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ケンとカズ [映画]

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■2016/8/21鑑賞@ユーロスペース。今年91本目の邦画43本目。

■この映画を観たのもベイマックス(仮)先輩のおかげというか。先輩は時々メッセンジャーで観るべき映画を教えてくれて、ヒット率は確かに高いのだけど、ミニシアター系の映画が多くて鑑賞難易度はすごく高い。なので実際に観れた映画は5割程度というところか。しかも今作に至ってはメッセンジャーでの2度推し。これは根負けして行くことにした。別にイヤイヤ行ってるわけではありませんが。

■ユーロスペースは『ぼっちゃん』を観て以来だから3年ぶり。ミニシアターあるある的に椅子が硬いとかはあるけど、映画好きな人たちが作ったんだろうなと思える感じのいい映画館。ただ場所がちょっとな。渋谷駅から結構歩くし、円山町とかのラブホテル街のど真ん中。行く途中にラブホテル街を通ると、ラブホに入っていくやる気満々のカップルとか、コトをなし終えてきたカップルとかを目撃してしまい妙に生々しい。自分が当事者ならばいいんだろうけど、おっさんはもうそういうところに行く年でもないので。円山町のラブホに行ったことがないとは言いませんが。

■閑話休題。千葉の小さな自動車工場で働くケン(カトウシンスケ)は高校の同級生カズ(毎熊克哉)を引き入れ、ヤクザの下請けで覚醒剤の密売に手を染める。日銭が廻ればいいと思っていたケンだが、認知症の母を抱えたカズは多くの収入を望んでいて、敵対組織と手を組もうとする。カズの暴走ぶりに、身重の恋人を抱えているので手を引こうと思っていたケンだったが。

■バイオレンス連発という映画としては、今年公開された『ディストラクション・ベイビーズ』の同じくくりなんだろうけど、『ディストラクション』は、主人公が暴力を振るう理由はあまり明らかにされてないし、何というかドライな映画でした。こちらはむしろ覚醒剤とかヤクザとか、かなり昭和的なウェットな映画でした。『ディストラクション』の真利子哲也監督は35歳、今作の小路紘史監督は30歳と世代的には逆な気もするけど、年齢と価値観の連携ってあまりないかも、と改めて思いました。

■大変面白い映画です。ただ殴打の際の効果音については『ディストラクション・ベイビーズ』のほうがリアリティあったかなと。どちらの映画がお好みかというのは個々人によると思います。

■少路監督はお若いのに映画の構成力がすごい。上映中ゆるみない映像を観させてくれたので、新人監督としては怖いですね。ただ鑑賞後、ベイマックス(仮)先輩に聞いたところによると、監督と話したところ撮了は2013年で、その後に編集期間が結構取れたらしい。

■これは観とけと言いたいですが、上映館がかなり少ない。ムーブメントで全国での上映館が広がることを祈ってます。

ニュースの真相 [映画]

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■2016/8/20鑑賞@TOHOシネマズららぽーと横浜。今年90本目の洋画48本目。

■この映画、知人が試写を観て褒めていたので観る気まんまんだったのだけど、蓋を開けたら何と首都圏では2館での上映のみという鑑賞難易度の高さ。それでもめげずに今回観た2週間前に、日比谷のTOHOシネマズシャンテくんだり(ま、日比谷の人から言えばオレが住んでる大田区のほうが「くんだり」なんだろうけど)まで行って満員で振られたという苦い経験があったのだけど、根性見せて鴨居のTOHOシネマズららぽーと横浜まで来た。TOHOシネマズの変な編成(失礼)のおかげで辺境(また失礼)のシネコンでこういうマニアックな映画は空いている。

■この映画も実話ベース。2004年、ジョージ・W・ブッシュが再選を目指して大統領選に臨む直前の話。12年前というと結構昔な気もするけど、ブッシュJrは現職のオバマ大統領(来年の1月までは)の直前の大統領だったのだ。近過去だけど現代に地続きで繋がっている。

■実在の人物、メアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)の著作が原作。大手放送局CBSのプロデューサー・メアリーは、今までにも数々のスクープをモノにしてきた敏腕。看板報道番組「60ミニッツⅡ」のキャスターで伝説のジャーナリスト、ダン・ラザー(ロバート・レッドフォード)と組んでいるが、相棒でありながら父娘のような間柄。そこにブッシュ大統領の若き日の軍歴詐称疑惑のネタが転がり込む。新たにチームを編成したメアリーは、緻密な取材を重ねて番組を完成して放送し、大反響を呼ぶが、証拠として取り上げた空軍内部のメモが偽造ではないかとブロガーたちから取り上げられ、他放送局からも追及される。一転して窮地に陥ったメアリーたちだが。

■ネタバレで申し訳ありませんが、『スポットライト 世紀のスクープ』のようにマスメディアが腐敗を暴いてあっぱれという話ではなくて、メアリーたちは敗北し、メアリーはCBSを解雇、ダンはキャスターの職を辞することになる。ブッシュ大統領が実際に軍歴詐称をしていたかどうかは映画の中では明示されてないし、間接的に政権側からの圧力を匂わせる描写はあるものの、明確には示されていない。そういう意味ではモヤモヤする人が多いとは思うが、観るべき映画のひとつではあります。

■ジャーナリストの仕事として怪しい証拠を採用するのは瑕疵だと思うけど、その裏で真実が隠されるのは問題だ。それに、自分の言葉に責任を持たないブロガーなどのネット世論で世の中が動いていったことは、現在ではさらに強烈なことになっている。

■あと、この映画を観て思い出したのが、この映画の舞台の2年後に起こった、当時野党であった民主党(この名称も当時)の永田議員が起こした「ホリエモン偽メール事件」。結果的には怪しいガセネタを提供する第三者からの情報を検証もせずに国会で提起した永田議員の責任と言えばそうなんだけど、彼はその後自死を選んだ。後味の悪い話でした。

■ま、政治の世界はやはり魑魅魍魎の棲家であまり覗き見たくないという気持ちを強くしましたが、この映画は観れれば観たほうがいいです。しかし前述の通りこの鑑賞難易度。もうちょっと何とかして欲しい。

■最後に、またまたハリウッドの懐深さを感じました。ちょい前の大統領(日本では首相)を題材にして映画って日本じゃ絶対撮れないもんね。やっぱ日本は自由度が低いと思うのですが。政府の規制なのか業界の自粛なのかは知りませんが。しかしレッドフォード、老けたなあ。

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ジャングル・ブック [映画]

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■2016/8/11鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年89本目の洋画47本目。

■『ジャングル・ブック』自体は知っていたけど、昔のことなので記憶は曖昧。父を亡くしジャングルに置き去られた遺児・モーグリ(ニール・セディ)。黒豹バギーラに救われて以降、モーグリは狼社会のひとりとして育てられることになる。狼社会の長・バギーラと母親がわりのラクシャに育てられるが、ある時に人間に恨みを抱く虎、シア・カーンが現れモーグリの排除を狼社会に要請する。それを拒否した狼社会の長・パギーラはシア・カーンに殺され、人間社会に行く途中だったモーグリはそれを知り、ジャングルに戻りシア・カーンと対峙する。

■この映画はまあ子供向けなので、最初は観るつもりはなかったのだけど、監督がジョン・ファブローなので観ることにした。大ヒット映画『アイアンマン』の監督さんなんだけど、次作のオファーを断り自分のやりたい企画だった『シェフ 三つ星フードトラック始めました』を撮って、しかもそれが大変面白かったという。そしてその次作が大メジャーのディズニーという、一筋縄では行かない監督さんです。

■モーグリ以外の登場人物、というか動物はすべてCGらしい。背景のジャングルはどこまで実写かどうかは素人のオレは分からないのだけど、CG/VFXの進化には驚くばかり。今思うと『スター・ウォーズ/ファントム・メナス』の、史上初のフルCGの登場人物、ジャージャー・ピングスがなんかお笑いに見えてしまう。時代が違うのでバカにしている訳ではございません。CGの進化には驚くばかりでした。

■もう夏も終わりつつありますが、お子様連れでも大人だけでも十分楽しめる映画だと思います。ただ個人的には生身の登場人物が多いほうがいいんですけど。あとこの映画、字幕版で観るのを強く薦めます。ベン・キングズレー、スカーレット・ヨハンソン、そしてクリストファー・ウォーケンの台詞が深く心に刻まれます。

■前から思ってるけど、子供向け洋画と言っても、字幕版の上映ももっと増やすべきかと。子供のヒアリングの勉強にもなるしね。効果は責任持てませんけど。


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秘密 THE TOP SECRET [映画]

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■2016/8/07鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年88本目の邦画42本目。ずっと注目している大友啓史監督作なので観ることにした。ジャニーズの生田斗真が主演なので、例によってネット上のポスターには主演なのに写ってません。もういい加減止めたらとまた思います。

■原作は清水玲子さんという方の同名漫画。もちろん未読。近未来の日本、死者の脳をスキャンすることによって犯人を突き止めるという捜査方法を使う警察庁の科捜研第九研究室、通称「第九」。そこの室長、薪剛(生田斗真)に評価され抜擢されたキャリア警察官・青木(岡田将生)が着任したところから話が始まる。世論の反対から第九は正式な組織としては認知されていなかった。しかも以前、薪は「第九」を創設した同僚・鈴木(松坂桃李)を失っていた。それは猟奇的殺人犯・貝沼(吉川晃司)の脳内をスキャンしたことがきっかけだった。そして、家族を殺した死刑囚・露口(椎名桔平)の脳をスキャンした結果、死んだはずの露口の娘・絹子(織田梨沙)の存在が浮かび上がる。

■さすがにミステリなので、ネタバレはしないようにこの辺で止めておきますが、強烈なビジュアライズとストーリー展開でそこそこ楽しめはした。ただ話の展開がちと強引すぎたような。「いろんなジャンルの映画を撮りたい」と言ってる大友監督なんだけど、基本的には活劇が向いているような。

■一番残念なのはキーになる絹子役の織田梨沙。新人さんらしいので仕方ないとは思うけど、芝居が下手すぎる。役柄的には同世代の二階堂ふみの方がピッタリハマったのではないかな。脱ぎがあるので、仮にオファーしてたとしても事務所が受けてたかは分かんないけど。大友監督は自らオーディションで織田梨沙を選んだらしいので賞賛してるが、この映画の一番の失敗でしょ。

■結果、初週の興収6位と大友監督らしからぬ結果になったみたい。しかしこの映画もSFではありながらシリアルキラーものなのでそれもやむなしかな。大友監督の次作『ミュージアム』もシリアルキラーものらしいのでちと心配。でも、興収云々より、シリアルキラーものが興収1位になったらそれはそれでヤバイと思うんだよね。

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シン・ゴジラ [映画]

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■2016/7/30鑑賞@109シネマズ川崎。色々迷った上で初見はIMAXで。今年87本目の邦画41本目。

■この映画については基本ベタ褒めで行きます。これも年末に困るかもしれませんが、現時点では今年の邦画No.1です。ただし表現的にはひどいことも書きますしネタバレもありますので、そのへんはご容赦頂ければと思います。そしてたぶん長文です。

■今作を観るのには迷いがあった。まず、今作の樋口真嗣監督の昨年の作品『進撃の巨人』2部作は世紀の駄作だったというのが大きい。庵野秀明総監督に関しては、新旧の『ヱヴァンゲリヲン』シリーズには絶対の信頼を置いているが、実は『ラブ&ポップ』『式日』『キューティーハニー』という実写作品はまったく未見だったので。でも、新『ヱヴァ』4部作も庵野秀明の役割は総監督だったので、『シン・ゴジラ』にも庵野監督の作家性は反映されてるはずだし、もしダメだったら貶せばいいやという感じで観ることにした。

■この映画も『スター・ウォーズ フォースの覚醒』なみに公開前にはストーリーは分からないと言う程にメディアには緘口令が敷かれたようだし、試写会もかなり少なかったらしい。でも蓋を開けてみれば、『ゴジラ』シリーズで何回も繰り返しているような、初回『ゴジラ』のリブート作品だった。なので2年前のハリウッド作品『GODZILLA』とは何の整合性もありません。東京湾に未確認大型生物が現れ、大田区の呑川から蒲田に上陸し破壊の限りを尽くしたあと、東京湾に退避し、再度巨大化して鎌倉から上陸して首都圏を攻める「ゴジラ」と、対峙する日本政府の話です。ああ簡単。

■まず映像が素晴らしくいい。日本映画でのゴジラは今まで着ぐるみだったけど、今回は初のフルCG。しかも動作は狂言師の野村萬斎のモーションキャプチャーであることが公開日に発表された。正直、狂言には詳しくないので、野村萬斎の所作がどれだけゴジラを印象強くしていたかは分からないのだけど。CGと、ミニチュアなどを効果的に使用した特撮との組み合わせはまったく齟齬がない。現時点で言うと日本の特撮の頂点だろう。樋口さん、お願いですからこれからは特撮に専念して。

■ストーリー的には、怪獣映画と言うよりポリティカル・サスペンスの映画です。もちろん前述の通りゴジラの映像には凄まじく迫力があるので、怪獣映画的な面もあるのですが、日本政府の対応会議シーンが面白いけど結構長い。子供連れで行くと、正直子供は途中で寝てしまう危険があります。なので、今作は全く大人向けのゴジラです。

■「ポリティカル・サスペンス」なので題材的にはかなりきわどい。ゴジラの出現は東日本大震災とそれに伴う福島原発事故を想起させるし、米軍や国連への協力要請は日米安保条約の境目を考えさせる。なので、映画公開後のコメントは「反核映画だ」「法律的におかしい」「自衛隊が協力しているので安倍政権に利用されているのではないか」「ゴジラが熱放射線を吐くシーンを見て福島の被災民はどう思うのか」などなど、右左乱れて悪い意味での百花繚乱の意見が噴出。以下は想像だけど、これだけ力技の脚本を書くのに、庵野総監督とスタッフはあらゆる可能性を想定して労力を掛けて裏取りはやっているはず。ジブリもそうだしね。その上で、好きに解釈しろと放り投げているはずです、絶対。だからこの映画を評価するのならイデオロギーではなくて「面白い」「つまらない」で語るべきです。

■役者と演出方法について。メインキャストは内閣官房副長官・矢口蘭童(長谷川博己)と、先輩格で現実的な判断をする総理大臣補佐官・赤坂秀樹(竹野内豊)、そして米国大統領特使の日系三世、カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)。長谷川と石原は樋口真嗣監督の前作『進撃の巨人』に続いてだけど、演技と存在感が全く違う。おそらくは、生身の人間を演出することにまったく興味がないであろう樋口真嗣監督から、庵野秀明総監督に代わっただけで俳優さんはこんなに輝くのかと驚愕。あと、総勢328人(+野村萬斎)というメチャ多いキャストなんだけど、カメオ出演に近いキャスト(前田敦子とか)もいれば、対策チーム「巨災対」のメンバーは登場時間も多い上に日本の脇役オールスターズです。市川実日子、高橋一生、津田寛治、野間口徹などなど。特にはぐれものの科学者役の映画監督・塚本晋也の存在感たるや。

■演出的には、登場人物や状況を明朝体(現在の明朝体より古い感じがする)のテロップで処理するところ(まあ329人だしね)や、人物の顔のアップが多く短いカットで頻繁に切り替わったり、登場人物がみんな早口で説明的な台詞で話が進むところとかは、現在の一般的な映画ではあまり好まれていない(少なくともオレは)と思うのだけど、この圧倒的な情報量に麻痺してしまうところが庵野流かなと。たぶん個々を立たせたくないのだろう。

■個人的な印象では、最初の総理大臣(大杉漣)の無能さと愚鈍そうに見えるが懐の深い総理大臣代理(平泉成)の対比と、市川実日子の実直さ、そして難しい役だし批判もあるらしいけど、それをクリアした上で庵野映画における「エロアイコン」の役割をきっちりこなした石原さとみを賞賛したい。

■書き忘れてた。劇伴がすごくいい。メインの劇伴は『ヱヴァンゲリヲン』と同じ鷺巣詩郎さんだけど、エヴァの戦闘シーンで使われている楽曲『DECISIVE BATTLE』(ティンパニから始まるやつ。この曲は本広克行監督の『踊る大捜査線』シリーズにも許諾をとった上で使われている)が今作の会議シーンでも頻繁に使われている。そして、元祖『ゴジラ』の伊福部昭さんの『ゴジラのテーマ』と、後半の戦闘シーンの『怪獣大戦争マーチ』がすごすぎる。伊福部さんが偉大な作曲家だったというのを確認しました。

■ああ、面白かった。実はこの映画、初回の土曜日(IMAX)から日曜日(2D)そして月曜日のレイトショー(MX4D)とすでに3回観てます。バカか。これからも観るかも。

■超オススメですが、お子様連れ(たぶん寝ます)や、『ヱヴァンゲリヲン』がダメだった人にはお薦めできません。庵野プロトコル満載ですので。庵野監督作品を一度も観たことがない方は、ダメ元でトライしてみてください。もっと倍くらい書きたいこと(ゴジラの造形とか列車爆弾とか)はありますが、現時点でかなりまとまりのないエントリになっているので、この辺にしておきます。

■おまけ1。ウチの割合近所の武蔵小杉駅周辺が破壊され、丸子橋が完全破壊されたのは近隣住民としては痛快だったのだけど、下丸子近辺の住民としては、ガス橋を破壊してキヤノン本社を倒壊させる方が楽しかったかも。すいません地元民のエゴです。

■おまけ2。映画の中での政府内では、アメリカを「米国」と常に呼んでいたのだけど、あれ本当ですか? 中の人か近い人教えてプリーズ。

■おまけ3。庵野秀明監督の前作は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』だが、同作の初週の興収と比較すると、『シン・ゴジラ』は55.2%だってさ。知り合いはかなりの比率で観てるのに、恐るべしヱヴァンゲリヲン、というかアニメファン。

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