So-net無料ブログ作成
検索選択

沈黙ーサイレンスー [映画]

6ac96ef226649ffa (1).jpg

■2017/1/29鑑賞@チネチッタ。今年6本目の洋画5本目。

■ブログに何回か書いたこともあるが、ウチは父親がクリスチャン(プロテスタント)なので、オレも小学生の頃は毎週教会の日曜学校に行ったりする子供だったのだ。結局洗礼は受けなかったけど。で、中学の頃に、敬虔なクリスチャンである遠藤周作の『沈黙』を父親の本棚に見つけたので読んでみたら、ものすごく面白かったのだ。もちろんこの映画の原作小説のことである。それで観るつもりではいたのだが、話のあらすじの半分以上は覚えてなかったりして。加齢とは哀しいものです。

■監督は巨匠、マーティン・スコセッシ。最近の作品では、とても映画愛に溢れた『ヒューゴの不思議な発明』にじんと来たかと思うと、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオ様その他の過剰な暴力シーンに胸焼けがしたりと、相変わらず一筋縄ではいかない。今作はどう出るか。

■江戸時代初期の日本。織田信長統治下での庇護から一転、豊臣秀吉はキリシタンの弾圧を始め、江戸幕府になってからもそれは継続されていた。ポルトガル人の神父フェレイラ(リーアム・ニーソン)が消息を絶ち、棄教したとの噂も流れる中、弟子のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)は、フェレイラを追って日本人のキチジロー(窪塚洋介)の手引でマカオから長崎に潜入する。

■ロドリゴたちは「隠れキリシタン」と呼ばれる村人、イチゾウ(笈田ヨシ)やモキチ(塚本晋也)の庇護を受けつつ村人たちのために祈るが、幕府の取り調べは熾烈を極め、キチジローの裏切りもありついに囚われの身となる。長崎奉行のイノウエサマ(イッセー尾形)は、「結果的に村人を助けるためだ」とロドリゴに棄教を迫る。

■白人のメインキャストが(アメイジング)スパイダーマンだったり、スター・ウォーズだったりするところがなんだかおかしいが、それは映画の本筋にはまったく関係がない。原作小説がそうであったように、信仰の自由が一義なのか、自分の心を欺いても人と自分の命を助けるべきかという迷い。そしてそもそも異なる社会に自らが信じる宗教を広めるのは本当に正しいことなのか、という、当然現在に至っても答えなど出ようのない話に取り組んだ、非常に奥深い映画。

■日本人俳優陣も、キチジロー演じる窪塚洋介の卑怯さや、通詞を演じる浅野忠信の怜悧さ、そしてまさに体を張った演技の塚本晋也監督など見どころたっぷり。加瀬亮や青木崇高、片桐はいりとかも出てます。小松菜奈も土に汚れた村人の娘役だが妙に光っている。この人が重用されている理由が少し分かったかも。

■現代の日本では信仰の自由は基本的に保証されているので、よほどのカルト宗教でない限り、特定の宗教の信者だからといって他人から白い目で見られることはない。だが世界を見ると、今でも自らの信じる教えのために、喜んで自分の命を投げ出す人が少なからずいるという現実。観てスッキリという映画ではまったくないのだけど、ぜひ観て懊悩していただきたい。映画(小説)のタイトル『沈黙』は、キリストが十字架で処刑される際に神(ゼウス)は救いの手を伸ばさず沈黙していたこと、そして同じ状況に置かれたロドリゴを示したものです。

■余談。舞台は長崎がメインだがそのシーンは全面台湾ロケ。一応スコセッシ監督御一行は、長崎で撮るべくロケハンに訪れたらしいが、その時に長崎県の役人が下手打ったとか打たなかったとかで結果台湾ロケになったらしい。強い資本力でアメリカの映画会社を買収できたりする中国は別格として、官の柔軟な対応でロケ地を獲得している韓国と比べても、その点に関しては日本は劣っていると思う。日本がコンテンツをひとつの武器としていくならば、「クール・ジャパン」とか寝呆けたこと言ってないでその辺の対応を整備するのが先じゃないかと思っちゃいますがね。

■余談のおまけ。この映画、初週の週末興収は4位で2週目は8位。だけど公開週の週間ランキングでは堂々の1位。オレが観た劇場(2週目週末)でも還暦過ぎの方が大部分を占めていたので、なるほどなと思う。テーマが重いしイケメンやアイドルが出ているわけではないので(出演している役者さんすいませんすいません)若い人には受けにくいというのは分かる。そして映画を1,100円で観られる比較的時間に自由が効く層は、平日に映画を観る人が多いはずだということも。

■映画館の2週目以降の編成は、初週の興収をかなり参考にしているはず。でも本当に映画が好きなのはたぶん年配層なので、今後は週間ランキングも参考にしたほうがいいと思う次第です。もちろん現在でも参考にしているところはあると思うけど。

nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(2) 

nice! 2

コメント 2

non_0101

長い作品ですけど、本当に見応えのある作品でした。
終盤やエンドロールの静けさに心が少し癒されてから劇場を後にできたのが良かったです☆
by non_0101 (2017-02-04 23:50) 

sochi

non_0101さん、

本当に時間を忘れるほどの力作でした。
by sochi (2017-02-05 01:56) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 2

この記事のトラックバックURL:
メッセージを送る