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リバーズ・エッジ [映画]

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■2018/2/17鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年14本目の邦画7本目。そして(遅筆で申し訳ない)3/10に渋谷HUMAXシネマ(初訪問)で行定勲監督・プロデューサー・二階堂ふみの舞台挨拶があるというのでチケットを申し込んだら当選したので行ってみた。公開時はキャスト・スタッフはベルリン映画祭訪問中なので舞台挨拶がなかったのだ。二階堂ふみの出演舞台は何回か観ているので、生の本人は観たことがあるのだが、ちょっとこの映画には思い入れが強かったので。

■断るまでもなく当ブログは、わたくしの主観的な思いで書いているのですが、今回は特にそれが強いと思います。

■岡崎京子原作・監督行定勲・主演二階堂ふみ・主題歌小沢健二という、オレの中では四翻揃って満貫というスタッフ・キャストなので当然観ます。岡崎京子さんは1963年生まれでオレと同い年。主に90年代に宝島社系の雑誌で漫画を発表し一時代を築いた人。ただ、90年代後半にご主人と一緒に轢き逃げ事故に遭い、以降漫画を描くことは難しくなり実質的な断筆状態。宝島社(旧:JICC出版局)の代表雑誌『宝島』はインテリ雑誌に端を発し、サブカル雑誌→エロ雑誌→右翼雑誌と変遷を重ね現在は休刊中。現在の主力は豪華な付録つき雑誌と、社長は変わってないのにポリシーは超金儲け主義という素晴らしい出版社です。だけど、岡崎京子もそうだし、映画評論家の町山智浩さんとか、サブカル界に人を輩出したという功績は否めないかな、と。

■オザケンが主題歌に選ばれたのは、元気な頃の岡崎京子と交流が深かったから。二階堂ふみもこの映画化の企画は熱望してたみたいだし。世代は違うけど。

■閑話休題。時代設定は映画の中では明確にはされていないが、おそらく1990年代前半。これもおそらくだけど大田区内の都立高に通う女子高生のハルナ(二階堂ふみ)は、同級生の観音崎(上杉柊平)と付き合っていて体の関係もあるが、横暴な観音崎に冷めつつあった。ある時同級生の山田(吉沢亮)が観音崎にいじめられ高校内に閉じ込められているのに気づき、山田を救出する。それに恩義を感じた山田は、「宝物」を紹介すると河原にハルナを連れて行く。そこには白骨死体があった。

■記憶が薄いが原作漫画はたぶん読んだことがあるはず。岡崎京子さんの描線の少なさもあるけど、この話が多摩川が舞台というのにその時はまったく気づかなかった。なんで映画を観て気づいたかと言うと、現在オレは多摩川沿いに住んでいるからだ。対岸の川崎の石油工場からも推察できるように、場所はウチの近所ではなく、もっと河口に近い羽田近辺のはずだ。

■いじめや無軌道なセックスや暴力行為など、今作の話にはまったく救いがない。山田と外面では交際しているが、実はゲイの山田は取り繕っているだけで、いじめから救ってもらったハルナとの仲を誤解し報復行為に出るカンナ(森川葵)の演技は凄まじい。

■クソみたいな話なんだけど、エンドロール間近で主題歌の小沢健二の『アルペジオ (きっと魔法のトンネルの先)』が流れはじめた途端、すべてを許す祝祭の場に変わった。楽曲に参加している二階堂ふみと吉沢亮の「ポエトリー・リーディング」的な台詞がとても良かった。

■上映館は少ないし、率直に言うとヒットではない映画なんだけど、オレはとても好きです。公開後結構経ってるので、女性の知人からも批判的な意見は聞いたけど。

■おまけ。二階堂ふみはこの映画で初めてフルヌードになっているけど、今までセミヌードを見せた映画を含め一番エロくなかった。そういう演出方針だったんだろう。決して「無駄脱ぎ」ではない。

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グレイテスト・ショーマン [映画]

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■2018/2/17鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年13本目の洋画7本目。まあ、これを書いている時点で2ヶ月前ですね。スマン。でも現時点でもぎりぎり上映されているほどのヒット作なのだ。アメリカも同様。ただ、アカデミー賞には主題歌賞で『THIS IS ME』でノミネートされただけで、後はほぼガン無視。マイケル・グレイシー監督が新人さんだからかな? 分からないけど。

■実在した興行師、P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)の伝記的映画。貧しく育ったバーナムは良家の令嬢チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と幼い頃に知り合い、やがて結ばれる。その後も勤めた会社が倒産するなど、苦難にあうバーナムだったが、半ば詐欺的な手法を使って銀行の融資を受け「バーナム博物館」を作り独立する。しかし客足は厳しかった。

■娘のアドバイスで興行師になることを決意したバーナムは、世間的には奇形の人と言われる人間を集め、「フリーク・ショー」のサーカスを始め、それが大ヒット。腕利きの興行師として知られるようになるが、世間的には成り上がりと思われ、裕福な義理の両親の対応も冷たかった。

■現在でもアメリカでそういう興行が行われているかどうかは知らないが、今の倫理観で言うとまあまあアウトかも。もっとも、ちょっと前の日本、というかオレが子供のころの日本でも女子プロレスの巡業との抱き合わせで、「小人プロレス」という興行があったのだ。途中どこかからクレームが入ったのか、「ミゼットプロレス」という名称に変わったが。要は生まれつき小柄な人同士がプロレスをするという興行である。調べてみたら、そもそも女子プロレスの興行が昔と比べて少なくなったことと、人材難で現在は開店休業中に近いとか。

■閑話休題。映画はバーナムの成功と挫折、そして復活を描く物語なんだけど、分かりやすいストーリーといちいちツボに効果的な楽曲が配されるのでとても楽しかった。やはりヒュー・ジャックマンとミュージカルの親和性がすごく高い、ということは『レ・ミゼラブル』をご覧になった方は「何を今さら!」と怒ると思うが、やはりそうなんです。楽曲も素晴らしいし。

■まだギリギリやっているので、間に合う方は是非観てもらいたいが、宣伝にひとつ不満が。「『ラ・ラ・ランド』のスタッフが贈る〜」という宣伝文句を見聞きした人は多いと思うけど、当たり前だが製作も演出も『ラ・ラ・ランド』とはまったくダブらないし、関係あるのは劇伴だけで、確かに今作の主題歌『THIS IS ME』を担当したベンジ・パセック&ジャスティン・ポールは、昨年のアカデミー歌曲賞の『City of Stars』など、劇中の楽曲に関わっているが、すべて作詞においてのみで、昨年アカデミー作曲賞を受賞したジャスティン・ハービッツ(デイミアン・チャゼル監督の盟友)がほぼすべての作曲に関わっている。なので「『ラ・ラ・ランド』のスタッフが贈る〜」という宣伝文句は誇大広告に取れなくもない。

■まあ、アメリカでどういう宣伝だったかは存じ上げませんが。映画そのものはお薦めです。

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犬猿 [映画]

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■2018/2/12鑑賞@109シネマズ川崎。今年12本目の邦画6本目。

■この映画は、以前観て面白かった『ヒメアノ〜ル』の吉田恵輔監督作品なので気にはなっていたが、観るかどうかはちと考えてはいた。しかしそこで地元の立ち飲み屋での飲み友達の某嬢が「面白かったですよ!」とリコメンドしてきた訳です。まあでもこの方、まあまあバッドエンドに近い『彼女がその名を知らない鳥たち』とかも好きで、映画好きというのは分かるけどどんだけバッドエンドが好きなんだ。とは言え、人のお薦め映画は大部分は観る価値があるので観てみた。

■いろいろ問題を起こしてきた前科者の兄・卓司(新井浩文)は出所後すぐに、印刷会社で真面目に働く弟・和成(窪田正孝)を頼ってきた。親の借金を地道に返す和成は、卓司の存在が煙たい。取引先の小さな印刷工場の主・由利亜(江上敬子)は、和成に好意を持っていて、無理な注文にも出来る限り応対してきた。しかし和成は、家業を手伝いつつあまり売れないグラドルをやっている妹・真子(筧美和子)と交際するようになる。卓司は怪しい商売に手を染め、親の借金を返して勢いに乗るが。

■まあまあ全員ゲスなんだけど、確かに面白かった。予定調和ではないエンディングも良かった。まあ、こんな映画ばかりだとメンタル疲れるけどね。良作。某嬢も嗅覚は凄いのかなと思ったり思わなかったり。

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パディントン2 [映画]

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■2018/2/11鑑賞@チネチッタ。今年11本目の洋画6本目。

■前作未見だけど、別の筋での複数の友人から「面白かった」という意見があったので、観てみることにした。さすがに1作目を見ないのはどうかと思ったので、アマゾンプライムで無料で見た。ビバネット。結果、一作目が面白かったので安心して映画館に。

■一作目で南米ペルーから出てきたクマのパディントンは、ロンドンでブラウン家の世話になり快適な日々を過ごしている。アンティークショップで、叔母さんの100歳の誕生日の記念として見つけた「飛び出す絵本」を贈ろうとしてパディントンは仕事に励むが、ある日その絵本が店から盗まれる。パディントンはなんと犯人とされて服役することになるが、実は真犯人は近所に住む落ち目の俳優・ブキャナン(ヒュー・グラント)だった。パディントンは、家族や刑務所の仲間と協力しながら真相を突き止めるのに動き出す。

■まあまあネタバレで申し訳ありませんが、とても面白かった。ナメててすいません。基本ファンタジー色の強い映画なんだけど、アクションシーンも適度に挟まれて、特にブラウン家の母であるメアリー・ブラウン(サリー・ホーキンス)は、『シェイプ・オブ・ウォーター』での好演も示すとおり、体を張った演技が素晴らしかった。

■まあでも、レンタルで楽しんでもらってちょうどかもね。

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マンハント [映画]

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■あまりにブログを書かなさすぎて、観た映画のストックを考えると卒倒しそうになる。2018/2/10鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年10本目の外国映画5本目。

■原作は西村寿行の小説『君よ憤怒の河を渉れ』。高倉健主演で佐藤純彌監督により映画化もされヒットした。北京でも公開され、その時の中国版のタイトルが『追補』で、今回も中国語の原題は同じ。その英訳としてタイトルが『マンハント』になった模様。

■原作小説及び最初の映画化は、あくまで日本人による日本国内の映画になっている。それが今作では中国人のジョン・ウー監督であることと、中国資本が入っている映画ということもあって、主人公の高倉健が今作では日本で活動する中国人弁護士、ドゥ・チウ(チャン・ハンユー)に替わっている。原作小説及び最初の映画化のあらすじは、検索すればいくらでも出てくるので、興味のある方はそのへんでよろしく。このエントリはこの映画についてのみ述べる。

■ドゥ・チウ(チャン・ハンユー)は、酒井社長(國村隼)率いる日本の製薬大手・天神製薬の顧問弁護士として活動していたが、天神製薬のパーティの翌朝、自分の脇に社長秘書の希子(TAO)が死体になっていた。身に覚えのないチウは現場から逃げるが、大阪府警の敏腕刑事矢村(福山雅治)は部下の里香(桜庭ななみ)とともに事件を追いかける。当初はチウを犯人と信じ追いかけていた矢村だが、途中から真犯人は別にいるという思いを確信して、チウと行動を共にするようになる。

■以降はネタバレになるので止めますが(とっくに公開終わってるのに何言ってんだ)、さすがジョン・ウーという感じ。大阪を舞台にしたアクションは凄まじかったし、例によって鳩も飛んでいた(笑)。一応W主演という形にはなっているけど、話的にはチャン・ハンユー(初見の俳優さんでした。すいません)があくまで主演で、福山雅治は脇役だったのはいいと思った。やってない訳じゃないけど、福山雅治も俳優業で生きていくなら、もっと脇役もやればいいのに。織田裕二と木村拓哉は言わずもがな。

■オレ的には面白かったんだけど、B先輩の評価は厳しかったし、実際興収もまあまあコケたらしい。もはや福山雅治でも集客できないかと。

■でもまあまあ面白いので、良ければレンタルで。

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今夜、ロマンス劇場で [映画]

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■2018/2/10鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年9本目の邦画5本目。

■あらかじめ書いとくと、ベタベタな恋愛映画です。でも日本映画の最盛期に観客として接することが出来なかったオレたち1960年代生まれとしては愛おしい映画。

■もうすでに映画が斜陽産業と化していた1960年代後半。映画会社の助監督・健司(坂口健太郎)は、日頃の鬱憤を晴らすために撮影所近くの名画座「ロマンス座」にしょっちゅう通っていた。健司が好きなのは、昔上映されたモノクロ映画の主人公のお姫様・美雪(綾瀬はるか)。しかしそのフィルムが売却されることになり、ロマンス座での上映が叶わなくなる最終上映の日、美雪が画面からモノクロームのまま、健司の前に実体として出現したのだった。

■以下はストーリーは書きません。綾瀬はるかを思い切りオードリー・ヘップバーンに擬した演出も冴えてる。坂口健太郎の純情助監督もいい。昔あった素敵な夢をずっと観させてくれるような。

■オリジナル脚本と聞きすげえな、と思ったけど、ちょっと脚本のツメが甘すぎる。美雪はメイクするだけでフルカラーになったの?とか、健司の下宿に居候している美雪の衣装(衣装部から借りっぱなし?)と生活費は薄給(たぶんね)はどうしてたのか、とかね。

■オチはこの手の映画としては以外なんだけど、まあ明かすまい。健司の晩年を演じた加藤剛さん、素晴らしかったです。

■とても素敵な映画でした。実際ヒットもしてるし。でもね、脚本の整合性はもっと練ってもらいたかった。折角のロードショーなんだから。

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デトロイト [映画]

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■2018/2/04鑑賞。今年8本目の洋画4本目@TOHOシネマズ川崎。

■この映画、前日に観た『スリー・ビルボード』同様、アメリカでの人種差別(黒人差別)が主要なテーマのひとつ。ただ『スリー』はフィクションなのに、こちらは1967年にデトロイトで起こった暴動を扱ったノンフィクションだし時代も違う。デトロイトという街は(行ったことないですが)かつては自動車産業で名を成した街。そこから超有名な『Motown』レーベルが生まれたという話です。当時は労働集約型産業(今もそうかな)であった自動車産業に、労働者としての黒人の住民比率が高かったそうで。

■監督のキャスリン・ビグローは『ハート・ロッカー』でアカデミー賞監督賞・作品賞など数々の賞を受賞。そして主演のジョン・ボイエガも『スター・ウォーズ フォースの覚醒』以降ブレイクした3人の新キャスト(アダム・ドライバー、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ)のひとりということもあり、当然本作もアカデミー賞ノミネート発表までは、日本では「アカデミー賞最有力!」という惹句で宣伝されていた。だが結果はノミネートもされてなかった始末。なぜそうなったかの個人的感想は後に書く。

■1967年のデトロイト。直近に暴動が発生して不穏な空気の中、とあるモーテルで空気銃を酔った若者が悪戯で撃ったことから、通報を受けた大勢の警官と州兵が殺到した。警官や州兵の尋問から、白人による黒人への殺戮ゲームへと展開していく。近所の食料品店の警備員メルヴィン(ジョン・ボイエガ)は図らずも騒動に巻き込まれる。

■実話といっても、オレも含める大部分の観客はディテールを知らないはずなので、スリリングな成り行きにドキドキする。敢えてそういう描き方にしているんだろうが、黒人というだけで罪を問う人種差別警官フィリップ(ウィル・ポーター)のクソぶりには本当に拍手したい。メチャメチャ褒めてます。

■白人が支配しているモーテルの中からの脱出劇もテーマのひとつなんだけど、本当にスリリングだった。面白かった。

■なぜこの映画がアカデミー賞の賞の評価に登らなかったというのは、史実だから仕方ないけど、人種差別警官が結果として大した罪に問われなかったこと。そりゃ事実は改変できませんわな。そして主演のジョン・ボイエガが、ずっと第三者的に傍観していたことだ。もちろん彼は実際には警察の拘束を受けていた訳だけど。

■アメリカという国がいいか悪いかって簡単に片づけられるものではないけど、少なくともハリウッドはこういう映画を作り続けている。邦画も頑張って欲しいんです。マジで。

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スリー・ビルボード [映画]

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■2018/2/4鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年8本目の洋画4本目。

■珍しいことに友人夫妻と一緒に鑑賞。もちろん若い頃はデートの道具として映画を使っていた頃もあったし、それを懐かしく思う。先月閉館したTOHOシネマズ日劇とか、90年代半ばは座席予約のシステムが当時はなくて、人気映画で待ち合わせしようと思ったら、上映時間の1時間半くらい前からマリオンの非常階段の長蛇の列に並んだものだ。まあ、デートの道具としては非効率だし、数多く映画を観るようになってからは、スケジュールの調整が自由である単独鑑賞(当たり前だ)が中心になった。それなりに年を取り、映画よりもっと効率のいいデートの道具を見つけたというのもあるけど。まあ、全然モテませんがね(涙)。

■その日は映画の後に、『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の感想を話そうという友人夫妻の旦那さんの企画があったので。映画鑑賞後に別の友人女性も合流し、川崎のベトナム料理屋で旧交を温めた。20年ぶりの再会もあったし、年を取るのはそれはそれで楽しいな、ともね。

■閑話休題。今頃書いてて何だというそしりは甘んじて受けるが、この作品は今年のアカデミー作品賞で、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』と、作品賞候補の二大有力候補と目されていた。結果は皆様ご存知の通り『シェイプ・オブ・ウォーター』が作品賞を受賞。でも、主演のフランシス・マクドーマンドは主演女優賞を受賞し、人種差別主義者の警官役のサム・ロックウェルも同じく助演男優賞を受賞した。そうくるとマーティン・マクドナー監督がノミネートもされてないのが不自然だけど、この人の監督作は初見なので何とも言えない。

■前置きが長すぎて大変申し訳ございません。ミズーリ州の田舎町。7ヶ月前に娘アンジェラ(キャスリン・ニュートン)を強姦殺人で喪ったミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、一向に進展しない捜査に腹を立て、郊外の道路に3つの看板の意見広告を出す。娘の被害と捜査の進捗の遅れ、そして地元の警察署長のウィロビー(ウディ・ハレルソン)の責任を責める看板だった。

■ミルドレッドは事件の直前に、車を使う・使わないでアンジェラと口論になったままということを悔いており、そこに固執するあまり夫のチャーリーと離婚し、チャーリーは若い女と同棲している。一方、署長でありながら末期癌のウィロビーは困惑する。表向きにはミルドレッドの要求を拒絶するが、最後は自殺する前にミルドレッドを助けるようなメッセージを残す。だが、ウィロビーの部下の超人種差別主義者のディクソン巡査(サム・ロックウェル)が暴発し、それに対してミルドレッドも暴発する。

■結末はもちろん書きませんが、先がまったく読めないスリリングで面白い映画でした。エンディングはちょっとアカデミー賞受けを狙ったところがあったかなという感想はあるけども。この翌日に観た『デトロイト』も似た題材なんだけど、人類にとっての宿痾は「人種差別」なんですよ。アメリカだけでなく日本でも他人事ではないのはお分かりでしょう。それを止めるべきなのは政府であり法律、そして制作側でもあるんだけどな。

■なんで、ハリウッドの一部には良心が残っている、と思う次第でございます。あ、映画はすごくいいです。お薦め。

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羊の木 [映画]

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■一ヶ月ぶりのエントリ。2018/2/03鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年7本目の邦画4本目。間が空いたのは痛風になって右足が痛かったりとか(不摂生以外の何物でもない)、たびたび帰省してたとかまあ色々理由があるのだけど、人生最大の病である「めんどくさい病」のせいということにしておこう。ともかく遅筆で申し訳ございません。現時点での上映館はほぼゼロなので、パッケージを待っていただくしかないかと。

■吉田大八監督の商業デビュー作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』をU先輩に薦められて以来、吉田監督の映画は、タイミングが合わなかった『クヒオ大佐』を除き(その後配信で見た)、ほぼ劇場で観ている。『桐島、部活やめるってよ』が低調なスタートからクチコミで興収が増えていき、結果日本アカデミー賞の最優秀作品賞&最優秀監督賞その他を受賞したのを知っている人は多いだろう。主演の神木隆之介はすでに知名度はあったものの、橋本愛、東出昌大、松岡茉優、山本美月、太賀など若手スターを輩出した映画でもある。

■『腑抜けども』『桐島』など、吉田監督の映画は地方を舞台にしたものが大部分で、地方出身者のオレとしてはそこも好きなところなのだが、今作も魚深市という架空の地方都市(モデルは富山県魚津市)が舞台。原作漫画は、作:山上たつひこ&画:いがらしみきおという、1970〜80年代を席巻したギャグ漫画の大御所。山上さんは近年は漫画より小説や原作にシフトされているらしい。好きな漫画家さん二人なのに未読。いずれ読みます。

■魚深市役所の職員・月末(錦戸亮)は上司からの命令で、他からの移住希望者の迎えと住居・職業のアテンドをすることになる。やって来たのは宮腰(松田龍平)、杉山(北村一輝)、理江子(優香)、大野(田中泯)、清美(市川実日子)、福元(水澤紳吾)の6人。「魚が美味しい。人がいい」と平板な言葉しか並べられない月末。実はこの6人は全員元死刑囚で、一定期間在住すれば仮釈放を早めるという政府の極秘プロジェクトに、人口減で苦しんでいた魚深市が乗ったという話だった。

■現実的にはありえない漫画の話ですが、オレみたいに、実家が人口十数万の地方都市の出身者にはリアリティがすごくある。映像描写の中にも、魚津市が将来性あふれる町という描写はまったくなく、生活に疲れ切った人ばかり。オレの場合、地元に残って頑張っている友人たちは素晴らしいとは思うんだけど、そう見えてしまうのは現実。

■大部分の元死刑囚は人生をやり直そうと努力している。月末は、以前思いを寄せていた昔の同級生で帰郷した文(木村文乃)と、地元在住の同級生・須藤(松尾諭)と、時折バンド活動の真似事をしているのだが、そこに宮腰が参加したいと言ってくる。受け入れた月末たち。その後宮腰と文は交際するようになるが、周辺で殺人事件が起きる。実は宮腰はサイコパスだった。

■半ばネタバレで大変申し訳ございません。しかし、とても面白い映画で、近年の吉田監督の作品では一番の出来だと思います。最後までネタバレさせないミステリと(なのにネタバレしてしまってすいません)地方都市の圧倒的な閉塞感を見事に表現している。

■役者としては松田龍平の人を食ったサイコパスの怪演と、3人の女優陣がそれぞれの色を出していてとてもいい。主演の錦戸はなんか狂言回し的な役だったんだけど、伝え聞いたところによると吉田監督は絶賛だそうで。

■現時点では、ほぼレンタルを待つしかなくて申し訳ございません。でもお薦め。今年のオレ的邦画ベストテンには入ると思います。

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祈りの幕が下りる時 [映画]

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■2018/01/28鑑賞@109シネマズ川崎。今年6本目の邦画3本目。東野圭吾の小説『新参者』シリーズの完結編。

■東野圭吾作品の映像化にはほとんどハズレはない。代表的なのは『ガリレオ』シリーズだけど。東野さんは原作の設定の改変に関してかなり寛容な方だそうで。作品数が膨大なのでちょっとしか読めてないけど(知人の間では「東野圭吾複数人説」というのもあった)。その中でのこの『新参者』シリーズの完結編。結構面白く、連ドラもスペシャルも全部見た。ただ、映画版1作目の『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』は全然イケてなかった。まずガッキー(新垣結衣)が全然可愛くないっていう点で最悪。監督は土井裕泰さん。ドラマ版には関わってないが、TBSの売れっ子ディレクターのひとり、ということで選ばれたのだろうか。確かにドラマでは『コウノドリ』『逃げ恥』などのヒット作を連発。だけど映画では『涙そうそう』『ハナミズキ』など、首をかしげる作品が多い。どちらかと言うとTVドラマ向きのディレクターさんなんだろうな。

■しかし今作の監督は、ドラマ版も劇場版にも関わっていない福澤克雄さん。そう『半沢直樹』でお馴染みの、今やTBSのエースディレクターだ。福澤さんのヒットドラマは他にもたくさんあるので、気になる人はwikiで検索してみてください。TBSとしては安定の布陣なんだろうが、若干違和感が。後で説明します。

■1983年の仙台から話が始まる。まったくの私事なんだけど、オレはその当時大学生で仙台在住だったのでちょっと前のめり。田島百合子(伊藤蘭)という女がスナックの面接に訪れた。聞けば離婚したばかりだという。店主・康代は百合子を気に入って雇い、百合子もそれに応えて店の売れっ子になる。しかしそれから十数年後、百合子は体調を崩しアパートの一室で孤独のまま亡くなる。

■百合子の身元を知らなかった康代は、百合子が交際していたらしい「綿部」という男に相談する。その後綿部は百合子の親族を康代に知らせる。百合子の息子は「新参者」加賀恭一郎(阿部寛)だった。

■それから時が流れ現在。加賀の従弟の警視庁捜査一課の刑事・松宮(溝端淳平)は、小菅のアパートで発見された女性の腐乱死体の捜査をしていたが、同時期に近くの河川敷で男の焼死体が見つかる。この2つの事件に関連性を感じた松宮は、日本橋署の刑事で従兄の加賀に協力を求める。そこには意外な繋がりがあり、加賀の人生にも大きく関わってくる話だった。

■ネタバレはここまで。さすがにミステリなので結末を明かすわけには行かないけど、積年のシリーズの謎をすべて解き明かしている内容だった。まあ、東野圭吾さんは原作のアレンジに寛容なだけでなく、継続中の作品は登場人物を徐々に映像化作品に寄せてくる、というサービスもやっているので(『ガリレオ』とか)、それの効果もあるかも知れない。オレの加点要素でもあった仙台市内の描写も要点は抑えられてるし。本人もしくはスタッフの取材がきちんとしているんだろうな。

■満足の行く出来だし、少なくとも前作『麒麟の翼』より全然いい。東野圭吾ファンで『新参者』シリーズが好きなら満足するだろう。実際興収もいいようです(遅筆ですいません)。ただ、福澤監督のドラマとかの癖で、「ストーリー上説明が必要なところ」を特に前半部分は、映像でなくテロップで簡略に説明する、というのは映画としてはどうかなと思ったけど。

■これを観た後に、同じく鑑賞後の毎度おなじみB先輩と飲んで話したのだが、大絶賛。特に脚本の構成力が素晴らしいと。そこまで言うのなら、と思って久々に東野圭吾の原作本を読んでみた。脚本は李正美さんというTBSのシナリオコンクール出身の方らしい(大昔オレも応募したけど予選通過止まり)。確かに話の刈り込み方は上手なので、いずれ、現在大ヒット中(オレ的には)のドラマ『アンナチュラル』(オリジナル脚本)の脚本家で、かつては「脚色の女王」と呼ばれていた(オレ的)野木亜紀子さんのように大ブレイクするのかもね。

■でもオレは、この作品が良作なのは、原作小説の構成が精緻なのが一番の理由だと思っちゃうんだよな。ま、おススメです。流れ上書けなかったけど、松嶋菜々子の芝居も良かったですよ。

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