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2015年、面白かった映画 [映画]

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■今年は映画を観過ぎてしまった。途中から「年間100本目標」になってしまって、実際ちょうど100本観た。若い頃ならばいいのだろうが、50を過ぎるといろいろ支障が出てくる。要は情報量に頭のキャパがついていかなくて、個々の映画に対するインプレッションが浅くなってしまうということ。複数回観ている分も含めると、今年は累計117本映画を観たことになる。

■という訳で今年の洋画と邦画の面白かった映画各5本ずつ。例年はリンク参照のみで、このエントリではコメントを書いてないですが、今年はすこしコメントをつけようと思います。詳細な感想はリンク先で。基本順不同ですが、例外はコメントにて。

■まずは洋画から。
『アメリカン・スナイパー』
『バードマン、あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
『セッション』
『コードネーム U.N.C.L.E.』
『スター・ウォーズ フォースの覚醒』

■上半期の日本公開作品にかなり濃いのが寄ってしまったので、前から3作は固定だったかも。そりゃSWは当然のように入りますが、『コードネーム U.N.C.L.E.』以外にも『007 スペクター』『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』『キングスマン』とスパイ映画も集中しどれも面白かったのだけど、その中で敢えてひとつだと『コードネーム U.N.C.L.E.』かな。

■次に邦画。
『海街diary』
『バクマン。』
『寄生獣 完結編』前編も含めて)
『きみはいい子』
『さよなら歌舞伎町』

■こちらは前から2作がダントツで、2作併せて合計11回も観てしまった(アホか)。その他の作品もしみじみするものが多かった。でももうNetflixで『さよなら歌舞伎町』配信されてるじゃん。もうBDとかDVDは買う必要なくなってるな。

■今年の更新はこれで終了です。皆様、良いお年をお迎えください。

完全なるチェックメイト [映画]

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■2015/12/26鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年100本目の洋画51本目。なんとなく今年は100本鑑賞を目的にしてはいたけど、やっぱちょっと観過ぎかなと。観るのが多過ぎると加齢で一本一本の映画の感想が薄れるのだ。でもそれは数年前からそういう兆候はあって、それで観た映画をいちいちブログに更新して後ほど自分の感想を確かめるという、人に言われるまでもなく残念な状況になっているのであった。

■閑話休題。冷戦時代のチェスの話で実話ベースらしい。チェスがテーマということでとっつきにくい人は多いと思いますがオレもそうです。たまたま幼少のころ実家にチェスのキットがあった(なんで?)ので何回かやったことはありますが、特に楽しかった記憶はない。日本でのボードゲームだと一番ポピュラーなのは将棋だと思うけど、実は将棋では生まれてから一度も勝ったことがない。自分はそんなに賢くないとは思ってはいたが、そこまでバカだとは思っていなかった。そういう敗北の記憶が埋め込まれているという前提で以降読んでいただきたいのですが、正直チェスは日本ではメジャーなボードゲームではない。なので、大体のひとは将棋に置き換えて観ていただけるとすんなり来ると思う。

■幼少時から頭角を表していたアメリカのチェスプレイヤー、ボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)だが、共産思想に染まり自分の許を離れていった母とのわだかまりもあり、ソ連のプレイヤーを異常に憎んでいた。その当時のチェスの世界チャンピオンはソ連のボリス・スパスキー(リーヴ・シュレイバー)で、紆余曲折を経てボビーがスパスキーに挑戦する機会がやってくる。

■米ソ冷戦時代の話なので、ロシアの字幕はソ連。でも英語の台詞では「ロシア」と言っている。オレくらいのアラ50が学校で受けた教育での名称はもちろんソ連。アメリカではずっとソ連時代からロシアと呼んでいて、日本だけがソ連と言っていたのだろうか。1991年にソ連が解体されてからの今となってはどうでもいいけど、ちょっと疑問が残る。

■その上、実話ベースなので真実だろうが、時のニクソン大統領やキッシンジャー長官までゲームに圧力を掛けていたというのが面白い。そういうこともありボビーの精神は徐々に崩壊していき、あらぬ妄想にとらわれて行動もおかしくなるし、ゲームを放棄してしまいそうにもなる。「天才とナントカは紙一重」ということわざ?があるけど、高度に頭脳を駆使するボードゲーム界の天才プレイヤーにはそういう人も少なからず存在する。日本の棋界でも私生活では奇行の目立つ人が時折ニュースになったりするし。もちろんまともな方が大部分だとは思うが。

■さすがにゲームの結末までは書きませんが、主人公ボビーのその後も含めて、面白いけど少し重たい映画でした。しかしトビー・マグワイアも結構いいおっさんの歳だと思うけど、相変わらずナイーブかつナーバスな役がよく似合うな。

■原題は「Pawn Sacrifice」、直訳すれば「ポーンの犠牲」という意味だけど、ポーンっていうのはチェスのひとつの駒の名称だし、かけ離れた邦題だけど直訳だと意味が通じにくいので、この邦題は仕方なしと思います。

クリード チャンプを継ぐ男 [映画]

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■2015/12/26鑑賞@チネチッタ。今年99本目の洋画50本目。かなりネタバレありなので、気になる方はパスしてください。

■我々の世代なら誰もが知っている『ロッキー』シリーズの新作。主役が異なるのでスピンオフという見方もあるようだけど、映画の中での設定は知らないが、現時点で実年齢69歳のスタローンがボクシング映画の主人公だとやっぱおかしいだろ。だいたい前作『ロッキー・ザ・ファイナル』での設定すら結構無理があったし。ここは素直に続編と考えていいのでは。

■で、原題は『CREED』だけなのにまた余計なサブタイトルがついててあーあ、とも思うが、中高年層ならともかく、若い人は『ロッキー』は知っててもライバルのフルネームが「アポロ・クリード」なんてことはほぼ知らないと思われるので仕方がないか。

■アポロが愛人に生ませた子供アドニス・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)は、生まれた時にはすでに父アポロはソ連のボクサーとのエキシビション・マッチで亡くなっていた。その後アポロの妻メアリー(フィリシア・ラシャド)に引き取られ、普通の社会人になるがボクシングへの情熱が消せないでいた。アポロを育てたジムに入門を願い出るが拒否され、職を辞してフィラデルフィアに向かい、かつての父のライバルであり盟友、ロッキー・バルボア(スタローン)に弟子入りを願い出る。当初拒否していたロッキーだが、アドニスの中の熱意を見出しトレーナーになる。

■プロ初戦を快勝したアドニスに世界タイトルマッチの話が舞い込む。現在のWBCライトヘビー級世界王者のリッキー(アンソニー・ベリュー)は無敗のチャンプだが、犯罪を犯しており近々収監される予定。プロモーターの思惑でリッキーとアドニスのタイトルマッチが組まれることになる。

■正直ネタバレしすぎて大変申し訳ございません。さすがに結末までは書きませんが、ずっと『ロッキー』シリーズを観てきた方には、「ああ、こういう結末か」てな感じになってると思います。

■プロ2戦目(その前にメキシコで15戦15勝はしてるけど)で世界王者に挑戦とか、いにしえのSFボクシング漫画『リングにかけろ』もびっくりの展開だし、話の展開はところどころアレ?というところもあるのだけど。昔からのシリーズの新作が出たところは素直に喜びたい。1作目の、生卵をビールジョッキにたくさん入れて飲むとか、フィラデルフィア美術館前の広場まで、ロッキーがランニングしていたところ多数の住民がついてきて歓喜の声をあげる、というシーンはさすがになかったけど、主人公はロッキーじゃなくてアドニスなんでそれでもいいと思う。あのメインテーマは流れてたし。

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』と同じく、昔から慣れ親しんでいたシリーズの新作には正しい判断を下せないという前提で言ってますが、面白かった。ただ、「『ロッキー』シリーズ歴代のオープニング興収新記録!」って宣伝文句には、ホントかなあと疑ってしまう。確かに1作目は無名の俳優の主演作であるにも関わらずアカデミー作品賞を獲ったので、前評判はそうでもなかったのかも。でもなんか、納得できない。

■いろいろネタバレして申し訳ございません。

THE FLASH [ドラマ]

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■ドラマの感想UPは久々。最近動画配信サービスが日本でも充実してきて、「Netflix」や「Amazonプライム・ビデオ」とかで、もうレンタルDVDは必要ないというくらいの環境になってきた。特に「Amazonプライム・ビデオ」は「Amazonプライム」の会員は無料なので、会員のオレは追加料金を払う必要がない。なので、(WOWOWにも加入してるし)そんなに動画配信サービスを沢山使っていても意味ないだろうということで断捨離を考えて、長年(でもないけど)使っていた「Hulu」を解約しようかなと思った。が、このドラマは現時点ではHuluのみの配信なので、とりあえず見てみようかと。90年代のビデオシリーズ(といっても2作)が面白かったので。そしたらハマりましたよ。全23話と2クールなので、1ヶ月ほどかけて先日見終えた次第です。

■幼い頃に母親を殺され、父はその犯人として刑務所に収監されているバリー・アレン(グラント・ガスティン)は、その事件を捜査していた刑事・ジョー(ジェシー・L・マーティン)に引き取られ、家族同様にジョーの娘・アイリス(キャンディス・パットン)と共に育ち、現在はセントラル・シティ警察の科学捜査官。

■その時、STARラボのウェルズ博士(トム・キャバナー)が粒子加速器の実験を行うがそれは失敗に終わり、バリーは雷撃を受けて意識不明に。半年後目覚めたバリーは超高速での移動能力を身につけていて「THE FLASH」となり、ウェルズ博士や部下のエンジニア・ケイトリン(ダニエル・パナベイカー)、シスコ(カルロス・バルデス)とチームとなって、バリーと同時期に発生した異能を持った「メタ・ヒューマン」などの市井の悪に立ち向かうことになる。

■漫画のようなSFドラマは面白い。というか、このドラマはもともとDCコミックス(「スーパーマン」や「バットマン」シリーズ)の漫画が原作だし。荒唐無稽な物語をいかにも科学的な考証がされているかのような雑なSF。こういうの大好き。まったく科学的な考証をしていないという訳ではないのだろうが、結構ご都合主義的なところもあるし。『ファンタスティック・フォー』と同じような匂いがする。VFXを使っているのになんだかチープな画像とか。90年代に大ハマリしていた『マックス・ヘッドルーム』にも似た感じ。

■そして面白いのは、フラッシュは超高速で動けるがそれ以外には特に強いわけではないので、敵はすぐに隙をついてくるが、ウェルズ博士、ケイトリン、シスコらの助けを借りたチームプレイで問題を解決する例がほとんど。最強のヒーローというわけではないところが楽しい。

■以下、若干のネタバレすいません。もっと凄いのが、ウェルズ博士はバリーを救ったし、STARラボの頼れる頭脳なのだけど、実はバリーの母親を殺した真犯人ということがシリーズ中盤で分かってくる。彼も高速移動能力を持つメタ・ヒューマン「リバース・フラッシュ」だったのだ。単なる勧善懲悪ものではなく、終盤まで話がどちらに転ぶかわからないスリリングな展開に緊張する。結局このドラマはシーズン2の制作が決定し、アメリカでは来年放送開始らしい。日本での配信はいつかは分からないけど。おまけに2018年の映画化まで決定しているらしいのだ。ただ、バリーのキャストは別らしいけど。何でかな。

■まあ海外ドラマにハマったのは『アリー My Love』以来(古いな)なので、Huluと契約している人にはお勧め。あとレンタルDVDもすでにあるらしいので。とは言っても、オレ自身はレンタルDVD店にとんと行かなくなってしまったが。

■おまけ。マーク・ハミルに最近モヤモヤしている件。『スター・ウォーズ フォースの覚醒』で大復活したマーク様だが、今年日本公開の『キングスマン』にもダメな大学教授の役で強い印象を残している。そしてこの『THE FLASH』にも悪役「トリックスター」でゲスト出演している。そしてなんと、90年代のビデオシリーズにも同じ「トリックスター」役で出演しているのだ。制作側は今のシリーズにもマーク様の起用を念頭に置いていたらしい。超高速で追うフラッシュをまくのに、路面に大量のビー玉を撒いて転ばせるという漫画のようなエピソードは笑ってしまったが。だから原作は漫画だっつーの。

■『フォースの覚醒』ではやっと最後のシーンで意味深な登場をしたマーク様だが、エピソード8以降の展開が楽しみ。

靴職人と魔法のミシン [映画]

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■2015/12/20鑑賞@キネカ大森。『彼は秘密の女ともだち』と同日で名画座料金で鑑賞。今年98本目の洋画49本目。

タイトルだけ読んで、下町の靴屋のハートウォーミングなドラマかと強烈に妄想したらまったく違っていた。NYで靴職人を営むマックス(アダム・サンドラー)は冴えない中年男。認知症の兆候が見えている母親と二人暮らし。父親のアブラハム(ダスティン・ホフマン)はずいぶん前に失踪していて行方知れず。マックスの店界隈には立ち退きを迫る地上げ屋が圧力を掛けている。そんな時、店のメインのミシンが壊れ、地下にある昔のミシンで客の靴を修理したら、その靴を履くと持ち主に変身できてしまうという不思議な力を発見。他人になりすまし面白がるマックスだが、最後は立ち退きを迫る黒幕と対峙することになる。

■予想と全く違う話を見せられるのは面白い。つらつら考えると話の整合性には結構無理なところがあるけど、映画ドライブ感でそれはカバーされているのかなと。主演のアダム・サンドラーのダメっぷりにも好感が持てるが、やはりダスティン・ホフマンの存在感でこの映画はかなり得をしていると思う。

■期待してなかったので結構拾い物の映画でした。今年公開の映画なんだけど、名画座以外では掛かっているところは少ないと思うのですが、すでにDVDは発売されているようなので、気になった方はひとつ。

彼は秘密の女ともだち [映画]

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■2015/12/20鑑賞@キネカ大森。名画座2本立て料金で観た。観逃していた映画も少し待てば名画座で観られるのはありがたい。今年97本目の洋画48本目。

■奇しくもあまり観ないフランス映画。予告編を観て気になっていたので観ることにしたのだが。今作のフランソワ・オゾン監督の作品はもちろん未見だし、キャストも知らない人ばかり。クレール(アナイス・ドゥムースティエ)は幼い頃からの親友・ローラ(イジルド・ル・ベスコ)を病で喪う。葬儀の場でローラの夫ダビッド(ロマン・デュリス)と娘・リュシーを守ると宣言したクレールは、ダビッドの女装に遭遇する。ダビッドはローラを喪った喪失感から、昔からあった女装癖が復活したと言うのだけど。

■テーマとしてはいわゆるLGBTの人を扱った映画です。同性を好きになる人の気持ちは多少なりとも想像できるし、女装癖はありだろうなとは思うけど実際の映像で見せられるとちょっと。LGBTの方々の立場に同感できる想像力がオレに欠如しているのは自覚してたけど、やっぱり男の女装で生まれる快感というのはまったく理解できないんですよ。映画自体もシリアスなのかコメディなのか、どっちつかずの感じで進んでいく。そういうテイストの映画が悪いという訳ではないけど、途中から娘・リュシーの存在がほぼ放っとかれる展開なのもどうかなと。

■なので、巡り合わせの悪い映画に遭遇してしまったという感じでしょうか。でも、同感はできないけど、LGBTの方々が権利を求めることには全然同意です。ポジショントークじゃないですよ。


スター・ウォーズ フォースの覚醒 [映画]

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■2015/12/19鑑賞@109シネマズ川崎。奮発してIMAX 3Dで。今年96本目の洋画47本目。今回長文になるのでご容赦ください。ただし、ネタバレはありません。

■中学三年の時にこの映画の第一作(エピソード4)は日本で公開された。兄が映画好きで「ロードショー」とか「スクリーン」(どちらも廃刊)などの雑誌をよく買っていたので、観たいと思い、たぶん公開当日ではないだろうけど地元の映画館で観た。衝撃を受けて続けて2回観た。当時は映画産業が黄金期と比べると斜陽になってたとはいえ、まだまだ余裕があったので、映画の座席指定とか入れ替えの強制とかは存在してなかった。1978年のことです。公開当時は「フォース」の字幕訳が「理力」となっていて、なかなか趣深い訳だと中学生も思ったのだが、今ではほとんど使われなくなってしまった。

■エピソード5『帝国の逆襲』が日本で公開されたのは1983年。その時実家に帰省していて、高校の同級生の女の子と映画を観に行く約束をしていたのでSWに行こうと提案したら拒否され、同時期に公開されていた『007 オクトパシー』を観に行くことになった。あ、女の子はSW好きじゃないんだと実感した時。結果、タイミングを逃して劇場で観たのは社会人になってから。

ジョージルーカスは最初は9部作になることを公言していたが、エピソード1の公開時には6部作に修正していた。そこでファンはかなりガッカリしたと思うしオレもそうでした。でもあれだけ熱狂した3部作の続編ならば観に行かない訳にはいかない。でもそれはエピソード4−6の前史なので新しい物語が紡がれる訳ではない。謎の部分はかなりあったけど、期待していたほどでもなかった。結局エピソード1−3は全部観たけどね。2はまた別の女性と一緒に行ったのだけど、彼女はSW自体を観たことがなかったらしく、終始ポカーンとしていた。ああやっぱ女性はSW好きじゃないんだなと再度思いました。

■前置き長すぎて申し訳ありません。この作品はエピソード6以降の話なので、大部分のファンが観たかったであろう続きの新しい話になろうかと。ルーカスフィルムのディズニーへの売却により、配給が20世紀フォックスからディズニーに代わったので、20世紀フォックスのファンファーレからのSWのオープニングテーマの流れを堪能できないのはかなり残念。でも、高齢のジョン・ウィリアムス御大が変わらず劇伴を務めて頂けるのはありがたい。

■で、映画の内容の話。いつもだとある程度あらすじにも触れていくのだけど、今作は公開前までストーリーが秘密だったこともあり、話を知ってから観に行くとどうしても面白さが多少損なわれてしまうので、話の内容には一切触れません。言えるのは舞台がエピソード6から30年後ということくらい。エピソード4−6の登場人物のうち誰が再登場するかというのは、ポスターのビジュアルを見てもらえればお分かりかとは思う。

■待ち望んていた正統派の続編として、すごく面白かった。ただどうしても、特にエピソード4−6を下敷きにしているところはあるので復習は必須だし、単独の映画作品としてどうなのよと言われると困ってしまうところもある。でもいいんですメチャメチャ面白いから。今作から監督がJ.J.エイブラムスに代わり(エピソード8はまた別の監督とか)、脚本にもルーカスは関与しないということで不安視する向きも多かったと思うが、大丈夫です。ルーカスが関わってなくても映画はすごく面白い。正直、エピソード1−3より。

■年末年始に一推しでお勧め。公開週はすごく混んでいたので、劇場の混雑が一段落ついたら再見予定。あと、1ヶ月くらい経ったらネタバレ分の追記、じゃなくて別エントリでネタバレ編を書くかも。やっぱ消化不良なんで。

海難1890 [映画]

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■2015/12/13鑑賞@チネチッタ。今年95本目の邦画(実際には日土合作だが便宜上)49本目。

■正直言って、タイトルがあまりに直截的というかひねりがなさすぎなので、観る予定はなかった。しかし和歌山出身の大学同期のW君の強引な推し(笑)によって観ることにした。結果自分に合わなかったとしても、こういうクチコミの評判からは得るところが多いし。でも実は、もういい年なので日本の全県はほぼ行ったことがあるのだけど、唯一足を踏み入れたことがないのがこの和歌山県なのだ。

映画は二部構成で史実に基づいている。1890年に、トルコから天皇への使徒として来日した船・エルトゥール号が、帰路台風に遭い和歌山県樫野崎沖で座礁。乗員の9割は死亡したが残りを地元の人達が献身的に救助したパート。それから95年後の1985年、イラン・イラク戦争の停戦合意が破棄され、テヘラン在住の邦人は危険に晒されるが、日本からの救出便はない。その中で、トルコ首相とテヘランのトルコ大使館員が働きかけ、テヘランからトルコへの救出便を手配し日本人を優先的に乗せて救った話が後半のパートです。ヤバイな、あらすじ全部書いちゃったよ。ただ史実ベースなので特にネタバレを危惧する必要もないけど。

■和歌山の離島に暮らす医師・田村(内野聖陽)はエルトゥールル号の遭難に遭遇し、混乱する村民を導きながら可能な限り助けようと試みる。助手のハル(忽那汐里)は数年前に婚約者を海難事故で亡くしたことのショックで声を失っていた。トルコの大尉のムスタファ(ケナン・エジェ)はハルのマッサージでギリギリのところで生還する。金も食料も乏しい村の献身的な助けにより、生存者は日本海軍の助けを経て無事帰国する。トルコ側の事情は全省略しているので、気になる方は映画を観るなりしてください。

■それから95年後のテヘランパート。上記の通り帰国が困難になった日本語学校の教師・春海(忽那汐里)は、生徒と家族の帰国の方策を探すところで、トルコ大使館員ムラト(ケナン・エジェ)と遭遇し助けられる。その後大使・木村(永島敏行:久々に見たな)の交渉とトルコ首相の英断により、日本人を優先する救出機が手配される。

■あらすじの繰り返しになってしまって申し訳ございません。この映画で凄いなと思ったのは、和歌山の人たちの無償の努力と、テヘランにいるトルコ民たちの受容度。それに対する反感としての当時の日本政府の情けなさ。

■誤解しないでいただきたいですが、だから安保法制を進めろという単純な話ではありません。在外邦人を守るということと安保法制はまったく別の話でございます。

■1890年で遭遇した忽那汐里とケナン・エジェが1985年で再度遭遇し「会ったことがあるような気がする」というのは当然完全フィクションなんだろうけど、そのへんは少しファンタジーですね。忽那汐里はいわゆる「オスカーゴリ押し三人娘」(あとは武井咲と剛力彩芽)と言われてたが、今作や『許されざる者』の芝居は凄かったので、今後も期待できる女優さんです。この映画でも実質主演と言っていいかも。

■ただ映画の冒頭での、ダウトオール・トルコ首相のスピーチは不要だったかな。ロシアの戦闘機を撃墜したとかしてないとかで、反ISなのにロシアと微妙な状況だったりとか。

ベテラン [映画]

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■2015/12/12鑑賞@キネカ大森。最近毎週キネカ大森に来てるような気が。今年94本目の洋画(というか邦画以外)46本目。

韓国映画(だけでなく英語以外の映画)はあまり観ません。大きな理由は、韓国映画で言うとハングルヒアリングがまったくできないため、すべて字幕に頼るしかないということ。邦画は当然だけど英語の映画もヒアリングが多少はできるので、字幕で補完してもらいながらも台詞の意味が分かるからといったところ。しかし、これを観た日は前に観た『母と暮せば』でモヤモヤしていたのでスカッとして帰りたくなり、時間的にちょうど良かったので大森まで戻った。韓国映画は傑作『サニー 永遠の仲間たち』以来。他に何を観たことがあるかはリンクを参照してください。

■凄く単純な勧善懲悪の映画ですが、そこがいい。ソウル警察庁広域捜査隊の刑事ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)は嫁との仲もギクシャクしていて、薄給を嘆くダメな男だが刑事としては熱血。業務で世話になったトラックの運転手が、不当解雇への抗議で親会社の財閥・シンジン物産を訪れたところ、投身自殺を図り意識不明になった件に疑いを抱き捜査を始める。黒幕は以前パーティーで会ったイケ好かない財閥のバカ息子チョ・テオ(ユ・アイン)と知るが、テオは財閥の権力を使いあらゆる形で捜査に圧力を掛け逃げ切ろうとする。

■はい、分かりやすいですね。変なフェイクが一切なくて、流れに乗って観ていけば十分楽しめる映画です。ドチョルの所属する広域捜査隊のチームプレイも、時折笑えてほんの少しだけ感動するというところが楽しいし、カーチェイスやアクションもすごく迫力がある。そして悪役のテオがさわやかなくらいに分かりやすいクソな悪役なんだけど、この手の悪役は親の威厳に頼ったひ弱な男という定番もひっくり返して、メチャクチャ格闘が強いクソな悪役という設定がまた楽しい。

■痛快な映画ということで、結末は書くまでもありません。スカッとします。

■あと、観てて思ったのはソウル市街でのロケの派手さ。ま、オレが昔ソウルに行ったのは四半世紀前なので記憶があまりなくて、ロケ地が違ってたらすいません。でも韓国(&ソウル)って映画のロケにかなり協力的だと思うのですよ。『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』のロケ地もソウルだったし。邦画の『劇場版 MOZU』だって最大のアクションシーンは国内で撮れないので、フィリピンになったという話だし。

■日本では警察や役所の規制が厳しいので、なかなか派手な映像は撮れないという話を聞いたことがある。日本の警察庁・警視庁その他の官庁は、こういう映画やドラマなどの映像産業に対して、もっと融通を効かせるべきではないか、と以前から思ってはいた。従来産業だけでの立国はとっくの昔に難しい状況になっているのだから、観光や娯楽の振興を図りたいのなら「クールジャパン」とか寝呆けたことを言ってないで、まずこのへんの規制緩和に乗り出すべきだと思うけど。

母と暮せば [映画]

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■2015/12/12鑑賞@TOHOシネマズ川崎。今年93本目の邦画48本目。別に山田洋次監督の熱烈なファンでもないオレが観た理由は、監督の前々作『東京家族』と前作『小さいおうち』が面白かったからだ。しかも今作には『小さいおうち』にも出ていた日本映画界の期待の星、黒木華が出ているのだ。観ないわけにはいかない。

■公開初日だったので映画館はほぼ満員。山田監督の作品なので観客の大部分は年齢が高めの方なのだが、息子役の二宮和也のファンとみられる若い女性も結構いた。この回、初日舞台挨拶の同時中継があったというのも大きいだろう。登壇者は山田監督と、主演の吉永小百合、ニノ、そしてニノの恋人役の黒木華。4人が並んでいて初めて気づいたのだが、黒木華って結構でかいな。どう見てもニノよりでかい。『天皇の料理番』の佐藤健とのように、小柄な俳優とコンビを組まされることが多いのだろうか。

■閑話休題。井上ひさしさんの戯曲『父と暮せば』を翻案した作品。『父と暮せば』は同名で映画化もされているが、舞台も映画もどちらも未見。広島の原爆で亡くなった父と生きている娘の話が、長崎の原爆で亡くなった息子と生きている母の話に置換されている。タイトルが「暮らせば」ではなく「暮せば」になっているのはそれが理由だろう。

■昭和23年の長崎。原爆で息子の医学生・浩二(二宮和也)を亡くした母・伸子(吉永小百合)は、浩二の婚約者だった小学校教師・町子(黒木華)に時折面倒を見てもらいながら、助産婦の仕事を続けている。浩二の遺骨や遺品も見つからず、もう諦めようと伸子は思い、町子にも新しい相手を探して幸せになるように促す。そこに死んだはずの浩二が、幽霊となって伸子の前に現れる。

■偶然この夏に長崎を訪れ、原爆資料館にも行って改めて核の恐ろしさを感じたこともあり(機会があれば行くべき場所)、山田監督がこの映画で伝えようとしたテーマもよく分かる。実際に戦時中を経験している世代の山田監督や大林宣彦監督の最近の作品(『野のなななのか』)は、明らかに現在の状況への危機感の表れだろう。

■だけど、映画自体に少し辛いものがある。もともとの舞台が二人芝居ということもあって、黒木華などが出てくる部分はあるものの、映画の七割くらいは吉永小百合と二宮和也の二人芝居だ。それ自体はいいとして、浩二(二宮)が生きていた頃のエピソードの大部分は映像では示されず、二人の説明的な台詞だけで済まされてしまう。舞台はライブだからそれでもいいのだけれど、映画でこれはキツい。制作意図は正しくても、手法が適切でなければ効果的には伝わらないんじゃないだろうか。まずは映画として面白くなければ始まらないと思うのです。言うまでもなく個人的主観ですが。

■ただ、坂本龍一の劇伴はすごくいい。がん治療からの復帰第一作ということらしいけど、教授も反核・反原発という立ち位置を明確にしている。そのあまり、「がんの放射線治療を拒否した」などというとんでもないガセネタを流されたり(そんな訳ねーだろ)、「音楽家は余計なこと言わないで曲でも作ってろ」なんて意見がまかり通っているこの現状がイヤだ。政府のマスメディアへの圧力やマスメディアの自粛以前に、一般市民が全体の流れと異なった意見を封じるような「同調圧力」のほうがよほど怖いと思うのは、考えすぎだろうか。

■少々映画の話から脱線して申し訳ありません。

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