいた産業用ロボットに自我が目覚め、自らを「真」鈴と「悟」の子供、真悟(成河)と名乗る。真悟はロンドンにいる真鈴と、日本に残った悟の苦境を察知し、進化を続けながら両親を救うために動き出す。

■高畑充希と門脇麦が小学生の役というところで既に力技。そして真悟はアームを持った産業用ロボットなのだが、その動きは映画じゃないのでCGにはできず、後ろで黒子がアームを持って動かすというこれもまた力技。そして演出のフィリップ・ドゥクフレさんという方は初見だけど、振付師出身とのことで場面場面にダンサーが多数。

■若手俳優主体なのでそんなにギャラは掛からないだろう、と思ったがこの頭数ではそれなりにするだろうし、新国立劇場のハコ代も結構するだろうし、舞台装置もお金掛かってそう。演劇でプロジェクションマッピングって初めて観たわ。¥10,800というチケ代にまあまあ納得。

■ところがこれが結構面白かったのだ。高畑充希の歌と踊りは素晴らしいし、門脇麦もなかなかのもの。大原櫻子は設定上、わざと音程が外れた歌を歌わなければいけなかったのがちょっと気の毒。本人はもっと上手なはずなので、次は適年齢の役でミュージカルをやって欲しいな。あ、この舞台、ミュージカルにしては劇伴がちょっと弱かったかも。

■といっても結構特殊な部類の演劇なので、高畑充希が番宣で「若い人が舞台を観に来る糸口になれば」と言ってた効果があったかどうかはちと疑問。次は普通の舞台で高畑充希を観たいな。

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エノケソ一代記@世田谷パブリックシアター [舞台]

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■2016/12/24鑑賞。少ないことに今年は『働く女』以来の舞台2本目(で終わり)。しかも三谷幸喜の舞台は『紫式部ダイアリー』以来2年ぶりだ。昨年も2本しか観てなかったので当たり前だけど。

■昨年のクソ映画『ギャラクシー街道』以降オレの中では三谷幸喜の評価はかなり下がっていたのだけど、今年の大河ドラマ『真田丸』で再浮上。これは別にブログに書きたい(書けないかも知れないけど)。大河にかかりきっていた昨年ー今年からの最初の舞台ということで興味はあった。

■昭和の喜劇王・エノケンこと榎本健一の名前は知っているが、全盛期はオレが生まれる前の頃で、オレが物心ついた時は晩年で、ほどなくして亡くなられたのであまり印象は強くない。その全盛期に全国各地でエノケンの偽物が多数現れた、というのは実際にあった話らしい。テレビもあまり普及しておらずネットもなかった時代でこそできたことだと思う。その偽物の中のひとり、エノケソ(市川猿之助)とその妻(吉田羊)の話。

■歌舞伎役者で現代劇をやって下手な人はまず観たことがないのだが、市川猿之助もさすがに素晴らしい。吉田羊の舞台も初めて観たのだけど、演技もいいし恐ろしいことに歌も大変お上手。脇を固める浅野和之、春海四方もいいし、一人何役も演じ分ける山中崇の力量にも驚いた。バイプレーヤーとして『深夜食堂』などで活躍していて、現在再放送中の朝ドラ『ごちそうさん』にも売れない作家の役でも出ているが、改めてすごい俳優さんだなと。そして何と三谷幸喜本人も役者として出演している。古川ロッパの偽物(フルカワクチッパ)として。爆笑。得意な小ネタも所々で炸裂してて、役者陣の演技を堪能できた。

■全公演は終了しているので以下ネタバレですが、WOWOWとかで放送されるのを見る予定の方は読まないでください。

■実際のエノケンは病気によって右足を切断することになってしまうのだけど、この舞台でのエノケソはエノケンになりきろうとするあまり、病気でもないのに自分の右足を切断し、それがもとで亡くなってしまうという結末。いくらなんでもその展開にはついて行けなかったし、実際にいた偽物たちの中でそんなことをした人間はたぶんいないだろう。無理筋というか後味の悪い話でした。

■「おもろうてやがて哀しき」的な狙いがあったのだろうが、まだ三谷幸喜完全復活、とまではいかないかな。

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書く女@世田谷パブリックシアター [舞台]

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■2016/1/21観劇。本年初舞台。昨年も二本しか観なかったので、今年もそう大して観ないような気もする。変な話、映画も真正面から観るとそこそこ疲れるが、舞台はもっと疲れる。もちろん演者の方の比ではないけどね。あとメジャーな舞台は料金が高い例が多い。でも今作は6,000円と良心的。

■黒木華が20代の女優の中で実力No.1であるということに、異を唱える人はそう多くないだろう。昨年から『小さいおうち』『ソロモンの偽証 前編・事件/後編・裁判』『幕が上がる』『繕い裁つ人』『母と暮せば』と映画はほぼカバーしたし、ドラマ『天皇の料理番』には毎回泣かされた。そして今年の大河『真田丸』にも本日(1/24)の回から登場している。

■しかし、黒木華はもともと舞台の人である。舞台を一度観たいと思っていたのだが、年が明けてどこかの民放のバラエティを見ていたら、黒木華と木野花がこの舞台の番宣で出ていたので、チケットを探してみたら幸いにも初日のチケットを取ることができた。世田谷パブリックシアターは『ベッジ・パードン』で来て以来だからだいたい4年半ぶりくらいだが、相変わらず、行ったことのある首都圏の劇場では一番オシャレだと思う。

■番宣で樋口一葉の話ということは分かったのだが、作・演出の永井愛さんという方の舞台は初見。まあそれはオレが演劇素人というのを露呈しているだけのことで、著名な劇作家の方で、この舞台も再演らしく、初回の樋口一葉は寺島しのぶが演じたそうだ。

■樋口一葉といえば五千円札の人で、才気あふれる女流作家だったが結核のため若くして夭折した人、という程度の知識しかない。代表作『たけくらべ』はさわりの部分が口語訳で国語の教科書に載ってたのを読んだことがある程度。そう、彼女の小説は文語体なので、読めないわけではないが読むのに骨が折れるので放置していた。

■作家を志している樋口一葉(黒木華)とその母・たき(木野花)、妹・くに(朝倉あき)の一家は、父を早くに亡くしたために貧困にあえいでいる。一葉は、新聞や雑誌に掲載してもらうため売れっ子の新聞小説家・半井桃水(平岳大)に弟子入りする。同人誌に掲載された作品などで一葉の名声は上がっていくが、収入はついていかない。桃水との間にあらぬ噂を立てられた一葉は桃水の許を離れ、日銭を稼ぐために吉原の近くに転居して金物屋を始める。そこで見聞きした話から『たけくらべ』の着想を得る。と、おおむね史実通りの話らしい。

■流れとしては明るい話ではないのだが、要所要所で笑いが起こる。この作家さんの持ち味なのだろうが、おもしろおかしくて少し哀しい、のだ。黒木華は、ドラマや映画の中では、おおざっぱに言うと「和装の似合う昭和の控えめな女性」というイメージが強いが(『リーガルハイ』を除く!)、舞台では局面によってすごく多様な顔を見せる。大人しかったり恋する乙女だったり妖しかったりとか、その変幻自在ぶりには驚かされるばかりで、やはり舞台こそが黒木華の本領を発揮できる場所なんだろう。

■他の役者さんたちもいい。桃水役の平岳大(同じく『真田丸』に出ているが、武田勝頼役だったのでもう出番が終わってしまった:笑)のつかみどころのない芝居が面白いし、妹役の朝倉あきは『下町ロケット』で見たことくらいしかなかったのだけどなかなか魅力的。木野花は言わずもがな。劇伴は、林正樹さんというピアニストが実際に舞台上でライブ演奏をしていて、こちらもなかなか。知らない人だったけど、友人の話によると最近評判の方とか。

■お勧めだけど、世田谷パブリックシアター公演分はもう完売しているので、チケットのない人は当日券が少し出るようなのでそこに賭けてもらうしかない。頑張ってください。オレももう一回行きたいくらい。

■樋口一葉の小説はかなり奥深いものが多いようなので、青空文庫からダウンロードして、頑張って文語体を読んでみようと思う。

不倫探偵〜最期の過ち〜@本多劇場 [舞台]

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■2015/5/31鑑賞@本多劇場。今年二本目の舞台。観た理由は、3月に同じ本多劇場で『結びの庭』を観た時に貰ったチラシの中にこの作品が入っていて、読んで面白そうだと思ったので。まずタイトルがバカバカしいし、キャストも魅力的だし。

■この舞台、「日本総合悲劇協会」プレゼンツという話だけど、大人計画で客演を迎えてやる舞台のプロジェクト名らしい。久々らしいが。以前オレが観た松尾スズキの一人舞台『生きちゃってどうすんだ』と同じく、松尾スズキと漫画家の天久聖一との共同脚本・演出。キャストは長くなるが全員書く。主演の松尾スズキに、片桐はいり、二階堂ふみ、伊勢志摩、皆川猿時、村杉蝉之介、近藤公園、平岩紙というキャスト。大人計画の舞台はさほど観てないのになんか既視感あるなあと思ったら、今年4月公開の松尾監督の映画『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』とキャストがほぼ被ってる、平岩紙以外。大人計画の役者さんは当たり前だけど、客演の片桐はいりと二階堂ふみまで。まあ、二階堂ふみは『ジヌよさらば』の撮影時に、松尾スズキに「舞台に出してください!」と直訴した結果こうなったらしいけど。

■ま、ストーリーもかなりふざけてます。連続殺人犯で死刑に処された罪一郎の息子、罪十郎(松尾)は元刑事だが今は私立探偵をしている。十郎には特異な性癖があり、不倫でなければ恋愛できない。なので付いた通称が「不倫探偵」(笑)。夫の浮気調査で訪ねてきた人妻・麻里(平岩紙)ともそういう関係になってしまったところ、翌朝、元同僚の赤星乱(片桐はいり)が訪れ、麻里の夫が隣室で首なし死体で発見されたことが知らされる。犯人は誰か?

■確かにミステリー調の作品ではあるのでネタバレは避けますが、まあ徹頭徹尾ふざけてます。TVコントのような演出も多いし、十郎は読書好きで「百田尚樹の『殉愛』と『殉愛の真実』をこれから読もうと思ってたのに!」というヤバめの時事ネタも多数。ミステリーなのできちんとオチは用意されているけど、ストーリーなんてどうでもいい、というくらい役者陣の熱演が素晴らしい。さすが大人計画。村杉蝉之介や平岩紙の、ドラマだけでは分からない演技力をしかと堪能しました。二階堂ふみも頑張ってたけど、この百戦錬磨の俳優陣の前では少し影が薄くなったかも。でも若いので、これから頑張ってください。あと、松尾スズキがズラとドーランのせいか、男前に見えたのは面白かったな。

■面白い舞台なのでお勧めです。東京は6/28まで。大阪公演もあるようです。前売りは完売みたいだけど、時間とガッツがあれば当日券は取れるかもしれないのでぜひ。だったらもっと早くブログに書けよという話ですが、大変申し訳ございません。


結びの庭@本多劇場 [舞台]

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■2015/3/7観劇@本多劇場。もちろん今年初観劇。昨年も一本(『紫式部ダイアリー』)しか観なかった薄い演劇ファンでございます。そんなにたくさん舞台を観てる訳ではないのだけど、演劇はTV放送ではなくて生で観るのは全然違うと思っている。ま、そもそも演劇のTV放送ってNHKのEテレ・BSかWOWOWくらいしかないからね。TVやDVDで舞台を見るのもそれなりにいいけど、やはりライブ感的にはリアルで観たほうがいいと思うわけです。音楽で言うと、CD(もしくはレコード)とライブの印象の違いと言うことかな。それを享受できない地域の人がいるのは残念ではありますが。

■脚本・演出は岩松了。岩松了さんの舞台は、一昨年横浜KAATで『不道徳教室』を観て以来。一般的には脇役の俳優としての印象が強い岩松さんだと思うが(例:『のだめカンタービレ』ののだめの父親役)劇作家が本業なんですね。昔観て嗚咽した映画、竹中直人監督『東京日和』の脚本担当だったし。岩松さんの名前を認識したのはこの時が最初だったかも。役者陣は知ってる人ばかり。宮藤官九郎、麻生久美子、太賀、安東玉恵、そして岩松了。TVや映画での演技は知ってるが、舞台での演技は岩松了以外は初見です。

■舞台は映画と違って、たくさんの人が観るわけではないし予備知識もさほど広まらない。なので、毎度のことながら野暮を承知であらすじを説明させていただく。弁護士の水島慎一郎(クドカン)は、殺人事件の被疑者の来宮瞳子(麻生久美子)の弁護を担当し無罪を勝ち取ったのがきっかけで、財閥の令嬢である瞳子と結婚する。結婚後一年、水島家の周りに末次(岩松了)という謎の男が現れ、平穏を装っていた一家の生活が揺らぎはじめる。

■以降はミステリ的な要素もあるので書けません。このあらすじだと重い話、と取る人が多いと思うけど、重い話ながら随所に笑いが挟み込まれるという、岩松作品ならではのシュールさ。『不道徳教室』もそうだったし。クドカンは役者のあて書きをするというのは知られた話だが、岩松さんもそうなのかと思うくらいキャストが役にハマっている。まあクドカンの弁護士はどうかとも思ったが(でも以前ドラマで弁護士役やってたな)意外とぴったりで、麻生久美子も、お手伝いさんの安藤玉恵も、水島の助手の太賀もみんなピッタリ。

■ネタバレはしないけど、前半部分の夫婦の会話がなんであんなにピリピリしていたのかが、結末を知って腑に落ちた。そして岩松了脚本なので、分かりやすいものではなく、またもやなんとなくモヤモヤする結末になっております。

■好きな人にはハマると思いますよ。クドカン脚本作のテイストを期待して行くと違うと思うけど。岩松さんの舞台なので当たり前ですが。

紫式部ダイアリー@PARCO劇場 [舞台]

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■数カ月ぶりの映画以外のエントリでほっとするわ。2014/11/9鑑賞@PARCO劇場。舞台は昨年秋の『ロスト・イン・ヨンカーズ@PARCO劇場』以来で一年ちょいぶり。もちろん今年初観劇。昨年は観てない、と言ってた割に5本は観てるのだけど、今年はたぶんこれ1本のみ。隔年現象なら来年は結構行くはずなのだけど、どうかな。ライブもあんまり行ってないし。映画は相変わらず観てるけど今年はなんだかインドアって感じ。

■最近観てる舞台の大部分が三谷幸喜脚本・演出なので、まずここに引っかかりました。しかも女性の二人芝居で長澤まさみ&斉藤由貴とはね。大好物過ぎて、予約期間は旅先だったんだけど幸運にも当選しました。でも、その後2次・3次と申し込みはあったようなので即日満員とは行かなかったのかな。観劇したPARCO劇場ではほぼ満員でした。

■『紫式部ダイアリー』というタイトルでおそらく大部分の人が誤解すると思うのだけど、これは現代劇です。よって長澤まさみも斉藤由貴も着物は着てない。そりゃね、長澤まさみの美脚は有名だし、3年前の長澤まさみ主演舞台の『クレイジーハニー』を観た時はそりゃシビレたさ。大学の友人のW君は同様に『クレイジーハニー』を観たそうで(別の会場で)、今回長澤の脚が出てるかどうかがすごく気になってたらしいが、脚が出てないということを伝えたら意欲が喪失したらしい。ま、分かんないでもないけどね。斉藤由貴の舞台は、三谷幸喜脚本・演出の『君となら』(初演)以来の2度め。長澤まさみも斉藤由貴の舞台も同じく2度めということになる。

■タイトルは紫式部の実際の随筆『紫式部日記』のもじりと思われる。それでも分かる通り、紫式部の代表作は『源氏物語』であり、清少納言の代表作は『枕草子』というのが下敷きになっている。現代劇なのにね。

■とある文学賞の審査会の前日、会場のホテルのバーに紫式部(長澤まさみ)を呼び出して共に飲む清少納言(斉藤由貴)。このバーがすべての舞台で、バーテンダーは時折出てくるけど無言。本当の二人芝居。昔すぎる話なので史実は分からないけど、清少納言が先輩で、紫式部はその地位を脅かすようになった文壇の新星という位置づけ。

■そもそも史実で、紫式部と清少納言が会ったことがあるかどうかは分からない。そのへんを面白がって三谷幸喜はフィクションに仕立てたのではないかな。今は知らないけど、我々世代では必ず国語の教科書に載っていた『源氏物語』と『枕草子』。ただ全読した人はそうそういないのでは。わたくし『枕草子』はほぼ放棄で、『源氏物語』は橋本治訳の現代語版をかなりなとこまで読んだけど、終盤で挫折。

■そこからはあらすじはあってないようなもの。でも話は、「日本語における表現の使い方の是非」とかもそうだし、元ネタの『源氏物語』に触れたところもある。設定上話は後半で、光源氏逝去のあとの薫と匂宮との女性を挟んだ三角関係とかね。そして清少納言(斉藤由貴)に、紫式部(長澤まさみ)に「あなたの文章は千年残るわよ!」と言わせるところとか。現代世界を舞台にした三谷幸喜なりのファンタジーなのかな。

■なかなか面白い舞台ではございました。ただし、二人芝居って舞台経験が多い俳優さんでもなかなかやらない高いハードルだと思うんだよね。かなり俳優さんの力量が必要だと思うので。今回、斉藤由貴はベテランらしくきっちりこなしてたけど、長澤まさみは台詞を噛んだりとかが結構あって、正直イマイチでした。最近はビッチっぽい役しか与えられてないけど、そこを乗り越えようよ。

ロスト・イン・ヨンカーズ@PARCO劇場 [舞台]

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■10/5鑑賞@PARCO劇場アンド初日。今年5本目だが、そのうち3本は今回も含めPARCO劇場で観たという偏りっぷり。しかも4ヶ月ぶりなんで、あまり観劇には熱が入ってなかったかもしれない今年。ホントは松尾スズキ演出の知人にも勧められてた「悪霊〜下女の恋〜」とか行きたかったんだけど行けず。来月あるクドカン脚本・演出の舞台「高校中パニック! 小激突!!」も、キャストからしてすげー観たいのだけど、まあ今からだとたぶんチケット取れねえし。

■三谷組の舞台の話なのに、前振りが「大人計画」関係の話ばかりでたいへん申し訳ありません。昨年と違い、今年は同じく翻案ものである「ドレッサー」以外(チケット取れなかった)は現時点で全部観てるわたくしですが、この舞台は「まあ取れたらラッキー」って感じで初日の分を申し込んだら取れてしまったという。純粋な三谷舞台ファンの皆様、傲慢過ぎてすいませんすいません。「初日だったらどうせ取れないしダメでもいいか」と。ああー本当にすいませんすいません。

■ニール・サイモンの舞台(後に映画化)の翻案ものです。ニール・サイモンはオレイメージではもう亡くなった方だと思ってたが、ご高齢ながらご健在らしい(すいません)。三谷さんのメンターっていうのは聞き知ってたので、勝手に「シットコム」(シチュエーション・コメディの略)の師だと思ってた。

■ところがどっこい、舞台を観てみたらかなりダークな展開。舞台は第2次大戦中のアメリカなのだけど、父親(小林隆)は事業を失敗して借金まみれ。出稼ぎするしかなく実祖母(草笛光子)に2子(浅利陽介、入江甚儀)を預けに来る。そこにいるのが(描写では)知的障碍があるだろう叔母(中谷美紀)、そして乱入してくるのが兄(松岡昌宏)。

■原案の舞台や映画を観ていないのでなんとも言えないが、一体何の話をしたかったのだろうか。コメディを期待しなければそこそこ面白いのかとは思うが、正直良く分からなくてメチャクチャ消化不良でした。正直、純粋な三谷ファンにはあまり向いてないかも知れないです。本人脚本でないのはもちろんのこと。

■余談ですが、松岡昌宏は確かにジャニーズらしくオーラがすごくありました。ただ、人の気配を受けて芝居をしないのは役者としてはどうかと。オラオラですね。

■草笛光子さんは凄かったですね。声は通ってるし存在感が半端ない。ウチの母と大差ない年齢とは思えない。マジで国宝級です。


不道徳教室@神奈川芸術劇場 [舞台]

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■6/1鑑賞@KAAT(神奈川芸術劇場)。早いもので今年もう舞台4本目。6月中に友人が出演している舞台も観に行く予定なので本数が増えそうだ。友人や知人に「今年は映画や舞台ものすごく観てるよね?」といわれるが(ほぼFBやブログにUPしてるので当たり前だが)、特に理由はない。強いて言うなら映画は娯楽として安いのと(舞台はカネが張るがorz)、これだけインプットしてけば何かのアウトプットが出てくるのではないかと。今のところ妄想にとどまっておりますが(笑)。

■KAATは2年前に三谷幸喜「国民の映画」を観に来て以来だが、結構好きな劇場だ。山下公園近くというロケーションもさることながら、劇場全体のデザインもすごくいい。椅子はちょっと硬いけどね。「ザ・スズナリ」のような小劇場もいいんだけど、こことか東京芸術劇場、世田谷パブリックシアターのような新しい劇場は「舞台を観に来た」という感じで背筋がピンと伸びる。いや実際には伸びてないけど。

■岩松了作・演出で、出演は大森南朋・二階堂ふみ・黒川芽以・趣里・大西礼芳、あと岩松さん本人も出てる(先週「中学生円山」でも観たが)。全員舞台では初見だが、趣里と大西礼芳はそれ以外も含めて初見。実はこの舞台の目当ては二階堂ふみだったりするのだが、アラ50男がそれを声を大にしていうと通報されそうでモゴモゴ。しかも今回座席がなんと最前列の中央近く。自分の観劇史上最良の席だ。ま、そんなに広い劇場ではないんだけど。

■脚本は岩松さんなのだが、原案というか原作は、文豪川端康成の小説「みずうみ」なんだそう。小説を読んだことないのだが、生徒をストーキングする教師の話という基本設定は合致しているらしい。つまりこの舞台は、女生徒(二階堂ふみ)をストーキングする高校教師(大森南朋)の話です、大雑把に言えば。二階堂ふみの同級生が趣里と大西礼芳。黒川芽以は謎のマッサージ師。そして高校の教頭が岩松了。

■何というか幻想的な舞台。各人必ずどっかおかしいし(岩松了を除く)台詞は文学臭が濃いし。時間軸通りには物語は進行しないので若干分かりづらい。でも何というか、それでも、女子高生たちのキテレツなダンスがあったりとか、ところどころ笑えてしまうという変わった話でもある。最終的に、伏線をかなり回収せずに話が終わってしまうというのもある意味すごい。全部岩松さんの想定内なんだろうが。キャストが観客席を走り回るという演出も面白い。

■役者陣は、大森南朋はドラマ(「ハゲタカ」「龍馬伝」)を見て想像した通り上手な人だった。あと、謎のマッサージ師の黒川芽以が意外に良かったな。この人はちょくちょくドラマや映画に出ているのだけど、オレ的に印象に残ってるのは映画「僕たちは世界を変えることができない。」のデリヘル嬢の役かな。別に変な意味じゃありませんよ。

■しかし特筆モノはやはり二階堂ふみ。「ヒミズ」「悪の教典」では観ていたが舞台では初見。ビックリした。19歳とは思えないくらい芝居が上手いし声も通ってる。黒髪ボブ&ブチ切れ系として、橋本愛に通じるものはあるけど、現時点では二階堂ふみの方が先行ってるかな(橋本愛ファンの方すいません)。その才能がオレから最短距離1mで(顰蹙買いそうなので以下略)。

■結果、何となく腑に落ちない舞台ではあったのだが、なぜかもう一度観たい気になっている現状。KAATでの公演はもう今週で終わりなので、続くシアタートラムでの公演に当日券狙って行ってみようかと思っている。

■観劇後は近隣に住んでいる友人夫妻と合流し、中華街ー関内ー野毛とハシゴしてベロベロで帰りました。こんな感じで。

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おのれナポレオン@東京芸術劇場 [舞台]

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■4/7鑑賞@東京芸術劇場プレイホール。昨年は演劇を1本(「生きちゃってどうすんだ」)観ただけなのに今年は既に3本目。一旦観だすと続いちゃうんだよな。6月にもKAAT(神奈川芸術劇場)でのチケット取ってるし(何を観るかは後日)。この舞台は正攻法でチケット取れなかったので、プレビュー公演は比較的当日券が出やすい、とのオフィシャルtwitterの情報を信じて、日曜日だし1年半振りくらいに池袋に突撃。東横線と副都心線直通の結果、東横線地下化にたくさん文句を垂れているわたくしだが、東横線沿線ではなくてその支線(多摩川線)沿いに住んでる身としては、渋谷で降りないで池袋から先下車は超便利と気づいた。最寄り駅から40数分で池袋に着くんだもの。ま、そう使う機会はないと思うけど。

■東京芸術劇場は、同じく三谷幸喜脚本演出の「ろくでなし啄木」以来だから2年ちょい振り。どうも以前のイメージと劇場が少し違うと思ったら、その間に改装してたそう。東京芸術劇場は結構古くからあるみたいだけど、改装後のイメージはすごく快適。同じく2年前に行った世田谷パブリックシアター(ここはフットプリントが小さく、三階席まであるのでちと高所恐怖症の人には向いてない)や、KAATなんかは最新型の劇場という気がする。例えば「ザ・スズナリ」みたいなところはそのまんまでいいんだろうが、繁華街にある「PARCO劇場」はそろそろ改装の時期じゃないかと。

■前置き長くて申し訳ありません。当日券は取れたけど立見でした。でもプレビュー公演ということもあり、メジャー演劇をたった3,000円で観れたのはかなりなお得感が。主演は野田秀樹。何でも自分の脚本・演出以外で役者として出るのはほぼ初めてとか。脇を固める役者陣も凄い。天海祐希、山本耕史、浅利陽介、今井朋彦、内野聖陽。ま、オレ的には(山本耕史以外は)皆様舞台では初見なのだがTVドラマなど存在感を発揮している面々。

■で、タイトルでも分かる通り、ナポレオン・ボナパルトが皇帝の座を失った後、セント・ヘレナ島に幽閉されて死に至るまでの話と、その20年後の話。ナポレオンの死因は「胃癌」「ヒ素による毒殺」他諸説があるけど(これは史実みたい)、このお話は「ヒ素による毒殺」ベースの話。でも安心しないでね。最後にどんでん返しがあるから。ミステリーでもあるのでこれ以上の詳細には触れません。

■三谷さんの脚本はまあいつも通り素晴らしいのだが、やはり役者陣の演技に腰を抜かした。野田秀樹、初めて生の演技を観たけどまさに怪物。この人が演ずれば、極端な話、例え三谷幸喜の脚本でなくてもメチャクチャ面白いに違いない。脇役も凄くて舞台慣れしてる役者さんばっかり。天海祐希はさすが元宝塚だし、三谷組常連の山本耕史も安定。今井朋彦っていう人はそれほど知らないけどちゃんと声が通っている。浅利陽介くんはこのキャストの中ではペーペーなので大道具も兼ねてたけど(笑)、意外とキーマン。そして内野聖陽。この人凄いわ。ほぼ同じ衣装で同一人物の20年前後を演じ分ける。山本耕史が9歳児の声色を使ったのも笑ったけど。

■三谷脚本にしてはエンジンの掛かりが遅く、笑いの比率が通常比10%減くらいだし、最後のオチが、「ああ、やっぱそうか」って言う感じでひねりが今ひとつないけど、面白いです。

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