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キングコング 髑髏島の巨神 [映画]

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■2017/3/25鑑賞@109シネマズ川崎。今年20本目の洋画15本目。

キングコングは1933年のアメリカ映画で現れた怪獣。これまでに7本作られ、また日本のゴジラシリーズにも出たことがあるが、オレはそのへんは正直あまり熱心な観客ではない。一番馴染みがあるのは、オレが子供の頃(1970年代前半)のTVアニメシリーズの中での、「正義の味方」キングコングだ。

■1973年、ベトナム戦争から撤退時のアメリカ。功名心に駆られた特務機関のランダ(ジョン・グッドマン)は人工衛星が発見した髑髏島に棲息する巨大生物の探索を願い出て許可されるが、危険な場所であるため、ベトナムから帰還予定だったパッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)の部隊が護衛として同行する。道先案内人として元空挺部隊のコンラッド(トム・ヒドルストン)と、撮影カメラマンのメイソン(ブリー・ラーソン)も一行に加わる。

■暴風雨をくぐり抜け髑髏島に着いた一行だが、ランダの指示で巨大生物を覚醒させるために、地質調査の名目で地表に爆弾を多数投下する。怒った巨大生物=キングコングが現れ、部隊は壊滅的な打撃を受け、残党は島のあちこちに散り散りとなる。コンラッドたちは島の一地点に集合して助けを呼ぼうとするが、パッカード大佐は、コングに部下を大勢殺されたことで怒りに燃えていた。

■制作チームは、中国企業に買収されたレジェンダリー・ピクチャーズのもと、ハリウッドの前作『GODZILLA』とほぼ同じチームらしい。テイストもだいたいそんな感じで、コングを始めとする怪獣の動きと迫力が凄いがストーリーが結構雑なので、3Dで『ジュラシック・ワールド』同様、怪獣の迫力に興奮するのがこの映画の正しい楽しみ方だと思う。

■いや、もちろん俳優陣もいいですよ。トム・ヒドルストンは、オレの中では『アベンジャーズ』シリーズのロキの印象が強いがクールでかっこいいし、ブリー・ラーソン(『ルーム』で昨年のオスカー女優)も前作とは打って変わって強くてチャーミング。途中からだんだんおかしくなるサミュエル・L・ジャクソンのイカレっぷりなんか最高である。

■まあまあの娯楽作だったのだが、次の映画が迫っていたのと用を足したかったので、ハリウッドの組合の強い力による長い長いエンドロール(ケータリングスタッフの名前まで出す必要あるか?)を途中で出た。ところがB先輩の話によれば、オレはエンドロール後(か途中かは知らないが)の大事なシーンを見逃したようだ。次作でゴジラとクロスオーバーするという話は知っていたが、予告編的になんとゴジラが出てきてアレしてコレしたんだそう(内容は知らない)。シリーズ物のハリウッドSF映画の定石を忘れていた。B先輩はそこを語り合いたいからお前はもう一回観ろと言われているが、正直もう一回観るかどうかは微妙である。

■これから行く人はエンドロールまで観た方が吉。

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モアナと伝説の海 [映画]

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■2017/3/18鑑賞@チネチッタ。今年19本目の洋画14本目。洋画アニメ川崎では大部分が吹き替えなのだが、珍しく字幕で観ることができた。

■昔からアニメを懸命に見ていたわけではないので、浅薄な知識で書きます。ディズニー作品は大変クオリティが高い。金かかってんだから当たり前、という向きもあろうが、多少並べておくと『ファンタジア』や、海外出張の折に機内で見た『美女と野獣』は寝なきゃいけないのに寝れないほど面白かったし(なので流れで実写版を観るつもり)、近年観た『アナと雪の女王』『ベイマックス』『ズートピア』と全部ハズレなし。あと昔(だいたい40年位前)にTVで『ディズニー・パレード』というアニメ番組をやっていて、それが質が高い上にすごく面白かった記憶も。その割には現在ディズニー・パレードが行われている浦安のディズニーランドには2回しか行ったことがない、という大変しょぼいお話でした。

■しかも南国が舞台なので吸引力があった。この10年以上いわゆる海外の南国リゾートには行けてません。しかも行ったことがあるのは、グアム・サイパン・バリ島・プーケットくらいで、いわゆる王様のハワイには行ったことがないし、今後行けるかどうかも分からない、またまた大変しょぼいお話でございます。アニメとは言えディズニーの技術力で南国を疑似体験できるのでは、と思い観ることにした。

■モトゥヌイ島の村長の娘モアナは幼少の頃から海が好きだったが、父に、海に近づく、特に珊瑚礁を超えることを禁じられ16歳になった。その頃島では魚も取れなくなり、作物も育たなくなる。祖母タラは、モトゥヌイの島民が元々は海を渡る開拓民だったことと、現在の状況は女神テ・フィティの心の緑色の石をマウイという男が盗んだのが原因と明かし、マウイを探してテ・フィティの元へ緑色の石をを返しに行くように伝えて亡くなる。そこからモアナの冒険が始まる。

■雑なあらすじでだいぶ省いてますが、まあこんなもんです。アニメだけどダイナミックな映像と表現力で南国を感じさせるし、モアナやマウイ、祖母のタラのキャラクターもきっちり立っている。脚本もすごく推敲されたんだろうなと。もちろんハズレではないし面白いし、これもミュージカルなんだけど(劇伴もいい)、前作『ズートピア』がその強烈な社会風刺で大変印象的だったのと比べると、少し物足りない気が。あと、毎度おなじみ前座の短編映画『INNER WORKINGS』は、ビーチ近くに住むサラリーマンが『インサイド・ヘッド』よろしく脳内、というか体内の声に動かされビーチに行っちゃうという話なのだが、彼の勤務シーンがいにしえの名画『アパートの鍵貸します』みたいで、どんだけ古いんだ!というのもちょっと引っかかった。

■でも広く好まれる映画だと思うし、実際ヒットしているので、観て損はないと思います。オレも久々に海外の南国リゾートに行きたくなったし。でも今後行ける気がしない、というまたしょぼい感想で締めくくらせていただきます。

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お嬢さん [映画]

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■2017/3/18鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年18本目の洋画、ではなくて外国映画13本目。基本的に頭おかしい映画を受容できる方に読んで欲しいです。それ以外の方の反論は受け付けないかも知れないのでご了承ください。

■韓国映画の鬼才、いや奇才のパク・チャヌク監督作品。狩撫麻礼原作の漫画(この作品では別名を使用)を映画化した大変頭のおかしい映画『オールド・ボーイ』でカンヌで賞を獲った、とても頭のおかしい人。山田孝之かって現在放送中のドラマと混同。まあ正直、韓国映画は年に1本観るかどうかなのであまり詳しくありません。で、なぜ観たかと言うと「エロで面白い」という評判。生粋のスケベとしては観逃せないではないですか。

■原作はサラ・ウォーターズというイギリスの女性作家の『荊の城』。19世紀のヴィクトリア王朝が舞台なのに、これを1939年の日本統治時代の韓国に舞台を置くって、本当に頭おかしいんですかチャヌク監督。あまりの置換に、サラ・ウォーターズは原作ではなくて原案にして欲しいと頼んだらしいが、完パケを観て納得したらしい。

■雑にあらすじを書きます。今回出てくる韓国俳優陣は全く存じ上げませんので、その辺は全略します。日本人になりたいがために日本人と結婚した上月(昔いた会社の社長と同姓だがどうでもいい)とその姪・秀子。上月はコレクターで、多くの書籍を収集していたが変な趣味があった。それは客を呼んだ上で、秀子に官能小説(というかエロ小説)を朗読させ、客はそれに興奮するというところ。その中に女性器や男性器の名称がリアルに出ているし、別のパートでは精神病院を「き◯がい病院」と言っているところもあるので、結構日本語会話シーンが多い映画なのだけど、これが邦画だったら100%映倫は通らなかっただろうと。

■そこに貧民層で育ったのに日本人の藤原伯爵になりすまし、上月邸に出入りしていた韓国人の男に誘われたスッキは、秀子と伯爵を結婚させて上月家の財産を奪うという計画に同意する。うまく上月邸に潜入し秀子とも良好な関係をもてたズッキだったが。

■以下はミステリなので結末は書きませんが、映画の構成としてものすごく上手。いや参りました。正直言って映画マニアの人以外は女性にはあまり強くお薦めできないくらい下品です。そしてこの映画が日本でも微妙にヒットしていることの理由もよく分かります。

■すんげえお薦め。今年の俺的邦画以外ランキングにも入るかも知れない。でもまあ、偏向右翼の方々にはお薦めしません。どうせ観ないだろうし、そもそも日本をディスってる映画でもないので。

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3月のライオン 前編 [映画]

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■2017/3/18鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年17本目の邦画5本目。

■大友啓史監督の作品は、監督デビュー作の『ハゲタカ』からずっと注目していたのだけど、昨年の『秘密 THE TOP SECRET』『ミュージアム』はちょっといただけなかった。特に『ミュージアム』が。なので今作の出来次第では大友監督作品としばらく距離を置こうかなと思っていたのだけど、さてどうでしょう。

■原作は羽海野チカさんの同名漫画。幼くして両親と妹を交通事故で亡くした桐山零(神木隆之介)は、冷たい親族ではなくて、父親の将棋友達でプロ棋士の幸田(豊川悦司)に引き取られる。将棋で強くなることにしか生きる道を見いだせなかった零は、幸田の娘・香子(有村架純)とその弟の歩をたちまち追い越して、二人にプロ棋士を断念させることになる。中学生でプロ棋士になった零は、幸田家の不協和音に耐えきれず、家を出て川沿いのマンション一人暮らしを始める。未成年なのに酒を飲まされて駅前で泥酔していた零を、川本家の三姉妹の長女・あかり(倉科カナ)が家に連れていき介抱する。そこで次女・ひなた(清原果耶)、三女のもも(新津ちせ)と知り合い、時々出入りするようになる。

■詳細を書きすぎるとアレなのでこのへんにしておくが、表面上は敵に見える人もいるが、少なくとも前編は善人たちの物語です。香子と不倫している?という設定の強面の棋士・後藤(伊藤英明)もそうだし、零の親友を自称する二階堂(染谷将太)は、昨年の将棋映画『聖の青春』にも出ていたが、村山聖がモデルの役なのだけど(その時は後輩の役)、さすがに役作りで肥ることはできなくて特殊メイクだったけどね。

■とてもとても優しい映画です。大友監督見直したわ。役者陣もみんな最大限のパフォーマンスだと思うし。先輩棋士役の佐々木蔵之介もいいし、倉科カナの芝居に初めてじんと来た(上からですいません)。そして誰にも愛されないことで傷つき、雫にキツい言葉しか浴びせられない孤独な香子(有村架純)。今までにはない役だし結構エロいが、原作漫画がそういう設定なので。清原果耶も、雫の高校の教師役の高橋一生も素晴らしい(最近超人気)。そしておそらく羽生名人がモデルであろう宗谷名人(加瀬亮)の見かけではない寄せ方も素晴らしい。もも役の新津ちせさんは、なんと『君の名は。』の新海誠監督の娘さんだとか。びっくり。

■ちょっとだけ長いし、原作のエピソードを整理しきれていないところもあるけど、お薦めです。映画自体の評価は後編を観てからにしますが、この映画の中での唯一の悪人が後編で出てきます。

■この映画がいいことの最大の要因は、羽海野チカさんの原作漫画がとても素晴らしいことです。大友監督の作品は監督デビュー以降小説か漫画原作の作品がすべてだけど、原作のクオリティと映画の出来が直結していると思う。今後は原作を精選することと、相棒となる脚本家を特定してほしいかなと。

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チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話 [映画]

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■2017/3/11鑑賞@109シネマズ川崎。今年16本目の邦画4本目。まあ、広瀬すず主演の映画は、今のところ一応観ることにしている。あとは予告編がキャッチーだということと、今作の河合勇人監督の『映画 鈴木先生』『俺物語!』の手堅い造り方も好みなところもある。

■当たり前の話だが、観客は女子高生もしくは若いカップルが中心で、一定層いる映画マニアのおっさん(オレもその一人)が全くいないわけではないが、全体的に超アウェイ。これが仕事だったら絶対に断りたいくらいな感じ。

■実在の学校、福井県立福井商業高校のチアリーダー部が2009年に全米選手権で優勝し、その後も通算7回優勝し、今年の優勝も含め5連覇中という恐ろしい実話の映画化だそうです。この高校、野球部も強豪らしく甲子園にもたびたび出場しているが、戦績を見ると愛媛県の我が母校とだいたい同レベルくらいかな。どうでもいい話ですが。

■福井中央高校に入学したひかり(広瀬すず)は、中学の同級生でちょっと気があるサッカー部の孝介(真剣佑)を応援するという目的で気軽にチアダンス部に入部するが、スパルタ教師の早乙女(天海祐希)のせいで先輩たちは辞め、素人同然の一年生だけで「アメリカで優勝する」というあまりに高すぎる目標を掲げられ呆然とするが、年次を重ねるごとに実力がついてきて、高校三年時に全国大会で優勝し、全米選手権を目指すことになる。

■実話なのでネタバレも何もないが、『ちはやふる』で見せた広瀬すずの身体能力の高さを十分に活かした作りになっている。他のチアダンス部の同級生も、中条あやみ(dポイントのCMの女の子)、山崎紘菜(毎度おなじみ東宝シンデレラ)や福原遥など、現在売出し中の若手女優が揃っている。特に部長役の中条あやみは、長身でスタイルも良くて広瀬すずとはまた違う正統派美人で、芝居もなかなかだったので、『ちはやふる』の千早役はこの人のほうがピッタリだったかもとちと妄想。天海祐希先輩については何も言うことはございません。

■実話ベースなので、チアダンス部を指導する早乙女先生のモデルの先生はいらっしゃるようだけど、個々の生徒の個人的な事情は事実を反映はしているものの、たぶん大部分創作かなと。その辺は脚本に若干メリハリが乏しかったので、原作ものもありがたいところがある気はします。もちろん、若手スター・広瀬すずを引き立てるための映画としては恋愛色があまり濃くなくて、スポ根ものに近いというところは面白かったんだけど。

■いったん散りそうになった部員たちを引き止めるために、街中で一人ヒップホップを踊っていた山崎紘菜に、広瀬すずと中条あやみが合流して一緒に踊るシーンとかはなかなか見応えがあって、いっそのことこの映画自体をミュージカルにした方が良かったんじゃないかとも思ったのだが(『ラ・ラ・ランド』にやられ中なので)、配給会社にそんな企画通るわけないよなと妄想。

■そんなに悪くない映画ですが特にお薦めはしません。あと問題なのが、福井が舞台の話なのにロケの大部分が新潟だったことです。地方都市は映画のロケに協力を依頼された時に「地元の観光に役立てば」ということで協力することが多いと思う。そりゃ大人の事情で新潟がロケ地になったのは仕方ないにしても、劇中の大事なシーンで信濃川や萬代橋バリバリ映ってるやん!もろ新潟やん! もう少し配慮が欲しかったところでございます。

■以下はこの映画には関係ないですが、今年(2017年)の日本アカデミー賞で、広瀬すずは『ちはやふる』で優秀主演女優賞、『怒り』で優秀助演女優賞を受賞したが、どちらも最優秀賞には届かなかった。それが不満だったとブログに記している。『怒り』は現時点で彼女のベストアクトだったし、同世代で共演歴もある杉咲花が『湯を沸かすほどの熱い愛』で最優秀助演女優賞を受賞したのも影響してるのかな。どちらも最優秀助演女優賞のレベルではまだないと思ったけどね。でも、こういうガツガツした女優さんって最近珍しい。是非今後も好感度とかをあまり気にしないで、ガツガツやって欲しい。もしかしたら大女優になるかも知れないし。分かんないけど。

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ラ・ラ・ランド [映画]

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■2017/2/24鑑賞@TOHOシネマズ川崎。土曜日を待ちきれず公開初日の金曜の夜の回で。今年15本目の洋画12本目。今回、無駄に長くネタバレもあります。

■前作『セッション』で観客を狂気の渦に叩き込んだデイミアン・チャゼル監督の新作がなんとミュージカルだという。これは観ないわけには行かないではないか。舞台は現代のロサンゼルス(「ラ・ラ・ランド」がLAの愛称というのは初めて知った)で、自分の店を持つことを目指すジャズピアニスト・セブ(ライアン・ゴズリング)と、女優を目指してスタジオ内のカフェで働き、オーディションを受け続けているミア(エマ・ストーン)のラブストーリー。

■ライアン・ゴズリングは、現在最も売れている役者の一人であることは間違いがない。一昨年のアカデミー作品賞『バードマン』の中でも、俳優役のエドワード・ノートンが「どうせ俺を下ろしてライアン・ゴズリングでも代役に立てるんだろう」というような台詞があるくらい。本人出てないのに。しかしオレが観たことのあるのは、『ドライヴ』『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』くらいで、その中での毒性の高い演技でそういう人だと思っていたので、この配役は結構意外だった。まあこの前週に観た『ナイスガイズ!』ではそうでもなかったけど。

■エマ・ストーンについてもオレは割合不勉強で、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズと前述の『バードマン』、ウディ・アレン監督の『マジック・イン・ムーンライト』『教授のおかしな妄想殺人』を観たぐらい。チャーミングではあるが、目がちょっと大きすぎたりとかで正統派美人というよりファニーフェイス系。役柄も結構変な女の子的なものが多いし今作もそうだが、今作ではそれが見事に花開いた。

■オープニングでのロスの高速を貸し切ったダンスシーンの映像から度肝を抜かれてしまった。長回しを多用し、縦横無尽に移動するカメラのアングル、原色系を多用した鮮やかな色彩設計。そして映像にぴったり一致した劇伴。特にオープニングの『Another Day of Sun』なんて涙もの。映像があまりにすごいので、撮影監督はまたルベツキさん(『バードマン』とか)かと思ったら、リヌス・サンドグレンという全く別の方でした。失礼。劇伴のジャスティン・ハーヴィッツはチャゼル監督の大学以来の盟友だとか。サンドグレンは撮影賞、ハーヴィッツは作曲賞を受賞している。至極当然。

■過去のミュージカルの名作への数多いオマージュについては多く語られているが、パンフレットの町山智浩さんの文章にまとめられているので参考にすべし。ただ、この映画の弱点としては(菊地成孔がボロクソ言ったからというわけではないが)脚本が平板でところどころ雑なことだ。ただし他の部分の完成度が非常に高いので、このくらいの方がバランスが取れているとも思う。とは言うものの主演の二人以外のキャラクターの印象は薄い。『セッション』でアカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズなんてチョイ役だし、セブをメジャーに誘う昔のバンド仲間・キース(ジョン・レジェンド)も人気ミュージシャンなのに(すいません、聴いたことありません)、バックダンサーを含めたその他の役の人も含めて印象が弱かった。わざとやってたのかも。

■構成で一番恐れ入ったのは、5年後にセブとミアが再会してからの約5分間のセブの幻想。このラスト5分の、セブだけではなくもしかしたらミアも描いた叶わなかった幸福な未来。このラスト5分のためだけにこの映画は突き進んできたのだ、と思うと涙が止まらなかった。加齢とか言うな。まさに幸せな夢を見させてもらった。

■アカデミー賞授賞式の話。前述した以外にも、エマ・ストーンの主演女優賞、チャゼル監督の監督賞など合計6部門で受賞したが、肝心の作品賞では、間違って受賞と発表される(実際は『ムーンライト』)ハプニングがあった。まあ、過去にも大本命とされた作品が受賞を逃したという例は多い。だが、受賞の発表間違いということによって、忘却の彼方に追いやられたそれらの作品群とは一線を画し、人々の記憶に長く残るであろうこの作品にとっては、とても幸運なことだと思うのだ。

■現時点で今年イチ推しです。ぜひ劇場で。でもここまで書いても、この映画の素晴らしさを全く伝えきれてないので、『Another Day of Sun』主体の予告編をご覧ください。



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愚行録 [映画]

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■2017/2/18鑑賞@チネチッタ。今年14本目の邦画3本目。邦画が少ないのはたまたまです。

ミステリー作家、貫井徳郎さんの同名小説が原作。面白い作家さんという評判は聞いてはいたが未読。だが、妻夫木聡・満島ひかりの組み合わせは大傑作『悪人』を想起させたので。

■週刊誌の記者の田中(妻夫木聡)は、妹の光子(満島ひかり)が育児放棄で逮捕されているという闇を抱えているが、未だ未解決のエリートサラリーマン・田向(小出恵介)とその妻・友希恵 (松本若菜)と娘が惨殺された事件を追っている。田中は田向の同僚・渡辺(眞島秀和)や、友希恵の大学の同期・淳子(臼田あさ美)や他の人物に接触していく上で、善良なサラリーマン一家が惨殺された事件、というイメージと異なり、田向や友人たちがゲスな人物たちの集まりということを知る。

■謎解きは面白いんだけど救いがない。オレは地方の国立大学出身なので、田向の妻・友希恵の出身校とされている慶應の内部進学と大学からの入学との違いがピンと来ない。上京してからの友達も早稲田ばっかで慶應出身はほぼゼロ。でもそんなつまんないことだけでこういうことは起こるのだなあ、という説得力はある。

■この映画の監督は石川慶さんという方で初監督らしい。しかしとても手練れで大変面白かった。田向家惨殺の現場となった(見慣れたはずの)郊外の新興住宅街的な街並みが、あれほど恐ろしく無機質に見えたのは初めてだ。役者陣の演技も最大限引き出されてたし。『ミュージアム』では残念な演技しかさせてもらえなかった妻夫木くんの芝居は素晴らしい。やはり役者さんの演技は監督次第かなと。

■おまけ。地元の飲み友達の女性が、たまたまオレと同じ映画館の同じ回で、友達と一緒にこの映画を観ていたらしい。その時はお互い気づかなくて、その後に飲み屋で遭遇した時に分かったのだけど。彼女はこの映画の感想を話す時に、ずっとやや陰鬱な顔をしていた。つまり、それだけ観る人を選ぶ映画ということです。これから観る人はご覚悟あれ。

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ナイスガイズ! [映画]

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■2017/2/18鑑賞@チネチッタ。今年13本目の洋画11本目。予告編が面白かったのと、ライアン・ゴズリング出演ということで、この翌週に公開を控えている『ラ・ラ・ランド』の予習にもなるかと思い観ることにした。別に予習にはならなかったけど。

■1977年のカリフォルニア。腕っ節の強い示談屋ヒーリーラッセル・クロウ)はある少女の失踪事件を依頼され、関係がありそうな妻を亡くしてアル中に近いダメ探偵・ホランド(ライアン・ゴズリング)をボコボコにする。その後大きな背景があることを察知したヒーリーは、改めてマーチに協働を申し込むが、そこにマーチの娘・ホリー(アンガーリー・ライス)が協力するようになる。

■70年代の世界観とかが結構楽しいし、途中でヒーリー&ホランドに情報を提供する自称巨根の中坊が、たぶん俺と同い年ぐらいとかが結構染みる。どんでん返しも楽しいし、映像もスタイリッシュ。ホリー(アンガーリー・ライス)は、『キック・アス』のヒロイン、ヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)と比較されるような宣伝だけど、笑いながら人を殺すヒット・ガールと比べ、仲間に殺人だけは思いとどまるように制止するところは違うな。

■あと、ラッセル・クロウが役作りのためか不摂生のせいかは知らないが、『レ・ミゼラブル』の時と比べてでっぷり肥えているのが気になったと言えば気になった。

■面白い映画だったし続編もありそうな設定。ただ、日本国内の公開については、『ラ・ラ・ランド』の公開の後にしたほうが興収は伸びたのでは。そこはミステイクかな。

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王様のためのホログラム [映画]

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■レイトショーにて2017/2/15鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年12本目の洋画10本目。

■トム・ハンクスもたくさん作品を観ている俳優のひとり。ただ、大ファンというわけでもないので、全作品をカバーしている訳でもなく、観たいと思った作品限定。今作は予告編が面白そうだったので。

■大手自転車メーカーの役員だったアラン(トム・ハンクス)は業績悪化の責任を取らされ会社をクビになり、妻とも離婚し持ち家も娘の養育費のために売却してしまい一文無しになる。残ったのは生産ラインの海外移転のために現地従業員を大勢解雇した苦い思い出。トランプ大統領が喜びそうな話である。

■やっとの思いでIT企業に再就職したアランに与えられたミッションは、サウジアラビア王国に3Dホログラムを使った遠隔会議システムを売り込むこと。現地に着いてみるとオフィスはボロテントで冷房もなく、WiFiもつながらない。しかも王国側の担当者にはなかなか会えないし、国王と面会できる見通しも立たない。手詰まりのアランの背中にはなぜかコブのようなものができて(砂漠だからじゃないだろうな?)その治療で現地の女医サリタ(ザーラ・ハキム)と知り合うが。

■いつものトム・ハンクス作品のような大作ではなく、さほど予算もかかってないような印象。でも予告編では結構ほっこりするような話だと思っていたのだけど、今回も予告編マジックに騙されました。サウジアラビアの現地ネタとか、細かく笑えるエピソードはいくつかあるのだけど、そのエピソードが有機的につながってなくて着地点もよく分からなかった。

■まあ、そんなにひどい映画でもないので、トム・ハンクスのファンの方はどうぞ。

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マリアンヌ [映画]

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■2017/2/12鑑賞@109シネマズ川崎。今年11本目の洋画9本目。

■何だかんだ言ってブラピ出演の映画は結構観ているオレ。この人は必ずしも主演に拘っている訳ではなく、作品の内容に応じて脇役もこなし、かつ制作にも関わったりという柔軟ぶりが魅力のひとつだろう。

■第2時大戦中の1942年。カナダ人だがイギリス軍のスパイ・マックス(ブラッド・ピット)は任務を帯びてカサブランカに向かう。そこでフランス・レジスタンスのスパイ・マリアンヌ(マリオン・コティヤール)と合流し、偽装の夫婦としてドイツ人のコミュニティに潜入し、ついにはナチスドイツの大使の暗殺に成功する。偽装夫婦を演じている中で二人の愛情は本物になる。

■ロンドンに帰任したマックスとマリアンヌは結婚し、一女をもうける。ある時マックスは上官から呼び出しを受け、マリアンヌに、ナチスドイツとの二重スパイとの嫌疑がかけられていることを知り取り乱す。上官はマックスに、マリアンヌに罠を掛けその結果二重スパイであることが判明した場合、自らの手で殺すよう命令する。マリアンヌを信じたいマックスは思い悩み、軍規から逸脱しても彼女の無実を証明しようと奔走するが。

■長いこと無精髭でワイルドなブラピしか見てなかったが、今回は珍しく、髪をきちんと整えた本格派の二枚目。若い、っていうかとても俺と同い年とは思えない。なおこの点に関して「お前とブラピの共通点は人間であることと年齢だけだ」とかの苦情は一切受け付けておりません。

■巨匠、ロバート・ゼメキスは今回も非常に丁寧に映画を作っており、ロケ地の選択も正しく、美術的にもほとんど瑕疵はない。主演二人の演技もそれに答えているが、何だか物足りない。すべてが綺麗にまとまりすぎていて、破綻が一切見られないというところが逆に物足りないのです。悲恋物語(言っちゃった)であるがゆえかも。

■悪い映画ではもちろんないですが、そういうわけで強くお薦めはしません。あと原題が『Allied』(同盟国の、とか同盟の、などの意味。日本語では名詞形の「アライアンス」の方が通じやすい)なので、邦題の『マリアンヌ』はやむなしか。

■あと、この映画の撮影でブラピとマリオン・コティヤールが親密になったのがブラピとアンジェリーナ・ジョリーの離婚のきっかけになった、という話は本当だろうか?

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