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聖の青春 [映画]

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■2016/11/19鑑賞@109シネマズ川崎。今年124本目の邦画63本目。

■この映画の主人公で、29歳で亡くなった天才棋士・村山聖(松山ケンイチ)の人物像には以前から興味があったし、原作の大崎善生さんの同名ノンフィクションも以前夢中になって読んだ。思えば我々の世代(ざっくり言うと1960年代生まれ)にとっては、将棋はとてもポピュラーなボードゲームだった。「ボードゲーム」というと、そんなもんと一緒にするなと将棋ファンは非難轟々かも知れないけど。当時はTVゲームもスマホもなかったので、子供同士の娯楽としても身近だった訳です。でもわたくし将棋は鬼のように弱く、勝った記憶があまりありません。

■なので観ることにした。監督はあまり意識してなかったが森義隆さん。なんとなく記憶があったんだけど、4年前の人気漫画の映画化『宇宙兄弟』は観たことがあった。そつのない映画化で楽しんだ。でも実は森監督はテレビマンユニオン出身で、ドキュメンタリー作品が多いみたい。今作はノンフィクションが原作なので、得意なフィールドに戻ったということかも。

■1990年代、若き天才・羽生善治(東出昌大)は史上初の7冠に挑もうとしていた。羽生に強いライバル意識を燃やしていたのは「東の羽生・西の村山」と称されていた通称「怪童」村山聖(松山ケンイチ)。幼少時からネフローゼという難病を患っていた聖は、自分の寿命がそう長くないことを悟り、人生のすべてを将棋に賭け、それゆえ周囲との軋轢を生みつつも天才を発揮し驚異的なスピードで昇級し、悲願である「名人位」を目指す。

■事実に基づいた話なのでネタバレも何もない。でも以降は是非映画を観て確認していただきたい。主演の松山ケンイチは、持病の影響で肥満だった村山聖に寄せるために20kgの増量を行ったそうです。でもそれ以外にも、今作の松ケンはまるで村山聖が乗り移ったかのような熱演。松ケンの演技力を考えれば想定内なんだけど、これは今のところ松ケンのベストアクトではないかと。

■驚いたのは羽生名人を演じた東出昌大。ルックスが元々似ているというところもあるけど、羽生名人への寄せ方が凄まじい。体格は羽生さんより一回り以上大きいはずだけど、仕草や姿勢、本当に羽生さんのコピーみたいだった。そして普段なら棒読みと言われる抑揚のない話し方も、羽生さんならそうかも、と思わせるくらいの説得力が。実際の羽生さんの眼鏡(当時流行っていたティアドロップ型)を実際に掛けて演技したというところもあるかな。東出くんの演技で初めていいと思った。こちらも彼にとっての現時点でのベストアクト。上から目線で大変申し訳ございません。

■難病を抱えた聖はもちろんのこと、羽生も、そして他のライバルの棋士についても、棋士は絶望的に孤独な職業だということを教えてくれたことも大きい。もちろん成長するためにサポートしてくれる親族や友人などのサポートは大きいのだけど、結果を出すべき対局では自分しか頼れるものはない、というのを強烈に示してくれた。

■助演陣も素晴らしい。母役の竹下景子、師匠役のリリー・フランキー、ライバル棋士役の安田顕、柄本時生、後輩の染谷将太などなど。泣きそうなくらいハマっている。東京での聖の生活をサポートする「将棋世界」の編集者・橋口(筒井道隆)は、原作者の大崎さんがモデル。筒井道隆も今までにない役柄ですごくいい。

■原作はノンフィクションなので当たり前だが、2時間映画にしては情報量が多く、普通にすれば単なるドキュメンタリー映画になってしまうところ、登場人物が話す台詞の相手を入れ替えたり創作を混ぜたりとか、脚本の向井康介さんと監督以下の制作陣の構成のおかげで素晴らしい映画になった。実はかなり鑑賞中にハマってしまって、劇中にそうではないところで嗚咽が漏れそうになり懸命にこらえた。隣の観客のノイズって結構迷惑だしね。

■お薦めです。すでに観られた男性は、知人女性を「松ケンと東出くんのBL映画だよ」とかの嘘を言っても(あれ?そう間違いでもないか)連れ出していただきたい。

■以下は個人的な話ですが、今年は邦画のベスト5をまとめるのがかなり難しくなりました。10に拡大したいかも。
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