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ヘイトフル・エイト [映画]

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■2016/2/27鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年23本目の洋画17本目。

■タラちゃんことクエンティン・タランティーノ監督の8作目、らしい。製作前に脚本が流出して企画が一時頓挫したといういわくつきの作品。ま、そんなことは関係なくてタラちゃん好きは観るんだよね。前作『ジャンゴ 繋がれざる者』に続く西部劇で、美術監督は『キル・ビル』以来の種田陽平さん。しかし上映時間が168分とまた3時間近いので、少しどうかなと思いつつ観た。

■南北戦争後のアメリカ・ワイオミング。賞金稼ぎで元北軍少佐のマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、捉えた犯罪者の3遺体をレッドロックまで輸送していたが、馬が死に極寒の中で立ち往生する。そこへ通りかかった駅馬車に乗せてもらおうとするが、その馬車は同じく賞金稼ぎ・ルース(カート・ラッセル)が貸し切りにしていた。マーキスはルースと交渉して乗せてもらうが、そこにはルースが生きたまま連行しようとしたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)も同乗していた。

■その後途中で新任保安官と名乗る男マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)を乗せるが吹雪がひどく、途中の「ミニーの店」という紳士洋品店(には見えなかったけど)に立ち寄る。以前からいた者も含めて合計9人の夜が始まる。あれ?8人じゃない、と思ったが、その辺はけっこう大雑把みたいで。

■そこから先は、前半のゆったりした流れと違って嘘のまた嘘、というおそらく誰も善人がいない状態での殺し合いが始まる訳ですね。毎度おなじみタラちゃん節炸裂で、ハラハラドキドキするという娯楽映画の源流を体感できます。宣伝では「密室ミステリー」という触れ込みだが、確かにそういう要素はあるものの結構雑だったりとか、ミステリーでは禁じ手の後出しジャンケンとかがあったりして、本格ミステリー好きの方々は怒り出しそうだけど、そんなことはどうでもいい。単にタランティーノが撮りたい映画を好きなストーリーで作っただけの話です。

■その辺は、本国なのか日本かは分からないけど、宣伝スタッフがまたミスリードした感はあるが、良くも悪くもタランティーノの映画は基本的に好きな人しか観ないので、影響は軽微かと。

■R18+指定になっている理由は、もちろん頭を銃で吹っ飛ばすなどのバイオレンスシーンが主な理由だと思ったが、事前に「全裸が描写されている」という話で観ていたら、全裸は全裸でも男じゃねーか!しかも局部にボカしやモザイク掛けてないし!これいいの?って感じでした。取り乱して失礼いたしました。

■タラちゃん好きな人はぜひご覧ください。ちょっとだけ長過ぎる気もするけど。あと、アカデミー賞で助演女優賞のジェニファー・ジェイソン・リーさんは受賞ならなかったものの、作曲賞でエンリオ・モリコーネ御大が受賞されたのは素晴らしい。キャリアは長いのに初受賞だってね。カート・ラッセル観たのは、ヘタしたら『バックドラフト』以来かも。


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女が眠る時 [映画]

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■2016/2/27鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年22本目の邦画6本目。いわくありげな予告編だったので観ることにした。ウェイン・ワン監督作は初見。著名な監督さんだそうだけど存じ上げませんでした。

■夏の伊豆近辺(おそらく)。1週間の休暇を取りリゾートホテルに滞在する小説家・清水(西島秀俊)と妻の編集者・綾(小山田サユリ)。作家としてスランプの清水は、秋に小説を諦め就職することにもなっていて、気分は冴えない。ある時昼のプールサイドで、若い女・美樹(忽那汐里)と、美樹にサンオイルを塗っている父親とも思えない初老の男・佐原(ビートたけし)に興味を持つ。

■清水は佐原や美樹とも会話を交わすようになるが、彼らへの興味はエスカレートしていき、尾行、覗き見、そして外出時に部屋へ侵入にまで至る。尾行途中で辿り着いた怪しげな店の店主(リリー・フランキー)にも意味ありげな情報を伝えられ。

■話の筋がいまいちよく分からないし、清水が観る映像が現実なのか妄想なのかの区別がつきづらく、まあかなりの人はイライラする映画だと思う。オレも結構そうだったのだけど、なぜか最後まで映画から目を外すことが出来なかった。でも何だか引っかかる。もちろん制作側は、観客に理解できる要素を意識的に制限しているのだろうけど。

■俳優陣は、たけしはさすがだし、西島秀俊はファンの女性からは「こんな変な役イヤだ」という声が上がりそうだけど、イケメンだけど粘着質なところもあるので(見た目ね)、こういう役は結構合っていると思う。忽那汐里は期待したほどエロくなかった。ま、この映画は忽那汐里がエロ過ぎたらバランスが崩れるような気もするけど。あとリリーさんと刑事役で出た新井浩文。この人たちは最近公開される邦画の半分以上に出演してるんじゃないか。まあいいけど、リリーさんなんてもう本業役者でしょ。

■再度観てもストーリーを完全に把握できる自信はなかったが、ツイッターの書き込みで、あ、こういう話でこういうオチかと納得できるのがあった。無粋になるのでその内容は書きません。

■という訳で、特に強くお薦めはしませんが、やはりどこか引っかかる映画でした。久々に夏の伊豆に行きたいな。

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ナイトクローラー [映画]

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■2016/2/21鑑賞@キネカ大森。今年21本目の洋画16本目。実はこの映画、昨年の公開時にぜひ観たかったのだけど、ポスターにある「全米No.1」の割に上映館が少なかったので観逃してしまった。しかもコピーの「アカデミー賞脚本賞ノミネート」でも、昨年のアカデミー賞では結局獲れなかったし。しかし恐るべき映画です。

■LAで金属のコソ泥で生計を立てているルイス(ジェイク・ギレンホール)は学歴も職歴もないが、プライドが妙に高く弁の立つ男。ある夜、交通事故の現場に出くわしたルイスは、その事故現場を撮影してTV局に売るいわゆる「パパラッチ」の存在を知り、自分でもできそうだと盗みを働いてそれで撮影機材を手に入れ、警察無線を傍聴して事故現場に急行し撮影に成功。それをLAのTV局のディレクター・ニーナ(レネ・ルッソ)に売り込み初の仕事を成功させる。

■その後も天性の勘でスクープ映像を撮り、ニーナの信頼を得るようになるが、それには飽きたらずルイスは、ジャーナリストとしては許されない事故現場の改変にまで至る。そしてある大規模殺人事件が起きて、という話です。

■いわゆるパパラッチものの映画ですが、とにかく主演のジェイク・ギレンホールの顔が凄くてそれだけで芝居の9割をやっているのではないかという印象。実はこの人の出ている映画は、これより後の『エベレスト 3D』しか観たことがない。しかもその時はそれほど狂気を孕んだ顔付きではなかったし、後で減量も含めての顔の役作りをしたと知りました。

■ルイスが徹底的に人間のクズ、というのが凄い。目的達成のためには他人の感情はおろか、安否まで完全に無視する、いわゆるサイコパスです。なので主人公にまったく感情移入できないのに最後まで観せてしまうこの映画の力は凄い。

■結末は伏せますが、多くの方が望んだものではないでしょう。映画化に関しては、実際の報道現場をかなりカリカチュアライズしていると思うので、事実ではないだろうけど、例えば現在の日本のTV局のニュース番組では、昔はフリーランスの映像を使用していたことはあまりなかったように思う(素人ですので間違ってたらすいません)。でも現在では、事故現場の映像を「視聴者提供」というクレジットで、おそらくはスマホで撮ったであろう粗い映像が結構使われているのを考えると、このフィクションと地続きでは、とも思う。

■イヤな気持ちになる人もいるかもしれないけど、必見です。昨年観てたら洋画ベスト5にはたぶん入っていたかな。


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天使が消えた街 [映画]

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■2016/2/21鑑賞@キネカ大森。今年20本目の洋画15本目。

■正直言うと、併映の『ナイトクローラー』を観たかったのでついでに観た感じ。公開時にもオレの狭いアンテナにはまったく引っかかってこなかった。監督も役者さんもまったく知らないし。でも、2007年のイタリア・シエナで起こった女子留学生殺人事件が発想の元になっているとのこと。イタリアは、20年以上前に人生で一回だけ出張で行ったことがある。でもその時の滞在はミラノだけで、ローマもシエナも行ったことがない。なので懐かしさとかは別にないが、実話ベースなのでクライムムービーかと思ったら違いました。

映画監督のトーマス・ラング(ダニエル・ブリュール)は、2011年に、公判中の2007年のその殺人事件を映画化すべくイタリアに来る。留学生のジェシカが、ルームメイトエリザベス殺害容疑で、彼氏のバー経営者と共に逮捕される。ラングは個人的に調査を始めるが、その途中でプレッシャーのあまりドラッグを吸引したりとか迷路に落ちる。

■監督の意図は分からないでもないけど、謎解きもされないで主人公の話に寄り添っていく覚悟はオレにはないです。モヤモヤな日常を描こうと思ったことは分かるけど。結果的に崖っぷちの映画監督が身を持ち崩していく話にしか見えません。

■こういう映画が好きという方はいらっしゃると思うけど、お薦めしません。

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トキワ荘の青春 [映画]

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■2016/2/20鑑賞@目黒シネマ。今年19本目の邦画5本目。大根仁監督の『バクマン。』と同時上映で、しかも『バクマン。』を観るにあたっての大根監督のセレクションということで。

■市川準監督作は初見。CMディレクターとして著名な方で、映画製作に進出されて良い評価を受けているということくらいは知っていたが、いつか観よう、と思っているうちに早逝されてしまった。そして『バクマン。』にはこの映画へのオマージュが複数あるということもあって観ることにした。

■舞台は昭和の漫画少年ならご存知の「トキワ荘」。手塚治虫が仕事場として借りていて、手塚が去ったあとも有能な漫画家志望の青年たちが入居し漫画を創っていたというアパート。色々取り上げられているので、20〜30代の人は分からないけど我々世代では馴染みのある話だと思う。

■主人公は漫画家の寺田ヒロオ(本木雅弘)。藤子不二雄の『まんが道』を読んだことのある人は知っていると思うけど、当時の児童漫画中心の人気漫画家。ただ、オレが漫画を読み始めた時期はそれよりだいぶ後なので、リアルタイムで読んだことはなくて、後から復刻版を少し読んだ程度です。

■そこに、後に人気漫画家となる藤子不二雄A(鈴木卓爾)や藤子・F・不二雄(阿部サダヲ)、石森章太郎(さとうこうじ)、赤塚不二夫(大森嘉之)が集まってくる。その他、アニメーターに転じた鈴木伸一(生瀬勝久)や、結果売れなかった森安直哉(古田新太)など、今考えると超売れっ子もかなり含まれていたりして。いや、芸能界って厳しいですね。

■映画は予算の理由もあってか、「トキワ荘」とその周辺の映像が中心で、当時は普及してなかったCGもVFXもあまり使われていない。古い劇伴と昔の写真中心の演出は仕方がないのかな。でも面白かったです。何より残酷なところ。後輩たちは時流の波に乗ってガンガン売れていくのに、不器用な寺田ヒロオは波に乗れなかったことを暗示してるし。結構キビシイ映画です。

■しかしこの時代の漫画家さんは、自分が夢中になって読んでたことを棚に上げると、まさにブラック労働です。週刊連載の掛け持ちとかが当たり前だったらしいし。証拠としては、前述した登場人物の著名漫画家さんの中でご健在なのは藤子不二雄Aさん(アニメーターとしては鈴木伸一さんも)だけで、後は結構若くして亡くなられている。現在は適度な休載とかでカバーされてるみたいだけど。

■おまけ。映画本編の感想とは関係ないけど、大根仁監督『バクマン。』はこの映画からのオマージュがかなりあるとか。オレが観て確認できたのは、最年長アシスタントの皆川猿時が「ボクがここでは最年長だからテラさん!」というところと「キャベツ炒め」。あとペンを走らせる擬音。大根監督の話だともっとあるらしいので、興味を持たれた方は映像で確認を。

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X−ミッション [映画]

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■2016/2/20鑑賞@109シネマズ川崎。今年18本目の洋画14本目。予告編で観たアクションが凄かったので観ることにした。スタントも含めCGなしの全実写という触れ込みだけど、どうなんだろう。

■1991年の、パトリック・スウェイジ&キアヌ・リーブスの出演した映画『ハートブルー』のリメイクだそうです。当時そういう映画が上映されていたのは何となく記憶に残っているが、実際には観てないのでその辺の感慨は特にない。ただ主演二人の役名が同じようなので、ま、リメイクなんだろうなと。

■かつてエクストリーム・スポーツのアスリートであったジョニー・ユタ(ルーク・ブレイシー)は友人の事故死を機にアスリートを辞め、FBIの新米捜査官になる。謎のエクストリーム・スポーツ集団が通常ではありえない犯罪を行っているのを知り、ユタはその集団への潜入捜査を願い出る。近づくために十数年に一度の大波の場所にサーフィンで挑むが失敗し、ユタを救ったのはその集団のヘッド・ボーディ(エドガー・ラミレス)だった。ボーディにチームに入るのを許されたユタは、彼との友情も感じるようになるが、ボーディが率いるチームには犯罪の裏にある目的があった。

■映像はもの凄い迫力で、オレみたいなパンピーは一生出会えないような映像の数々。凄くて腰が抜けまくりだし、世界中の大自然の映像にも魅了される。まあ正直、「この映画本当にCGなしなの?」と疑ってしまうところはあるけど。

■映像的には面白いがストーリーがちょっと。オリジナルを観ていないので何とも言えないが、(以下ネタバレですいません)ボーディたちの目的が地球環境保護っていうところで少し萎えてしまった。もちろん環境保護が大事なのは言うまでもないけど、こんな針を振りきった野郎どもの目的がそれだとちとクレイジーさに欠ける。もっと娯楽作に徹して欲しかったかなと。

■でも映像は本当にダイナミックなので、お好きな方は満足されると思います。ただ、前作の『ハートブルー』と今作の原題は同じ『Point Break』。当時も現代の日本の宣伝スタッフも、良かれと思ってつけた邦題なんだろうけど、四半世紀進歩してないなあとも。

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ドラゴン・ブレイド [映画]

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■2016/2/14鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年17本目の洋画(じゃなくて邦画以外)13本目。何となく観た。ジャッキー・チェン主演の映画は毎回観ているわけではないが、そうそう外れがないのでたまに観る程度。3年前になぜか那覇で観た『ライジング・ドラゴン』以来。でもその時のコピーは「ジャッキー最後のアクション超大作」だったはず。今作でも結構なアクションは披露しておられる。これ「やめるやめる詐欺」か? と言いたくもなるが、ショービズとはまあそんなもんでしょう。

■ジャッキーの映画はだいたいアクション主体だという先入観があるので、特に下調べをしないまま臨んだのですが、何と紀元前50年頃、中国では「前漢」の時代の話で、ローマ帝国軍がシルクロードに進行してきた史実がベースだとか。ただ「史実」という触れ込みだけど伝説的な話のようなので、オレの中での信頼度では「キリストの墓が青森にある」という都市伝説と同格程度でしかない。でもまあ、映画が面白ければいいのです。

■西域警備隊の隊長、フォ・アン(ジャッキー)は陰謀にはめられ、隊とともに辺境の関所「雁門関」に送られてしまう。そこにローマ帝国の内政争いで、正統の後継者、ブブリウスを守るべく東に逃れてきたローマの将軍ルシウス(ジョン・キューザック)は雁門関の奪取を目論むが、砂嵐からの避難に協力したことなどで、フォ・アンとの友情を深めていく。しかし執政官の長男・ティベリウス(エイドリアン・ブロディ)が率いる軍がルシウスたちを追い詰めていく。

■説明が必要なあらすじなので、多少長くなりまして申し訳ございません。しかし、観てた時点で思ったけど突っ込みどころ多過ぎ。まずローマの将軍のルシウスが英語しゃべってるし。たぶんその時代ではまだ英語成立してねえし、話すなら現代で言えばイタリア語だろ。しかもフォ・アンが片言ながら英語話してるし。でもまあ、こういうツッコミは無粋なんだろうね。だいたい「史実に基づいている」という宣伝文句が怪しいし。ただオレが浅学なだけかも知れないので、ご存知の方はご教授ください。

■普通に面白いので料金分の価値はあると思います。ただ映画のHPの「制作日数7年、制作費が中国語映画史上最高の80億円」っていうのが微妙。そこまで大金か? もちろん邦画だと制作費80億円っていうのは結構「びっくりぽん」だと思いますが。NHKが流行らそうと思ってイマイチ流行ってないフレーズで締めてみました。もちろんドラマ自体は大流行りですが。

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ザ・ガンマン [映画]

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■2016/2/14鑑賞@チネチッタ。今年16本目の洋画12本目。この映画は当初は観るつもりはなかったのだが、ベイマックス(仮)先輩が「公開館は少ないけど、マッチョなショーン・ペンが頑張ってて結構面白いよ」と仰ったので観ることにした。予備知識はそれだけで特に調べもせず、タイトルが『ザ・ガンマン』なので西部劇なのかなと思って観たら違っていた。だって現代劇でガンマン、っていまどき言わないでしょ。

■ということで現代劇でした。アフリカ・コンゴ。傭兵会社の特殊部隊の狙撃手・ジム(ショーン・ペン)はコンゴの鉱業大臣暗殺の命を受け遂行する。連絡役のフェリックス(ハピエル・バルデム)の指示によりその後、身分を偽って交際していたアニー(ジャスミン・トリンカ)を置いて国外に去る。8年後、罪の意識からか再びコンゴでボランティアとして働くジムを何者かが襲撃する。危うく難を逃れたジムは、ロンドンに戻り敵は誰かを探り始める。

■名優、ショーン・ペン大先生がマッチョすぎていったい今何歳なのかと調べてみたら、55歳だって。そりゃまあスタローンやシュワちゃんなど、もっと年嵩でムキムキの俳優さんはいるが、何だか鍛えすぎという感もある。最初に敵に見えるがなぜか小物感の漂うハピエル・パルデム。何と『007 スカイフォール』でMI6やMを逆恨みしたシルヴァじゃないですか。

■実はラスボスというか真の敵は他にいた訳です。さすがにネタバレが過ぎるので役名は伏せますが、演じるのは最近観た『ブリッジ・オブ・スパイ』で母国に忠誠を誓う実直なスパイ・アベルを演じた、マーク・ライランスではないですか! あの信念を貫く男がここまでのゲス野郎になるとは。役者さんって本当に凄いな。

■あまり色々考えないで楽しめる映画だと思います。共同脚本を手掛けるまでに肩入れしたショーン・ペンの熱量がちょっとだけ空回りしている感もありますが、前述のとおり俳優さんはスゴイな、と思える映画です。

スティーブ・ジョブズ [映画]

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■2016/2/14鑑賞@チネチッタ。今年15本目の洋画11本目。こちらも今年のアカデミー賞にいくつか部門ノミネートされている。

■わたくしにとって最初のPCとの出会いはアップル。まだMacintoshが出る前に金持ちの中学の同級生の家でApple IIを触らせて貰ったのが最初だった。その後WindowsというかDOS/Vの親玉のメーカーに結構長い期間勤務していたのだけど、プライベートでMacを持ってなかった時間はゼロというくらいMac Loverだったのです。この辺は2013年11月、ジョブズ逝去後2年経って作られた映画『スティーブ・ジョブズ』の感想と少しダブります。ジョブズの伝記的な映画だったけど、何か少しモヤモヤした。共同創業者のウォズニアックの評価もあまり良くなかったみたいだし。

■で、今作は、ジョブズの没後すぐの2011年刊のウォルター・アイザックソンのノンフィクション「スティーブ・ジョブズ」が原案だそうなので、また伝記的な映画かなと思っていたのだけど、観てびっくり、全然違っていた。

■伝記というよりむしろ舞台劇です。オチは皆様御存知だと思うのでネタバレではないと思いますが、ジョブズの生き様を辿るというより、印象が強い3つの舞台にフォーカスを当てている。ジョブズの岐路になった3つのプレゼン。「Macintosh」「NEXT」「iMac」というね。

■しかもあの有名なジョブズのプレゼンの本番ではなく、リハーサルの舞台裏が主体で場所が限られているところが本当に舞台的。ジョブズ(マイケル・ファズベンダー)とともにアップルを創業したウォズニアック(セス・ローゲン)。ジョブズの片腕のマーケティング担当ジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)と、ジョブズに請われてアップルのCEOになったが、後にジョブズをアップルから追放したジョン・スカリー(ジェフ・ダニエルズ)。そしてジョブズの昔のガールフレンド・クリスアンとその娘でジョブズの実の娘・リサ。と、限られた主要な登場人物で話は展開していく。

■この映画を観ようと思った人でアップルにあまり興味のない人は少数派だと思うけど、この映画からジョブズやアップルがいかに凄かったかというのを実感するのは難しい。でもいいのです。これは原案ノンフィクションを大胆に翻案して再構成した、脚本のアーロン・ソーキン(『ソーシャル・ネットワーク』など)が凄いとしか言えない。興奮する出来でした。翻案と言いながらも、原案ノンフィクションに出てくる「現実歪曲フィールド」なんて単語もよく出てくるし。IT好きの人はもっと楽しめるかも。主演のマイケル・ファズベンダーの、無理にジョブズに似せようとしていなくて結果的にジョブズになりきってる演技も秀逸。主演男優賞あるかもね。

■映画の出来とは関係ないので以下はおまけ。この登場人物のなかでオレが実際に会った、というか席を同じくした人物がひとりだけいる。ジョン・スカリー。20年以上前、当時勤めていた某家電メーカーに、当時アップルのCEOだったスカリーが社長に面談に来たことがあり、その時にペーペーの担当としてデモ機の操作をした訳です。なので勝手な親近感が。

■その面談とデモの結果、どういうビジネスになったかは関係のないことなので省きます。印象に残ったのは、スカリー様ご一行は「飲み物は?」と聞かれ「ミネラルウォーターを」と答えた。彼らが帰った後、社長は、末端のオレを含めたスタッフに対し「水しか飲まない。敵の施しを受けんとはこういうことだ。お前らもビジネスにはこのくらいの厳しさを持って臨め!」と宣われました。

■「それ、違うと思うんですけど・・・」とは言い出せませんでした。ちゃんちゃん。

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ハッピーアワー [映画]

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■2016/2/13鑑賞@シアターイメージフォーラム。今年14本目の邦画4本目。

■濱口竜介監督は存じ上げぬ方だし、キャストにも見覚えがない(実際観てもやっぱり分からなかった)。しかも上映時間は5時間17分という超長尺。上映館で2回転できねーよ! 料金はさすがに1,800円ではなくて、3部構成の通し券で3,900円という映画2回分+αだったけど。そんな常識破りの映画が昨年のキネ旬日本映画ベスト・テンで驚きの5位。演技経験のない主演女優4人がロカルノ国際映画祭で最優秀主演女優賞を受賞。しかも観に行った先輩二人とも大絶賛。これは観ておかないと損な気がして、一日潰す覚悟で渋谷のシアター・イメージフォーラムに赴いた。いつも映画で一日潰してるじゃねえか、という反論は受け付けません。

■「ハッピーアワー」というと、一般的には、飲み屋で夕刻の早い時間帯にアルコール類が割引になるということになりますが、何の関係もありません。舞台は神戸。仕事も家庭環境も異なる30代後半の女性4人(田中幸恵・菊池葉月・三原麻衣子・川村りら)の話。これだけだとよく分からない話だろうけど、いつもと違いあらすじは書きません。5時間17分という尺で特に事件も起こらないと映画自体が持つ訳もなく、脚本はちゃんとしているどころかむしろ素晴らしい。でもあらすじをさらっと書いて、「ああそういう話ね」と取られるのは何だか映画に失礼な気がして。観られる方は長い時間を費やしてこの映画そのものを体験して欲しい。

■なので、以下断片的な印象を連ねます。

■最初のほうはこの映画の中での時間の流れに慣れなくて、「何でこの無駄なシークエンスがだらだら続くのか?」とか思ったりもしていた。しかし観ているうちにどんどん引き込まれてきて、結局最後では無駄なシークエンスはほとんどなかったのだ、という結論に達する。もちろん普通の2時間強の映画ではばっさりカットされているシーンがほとんどだろうが、この映画ではそれはアリです。

■主演の4人と他の俳優さんも演技が硬いところがあるが、それが逆にリアリティを生んでいるのは演出の妙だろう。この映画ももともと神戸のワークショップから生まれたものらしい。そういう意味では、同じく昨年のキネ旬日本映画ベスト・テン1位の『恋人たち』と出自は似ている。ただあちらはオレ的には苦手だったけど、この映画はその辺がプラスになっていると思う。

■神戸を丁寧に描いたカメラの構図は、特に斬新なものはないけれど、すごく神戸という街を魅力的に映し出している。すいません神戸に滞在したのは人生で一回だけなのでアレですが。最初のケーブルカーのシーンとかね。同じく神戸が舞台の『繕い裁つ人』の紋切型の構図とは比較にならないくらいいい。これも神戸のワークショップ発ということが効いているのかも。

■主演女優4人が、今後本格的に女優の仕事を続けていくかどうかは存じ上げませんが、特に桜子役の菊池葉月さんが良かったので、今後も活躍していただきたいと願う次第でございます。

■うまくノレさえすれば、まさに幸せな5時間17分になると思います。もちろん全ての映画がこのスタイルになったらそれはそれで困りますが。お薦めです。劇場で観ていただきたいところですがいろんなハードルが高いので、そのうち出るであろうDVDで。この映画、キャストのギャランティはゼロに近いと思うのだけど、撮影経費はそれなりに掛かっていると思うので。余計なお世話ですがペイのために必ずDVD化されると思います。

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