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アウトレイジ 最終章 [映画]

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■2017/10/7鑑賞@チネチッタ。今年85本目の邦画32本目。

■『アウトレイジ』シリーズの最終作。二本目の前作『アウトレイジ ビヨンド』で「全員悪人 完結」というキャッチコピーだったのにまだやるのかと。いやいや、面白ければ全然いいんですよ。

■前作で暴力団同士の抗争を操っていたのが、刑事の片岡(小日向文世)と知った主人公のヤクザ・大友(ビートたけし)は片岡を射殺。日本に居づらくなった大友は、韓国のフィクサー張会長(金田時男)の庇護の許にいた。しかし韓国に出張中の花菱会の幹部・花田(ピエール瀧)が傘下の風俗店でトラブルを起こし、大友はそれを責める。花田は、手下によって大友の部下を殺害し、そのまま日本に戻る。業を煮やした大友は久々に日本に戻り、花田と花菱会を追い詰める。

■あらすじはこんくらいで。しかし、本職のヤクザの方も、たぶんこの映画みたいに日常的に「コノヤロー!」「バカヤロー!」を言ってはいないよね、それ関係の知人がいないので想像ですが。

■この映画を観た後に、民放の番宣でたけしやその他のキャストが出ていた番組を見たのだけど、北野映画の特徴として、「リテイクは少ない」「現場は巻きで上がることが多いので夜飲みにいける」というキャストからの発言があった。その理由を問われたたけしは「だって、オレ漫才師だもん。舞台でリテイクなんてないだろ」だそうです。それで、たけしの映画はおおむねテンポが良かったんだねと納得。

■ちょうどいい終わり方だった。個人的には病から回復した塩見三省さんの完全復帰に拍手を送りたい。

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亜人 [映画]

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■2017/10/1鑑賞@109シネマズ川崎。今年84本目の邦画31本目。

■結構前のことなので忘れている方も多いと思うが、邦画実写の歴代興収第1位は『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』なのです。興収は173.5億円。昨年大ヒットした『シン・ゴジラ』が82.5億円なので、どれだけすごい数字かは分かっていただけるかと。もちろん競合や時代背景もあるので一概には言えませんが。『踊る』は確か公開直後に映画館に行った記憶があるのだけど、終了後観客がみんな拍手をしていてビックリした。映画を観に行ってそんな体験をしたのは現在のところその一回だけです。そしてその映画の監督が今作の本広克行監督。

■前フリが長すぎました。原作は現在も連載中の桜井画門の同名漫画。未読。すでに劇場版でアニメ版が3部作として上映されているがこちらも未見。なので事前情報ほとんどなし。

■妹・慧理子(浜辺美波)の難病を治したいと、医者を目指した研修医の永井圭(佐藤健)は、交通事故でトラックにはねられ即死するが、即時に復活したので「亜人」と認定され厚労省の保護下に置かれる。「亜人」とは十数年前に発見された死なない人間のことであり、日本では圭が3人目に確認されていた。だが保護とは名目で、残虐な人体実験を繰り返され限りない苦痛を体験させされてきた。

■厚労省管轄下の「亜人研究所」に束縛されている圭のところに、亜人の一人目・佐藤(綾野剛)と二人目・田中(城田優)が圭の奪還に現れる。亜人研究所の担当者・戸崎(玉山鉄二)と対峙しつつ脱出は成功に思われるが、人間を残虐に殺す佐藤の態度に圭は違和感を持ち、最後に佐藤と対峙して独自に逃げ出す。

■佐藤の要求はエスカレートして、「亜人の自治区を区内に作れ。でなければ細菌テロを起こす」と政府に宣告する。逃亡していた圭は、対峙するべきだと思い戸崎に協力を申し入れる。

■だいぶあらすじを書き過ぎた感じで大変申し訳ございません。でも、とても面白いです。尺も長くないし(109分。またかよ)、身体能力がともに高い佐藤健と綾野剛のアクションには何も文句を付けるところはありません。その他にも、慧理子役の浜辺美波はもっと売れて欲しいし、戸崎のボディガード役で実は亜人の下村(川栄李奈)のダークスーツに白ワイシャツ、というのは、『SP』での真木よう子の役割を引き継いでるのかなと思って笑った。

■あえて難癖を付けるとしたら、綾野剛の台詞回しがとても芝居がかってた所かな。原作もアニメも観てないので何とも言えないが。あそこが調和を壊してた気がする。綾野剛ってそんな下手な俳優じゃないもの。

■確かにB先輩に指摘されたように、「リセット」は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』に似てるし、亜人が追い詰められると黒い霧(IBM。またか:笑)を出すのは『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』はあるんだけど、これはこれとしてすごく面白い。

■本広克行監督は大ファンというわけでもないが、『幕が上がる』とかは好きでした。またもっと活躍して欲しいです。

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ドリーム [映画]

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■2017/9/30鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年83本目の洋画53本目。

■最初に言っとくと、この映画はアメリカでの上映中『ラ・ラ・ランド』を上回る興収を叩き出したとの事です。それで初週の上映館が63館って、配給(20世紀FOX)と映画館、馬鹿じゃないですか? メジャーから色々イジられた『この世界の片隅に』と同じ63館。その後の大ヒットは皆様ご記憶の事とは思うけど、同じレベルで週末の興収は第7位ですよ。『この世界の片隅に』は10位だったし、同時期に上映の作品の質の差があるので単純には比較できないとは思うけど、何で? 今からでも上映館を拡大すべき。

■米ソ冷戦下の1961年。NASAのラングレー研究所に勤める3人のワーキングマザーの黒人女性。リーダー格のドロシー(オクタヴィア・スペンサー)のもと、数学の天才のキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)、エンジニア志向のメアリー(ジャネール・モネイ)は、黒人女性だけの部署「西計算センター」で働いている。ある時数学の天才が欲しいという宇宙特別研究本部長・ハリソン(ケビン・コスナー)の意向で、キャサリンはそこに配属になる。が、他のスタッフは全員白人で、その棟には黒人用のトイレがないためキャサリンは大変苦労する。

■ドロシーは実質管理職の仕事をしているにも関わらず、昇進を申請しても、上司のミッチェル(キルスティン・ダンスト)には「前例がない」と拒否される。メアリーはエンジニア職への転換を目指すが、そこでも黒人ということで制限され、夫にも反対される。ある時ドロシーはIBM製の巨大コンピュータがNASAに導入されると知り、手計算の自分たちの仕事はいずれ無くなると思い、コンピュータ/プログラミングの勉強を密かに始めるが。

■主演女優さん3人についてはあまり馴染みがなくて申し訳ございません(後で確認したら、ジャネール・モネイは今年のアカデミー作品賞の『ムーンライト』にも出てました。記憶力の無さを呪いたい)。でもとてもグイグイ引っ張られる物語だ。お涙頂戴なところは全くないが、数回軽く涙ぐんでしまった。主役3人の演技もとても素晴らしいが、ハリソン(ケビン・コスナー)の役がメチャクチャ美味しい。おそらく彼は、別にヒューマニストで白人と黒人の人権の差を解消しようとかではまったくなく、本当に現実的な効率至上主義の男だ。キャサリンがトイレで困っていて仕事の効率が落ちていると知ると、「白人専用」のトイレの看板をぶち壊し解消。重要な会議にキャサリンが黒人女性のため出席できないと知るとそのルールを破る。そんなにヒューマニストではないが、キャサリンを仕事仲間として全幅の信頼を置いているところが潔くてカッコいい。

■こういった人種差別が、オレが生まれるたった二年前にアメリカで横行していたと考えると怖い。それだけではなくて、なお現在に至ってもアメリカでの白人と黒人の問題、ひいては狂信的な集団「KKK」が未だに活動を続けている。だからこそヘイトは法律で厳しく規制されなければならないし、ハリウッドも時折見せる良心でこの映画を作っているのだと思う。日本だって他人事ではない。人種差別を容認したり看過するような政党が、政権を取ってはいけないのだ。

■まあ、そんな堅苦しいこと考えなくても十分に面白い娯楽作です。興味を持たれた方は是非に。前段にも書いた20世紀FOXの失策で上映館が多くないのは心苦しいけど。あとこの映画、原題が『Hidden Figure』(隠された人たち、もしくは、知られざる人たち、というのが意訳だけど該当するか)で、非常に邦題を付けづらいタイトルというのは理解するけど、最初に発表した邦題が『ドリーム 私たちのアポロ計画』で、この映画で扱った宇宙飛行計画はアポロ計画の前のマーキュリー計画だったので、SNSから「馬鹿か!」とかいう非難が殺到しサブタイを取り下げることになった。まさか炎上で興収を上げようとかのクソな発想ではないことを祈ります。映画単体としてとても面白いんだから。

■おまけ。この映画の数十年後に日本の子会社に勤めていただけなんだけど、IBMの(当時の)メインフレーム(おそらく処理能力は現代のスマホにも及ぶまい)が出てきたところは感慨深いものがあった。IBM関係の人は誰も出てこなくて出演はコンピュータだけなんだけどね。I社関係の人には鑑賞をお薦めします。ちょっとグッとくるかも。

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ユリゴコロ [映画]

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■2017/9/23鑑賞@109シネマズ川崎。今年82本目の邦画30本目。

■正直、シリアルキラーものはあまり好きではない。と言いながら昨年も何本か観ていた気はするけど。でもこの映画を観たのは、主演の吉高由里子の鵺のような(役所広司でも使ったな)演技力に魅せられたところが大。

■カフェをやっている亮介(松坂桃李)は、婚約者の千絵(清野菜名)が突然失踪し呆然とする。しかも父は末期癌で余命いくばくもないという。父のケアで実家に行った亮介は、「ユリゴコロ」と書かれた大学ノートを手にするが、そこには美沙子(吉高由里子)の凄絶な記録が記されていた。

■美沙子は幼少の頃から情緒不安定で、医者には「ユリゴコロ」がないのではと言われるが、それはおそらく「拠り所」の間違いと本人も知っている。幼少の頃に友だちを見捨てて以来、溝に嵌っている小学生をわざと死なせたり、同性愛に近い友人(佐津川愛美)を死に追いやったり、元の職場の先輩を撲殺したりとか、これはシリアルキラー以外ではないね。

■売春婦に堕ちた美沙子に救いの手を差し伸べたのは、洋介(松山ケンイチ)という男だった。すでに妊娠していた美沙子に「二人の子供として育てよう」と言い、穏やかな生活が始まった。

■正直、ストーリーにはまったく共感できない。シリアルキラーの恋愛感情とか何言ってんだって感じ。だけど、吉高由里子という女優の持つ魔性がなんだか許してしまう。人にはあまり薦めないけどね。

■原作の沼田まほかるさんは、割合そんな昔じゃないデビューなので若い方かと思ってたら、御年70歳とか。そこまで行かないと分からないところがあるのかもね。

■でもなあ、近日公開予定の『彼女がその名を知らない鳥たち』も、沼田まほかるの原作らしいし、オレが最近好きな白石和彌監督なので、たぶん観るんだろうな。

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スクランブル [映画]

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■2017/9/23鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年81本目の洋画52本目。

■たまにはスカッとする映画を観たくなるもので。クラシックカーのカーチェイス・アクションということで観てみようかな、と。

■異母兄弟のアンドリュー(スコット・イーストウッド)とギャレット(フレディ・ソープ)。彼らは今まで名だたるクラシックカーを盗み転売することで生計を立てていた。いつものようにオークション会場から高級車を盗むことに成功するが、そのオーナーはマフィアのモリエールだった。モリエールに囚われた二人は、交換条件として敵対している資産家・クレンプのフェラーリを盗み出すということで解放してもらう。そこからの虚々実々の駆け引きの話。

■上映時間も長くないしまったく飽きません。カーアクションも凄いし。しかし人気のクラシックカーを傷つける訳にもいかないし、現場の制作部は神経持たなかったのかなとも。『夜に生きる』を観てもそう思ったけどね。

■映像的にも派手だしアクションも緩みない。楽しい映画です。でもまあ、観終わった後には特に何も残らない。これって?と思ったら、製作陣が『ワイルド・スピード』とダブってるらしい。でもこういう潔さは好きです。

■オレはクルマにあまり興味が無いのでそうでもなかったけど、クルマ好きな人には楽しめる映画だと思います。こういう映画も絶対必要。

■ところで、主演のスコット・イーストウッドって、クリント・イーストウッドの息子さんらしい。父親と50歳以上違うけど、良さげなのでもっと世に出ていくといいね。

■スコットくんは初見ではありませんでした。反省。

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エイリアン コヴェナント [映画]

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■2017/9/17鑑賞@109シネマズ川崎。今年80本目の洋画51本目。

『プロメテウス』の続編であり、『エイリアン』の前日譚の映画。ただ続編がありそうな感じもあるので、この映画が『エイリアン』に直結するかどうかは不明。系統立てて観ている人は、鑑賞前に『プロメテウス』の復習をしておくことを強くお薦めする。自分の衰えつつある記憶力が、5年前に観た映画の記憶を保持していると信じたオレが馬鹿でした、はい。

■2104年、植民船のコヴェナント号は選定した移民先である惑星「オリガエ6」に向けて航行中だったが、船に故障が発生し冷凍睡眠中だった乗組員は目覚め出す。しかし船長のブランソンはカプセルの火災があり死んでしまう。ブランソンの妻・ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)は悲嘆に暮れる。その時に歌声のような音声を拾い、もっと近くに人の住める惑星があるのではないかという可能性が現れる。ダニエルズは当初の計画を履行することを主張するが、副官のオラム( ビリー・クラダップ)たちの反発に会い、その惑星に着陸することになる。それを静かに見守る随行アンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)。地上に降りた彼らは、未知の生物に襲われることになる。

■久々に思い出したが、『エイリアン』を最初に観た時は、SFというよりホラー映画に近いという印象が強かった。H・R・ギーガーがデザインしたエイリアンは、38年後の今観ても斬新で怖い。緊張感を持ちつつストーリーは進むのだけど、時々起こるどんでん返しもまあまあ予想内で、結果的にマイケル・ファスベンダーの不気味さが強く印象に残る映画になった。ま、キャサリン・ウォーターストンが初代ヒロイン、シガニー・ウィーバーを踏襲してタンクトップ姿というのは面白かったけどね。

■なんでまあ、リドリー・スコット監督には、監督やるならこちらじゃなくて『ブレードランナー2049』の方をやって欲しかった、と思うのはオレだけではないだろう。でもリドリー・スコット監督にとっての出世作は『ブレードランナー』よりも前の『エイリアン』なのだからそちらに思い入れが強いのかもね。

■ちょっと不完全燃焼でしたが、事前に『プロメテウス』とできれば『エイリアン』を復習しておけばもっと楽しめるかなとは思います。

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新感染 ファイナル・エクスプレス [映画]

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■2017/9/16鑑賞@109シネマズ川崎。今年79本目の洋画(邦画以外)50本目。

■若干興味がなくはなかったが、原題『Train to Busan』が悪ふざけにも程があるとんでもないダジャレの邦題ということもあり、当初は観るつもりではなかった。しかしこれを観たB先輩が、「2016年が『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』の年と言われるのと同じ意味で、2017年を代表する映画だ!」とあまりにグイグイ推して来るので観ることにした。

■例によって韓国の俳優さんの名前はほぼ知らないので全略で。ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは、多忙のあまり妻と別居中で、幼い娘・スアンと母とともに暮らしている。スアンの誕生日の朝、プサンに住む母に会いたいというスアンを独りで行かせる訳にも行かず、ソグはスアンとともに高速鉄道KTX(日本の新幹線にあたる)に乗り込むが、発車直前にウイルスに感染したひとりの少女が乗り込んだことから、車内ではウイルスが感染した人々がゾンビ化し、パニック状態になっていた。同時に市街地でも大量のゾンビが発生し、街は大混乱に陥っていた。

■あらすじだけ読むと、「へえ、よくあるゾンビ物か」と思うだろうけど、これがどうして濃厚な人間ドラマなのだ。自分と娘だけ助かればいいと思っていたソグが人間的に成長していくところや、身重の妻を抱え、一見ただの乱暴者にしか見えない男が熱いハートを持っていたり。その反面自己の保身しか考えない乗務員や、傲慢なバス会社の常務など。後半に向かってどんどん話が加速していき、最後まで目を離せない。確かにこの映画、ゾンビ映画というだけで敬遠してたら損かもね。

■けど思うのだ。ある意味感動的な話なのに、なぜゾンビという仕掛け以外で映画化できなかったかなと。人間が突然ゾンビに化けるというのは、たしかに怖いけど定型的なフォーマットでもあるので、オレなんか観てるとつい笑ってしまったりする。ゾンビ映画というフォーマットを最初に考えた方は偉大だとは思うけど、そこでストーリーの感動に水を差された感じがする。対案は何かって?思いつけるようなら別の仕事やってます。

■面白い映画を紹介してくれたB先輩には感謝しますが、オレにとっては「2017年を代表する映画」ではまったくありません。でも懲りずに、今後も面白い映画を教えて下さいね。

■ところで最初にも書いたがこの邦題はひどすぎる。このせいで日本での興収、2割くらい損してると思うよ。

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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール [映画]

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■2017/9/16鑑賞@109シネマズ川崎。今年78本目の邦画29本目。

■大根仁監督の作品は、映画は公開作をすべて観ているし、ドラマもおおむねチェックしているので、まあファンと言っていいだろう。という訳で今作も前のめり気味で観ることになる。渋谷直角の同名漫画が原作というところは、『モテキ』『バクマン。』と同じだが、渋谷直角の原作漫画はこれらとは売上の桁がかなり違う。まあ、知る人ぞ知るっていう漫画なのだけど、映画が面白ければ別に問題ない。

■社内異動で、オシャレなライフスタイル雑誌に配属になったコーロキ(妻夫木聡)は、奥田民生を理想とする男。酸いも甘いも噛み分けたような木下編集長(松尾スズキ)の元、シャレオツな雰囲気に馴染もうと努力するが、そんな時取引先のアパレル会社のプレス・あかり(水原希子)と出会い一目惚れ。ちょっとしたやり取りの後、何とかあかりと付き合えることになったコーロキだが、そこからコーロキには地獄が待っていた。

■基本ラブコメなんで、以降のあらすじを追ってもあまり意味がないが、要はビッチ女に振り回される純情男という、大根監督お得意のパターン。冒頭からコーロキの過剰なモノローグで話が進んでいくところは『モテキ』の幸世を彷彿させるし。テンポが良く楽しいし、あかりに袖にされるあまり、コーロキが執拗に電話やメールしてストーカー寸前まで行ってしまうところとか、夢中になり過ぎた男がやりそうな事で心が少し痛い。

■シリアスからコメディまで何でもやれる器用な妻夫木くんだけど、これは彼の当たり役のひとつだろう。そして大根組には毎度おなじみの新井浩文とリリー・フランキー、大根組には初登場の松尾スズキなど、味わい深い。ただリリーさんと松尾スズキはオレと同世代で、劇中でもそういう役なのだが、こじらせて年取った感じがまたもや心が痛い。安藤サクラと江口のりこは、顔がよく似ているので途中でちょっと混乱した。大根監督が面白がってわざとやってる訳じゃないよね?

■ハイスピードカメラを使ってスローのシーンを劇中に挟むのは大根監督の悪癖で(とオレは思う)、それで正直テンポが削がれるところはあるけれど、時間も100分弱と短いし(『ダンケルク』もそう書いたけどあくまで一般論ね)十分な娯楽作になっていると思う。

■ただヒロインの水原希子。オレはどうもこの女優さんが苦手なのだ。なのでコーロキが狂わされるというところにあまり感情移入ができない。例えば『モテキ』では、長澤まさみがあんなことやこんなことをしてくれるので(実はそんなに大したことじゃないけど)観客の男は頭がおかしくなったりした訳だ。なのでもしヒロインが石原さとみとかだったら、オレもこの映画を観て頭がおかしくなったに違いない。まあでも石原さとみだったら、あそこまでエロくはできなかったか。という話を知人女子にしたら、「えー希子ちゃんカワイイじゃないですかー」と不満たらたらでした。なので水原希子ファンの方なら、この映画を観て頭がおかしくなれるかも知れません。ただ、知ってる範囲で、水原希子のファンの男っていないんだよな。

■あと、ドラマはそんなことはないのだが、大根監督の映画は、インディーズの『恋の渦』を除いて、舞台がすべて「業界」というのが少し気になる。『モテキ』はネットメディア、『バクマン。』は漫画出版社、『SCOOP!』は写真週刊誌、とかね。テーマも内容も全部違っているんだけど、我々の若かった頃と同じく、主要な観客層である今の若者はそんなに「業界」に興味があるのかな、という疑問。次回作はまったく別の世界を舞台にして欲しいな、とも。

■グダグダ書きましたが、映画自体はお薦めです。よろしければ。

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散歩する侵略者 [映画]

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■2017/9/12鑑賞@109シネマズ川崎。今年77本目の邦画28本目。レイトショーで。

■黒沢清監督の熱烈なファンというわけではないが、気がつくとここ最近の作品は観ている。『岸辺の旅』『クリーピー 偽りの隣人』とかね。観ようと思った動機はそれもあるが、何よりタイトルの『散歩する侵略者』が、『ウルトラセブン』(もしくは『ウルトラQ』)のひとつのエピソードのタイトルのように思えたから。実際に観てもそれを強く感じた。もちろんウルトラセブンなんてまったく出てきませんが。

■行方不明だった夫・真治(松田龍平)が見つかった。記憶を失っているらしい真治は別人のように優しくなっていた。戸惑う妻の鳴海(長澤まさみ)。同時期に一家惨殺事件を追っていた週刊誌記者の桜井(長谷川博己)は、自らを宇宙人と名乗る若者・天野(高杉真宙)に「僕のガイドにになって、あきら(恒松祐里)を一緒に探して欲しい」と頼まれる。一家惨殺事件に関連があるあきらを探していた桜井は、天野が宇宙人ということは信じないまでも行動を共にする。

■ある時鳴海は真治から、「僕は宇宙人で、地球を侵略しに来た」と言われる。

■という訳で、本当にウルトラセブンっぽい侵略者が現れるSFの話なのだが、SF的な映像表現は一切使われていない。「侵略者」は人間の体を乗っ取ることができるので、そのへんは『寄生獣』と同じなんだけど派手派手なVFX表現はゼロ。そして「侵略者」の特殊能力として、人間の心の中から、言葉とか語彙とかではなく、その言葉が持つ全体的な「概念」を盗むことができる。「概念」を盗まれた人はそれを使って物事を考えることが出来なくなってしまう。

■その設定自体がすごく概念的なので、正直あまり分かりやすい映画ではない。が、含蓄のあるとても面白い映画。長澤まさみは本当に芝居が上手くなったし、例によって飄々とした松田龍平はまさに彼の為の当て書きの役のよう。そして、最初から少し胡散臭い役でありながら、途中で正気に戻るのかと思わせつつ、結局最後には暴走してしまう長谷川博己の演技には、昭和4〜50年代の邦画の香りが色濃く残る。まあもともと、長谷川博己がそういうタイプの俳優さんだということもあるけどね。あと、チョイ役も含めて他の俳優さんがやたらに豪華。笹野高史、満島真之介、光石研、前田敦子、東出昌大、そして小泉今日子。キョンキョンなんて最後のほうにちょっと出てくるだけ。

■ネタバレはしませんが、松田龍平が番宣で内容説明を求められて「宇宙人が侵略してきて、あの、最後には愛が勝つという話です」という雑な説明をしていたが、まあその通り。あとはご覧になって確認してください。こちらも強くお薦めです。

■しかし9月に観た映画は、面白いのが多すぎで困る。

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ダンケルク [映画]

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■2017/9/10鑑賞@109シネマズ川崎。今年76本目の洋画49本目。

■クリストファー・ノーラン監督初の実話ベースと言う触れ込み。そりゃそうだ。バットマンは実在しないし、『インターステラー』は宇宙ものだし、『インセプション』のような倒錯した世界が現実にあったらそりゃちょっと困る。でもノーラン監督の作品は大好きなので観ることにするが一つだけ難点が。上映時間の長さ。だいたいの作品が平気で2時間半を超えるのだ。加齢とともに集中力が続かなくなってきたオレにはちと辛い。しかしこの映画、上映時間が106分と、ノーラン監督にしては短い。という訳で安心して観ることにした。合う時間がなかったのでIMAXで。結果的にそれが良かったのだけど。

■第二次世界大戦の前半で、ドイツ軍の猛攻に追い詰められた連合国軍が、フランスの港町・ダンケルクまで逃げ延びて救助船を待つという話が主軸。そしてその話が三つの局面から同時進行で描写される。何としても生き延びたい若き英国軍兵士、トミー(フィオン・ホワイトヘッド)とピーター(トム・グリン=カーニー)たち。母国兵士の危機に義勇船を出す民間人のミスター・ドートン(マーク・ライランス)とその息子たち。そしてドイツ軍の爆撃を阻止すべく飛んだ英国軍パイロット・ファリア(トム・ハーディ)とその仲間。

■同時進行と書いたけど、正確にはギミックを使って各々の時間軸を少しずつずらしている。クライマックスではすべての時間軸が一致するんだけどね。しかしこの映画、作劇というより何だかドキュメンタリーっぽい。主演は若き英国軍兵士なんだけど、オレが不勉強というわけではなくて、ほとんど知名度がない俳優さんたちだ。この手のメジャー映画では珍しいけど、敢えて個々の人物を浮き上がらせない演出に思える。そしてIMAXのおかげでもあるんだけど、恐ろしいほどの臨場感。聞いたところによるとノーラン監督は3Dが嫌いらしい。観客の想像力を制限してしまうから、だそうです。同様の理由でCGも極力避けているんですかね?

■とは言うものの、観終わったあとに印象に強く残ったのは、オスカー俳優、マーク・ライランスの好演と、最後に美味しいところを全部かっさらっていったトム・ハーディであろう。

■映像は飛び出さないし、椅子も振動しないしミストも出ないけど、この映画は体験型アトラクションとして楽しむのが正しいかなと。難しいことを考えないで。IMAX推薦ですが、強くお薦めします。時間短いし(笑)。

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